思い出ばなし・広海さんー2・・・

 

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子供も大きく成って、手を掛ける事も無くなりましたが、今度は高校・大学と

2人の息子にお金が掛かる様に成って、本格的にパート勤めを始めて

靴下工場の広海さんともご無沙汰勝ちでした。

有る日、同じ団地の以前、婦人部を遣った時にご一緒だった婦人部の

部長さんから「広海さんの会社に靴下を買いに行くからご一緒しない?」って

誘われて会社の方へ・・・

洋光台から電車に乗ってバスに乗り継いで・・・こじんまりとした会社でした。

やっぱりオバチャン連中がテーブルを囲んで雑談をしながら、出来上がった

靴下にシールを付けて袋詰めを・・・

和子は広海さんには妹の様に可愛がられて、取っても優しいお姉さんって

存在でしたが、工場には初めて・・・婦人部の部長さんは若い頃にこの会社で

長く働いて居られて工場長や職人さんとも和気藹々にお話しが盛り上がって

楽しそうでした。工場長も職人さんも時々商品を届けて下さって・・・

「アラッ珍しいね?もう僕ちゃん達も大きく成ったでしょう?」って

お声掛けをして貰い、嬉しかったです。

 

その後、何年か過ぎて、和子が失業して居る時に広海さんの所に電話をすると

広海さん   「今、どうしてるの?」

和子     「今失業しちゃって遊んでるよ~会社の方忙しい???

広海さん   「毎日忙しくって猫の手も借りたい位、遊んで居るなら

        家に来ない?あんたなら欲しいだけお給料上げるから・・・」

元々広海さんの会社に転がり込ろうとは努々思って無かったけど~普段から

お仕事をして居るから我が家は留守がちで誰も遊びに来ないし・・・フト

広海さんを思い出して電話をしただけだったけど・・・広海さんから

「家に来ない???」って誘われて・・・一寸気持ちが傾いて・・・

勿論「欲しいだけお給料上げるから・・・」と言うのは信じて無いけど・・・

(暫く行こうかな?)って思い靴下工場に入社しました。

 

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パート社員として工場の中に入ると何時か婦人部の部長さんと伺った時の

雰囲気とは全然かき離れて・・・オバチャン連中の仕事をしながらの会話は

他人の悪口ばかり・・・女の職場のドロドロとした雰囲気に和子は

幻滅を感じました。

でも~和子がその中に入ると・・・「広海さんのお知り合い」という事で

パッと会話を変えて・・・本当に嫌な雰囲気でした。

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流石の和子も、この会社では長居する所じゃ無いと感じて・・・

一度はお給料を頂いたけど~やっぱり「欲しいだけお給料は???」

広海さんに「折角だけど、此れから2人の息子にもお金が掛かるから・・・」

という事で退職しましたが、広美さんはさっぱりした方で快く受け止めて

呉れて・・・終わりに・・・2年位前に早朝散歩に来るご夫婦が靴下工場の

ご近所で「広海さんも元気にしてるわよ~」って・・・((^▽^笑) )

【病歴はなしで 話の輪を はずれ(シルバー川柳)】