思い出ばなし・ナミさんー5・・・

 

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和子も子供も大きく成って本格的にパートで働き出して数年後にナミさんも

他界されたとお向かいの棟のお友達から伺いましたが、噂に依るとお兄さんや

甥っ子さん、姪っ子さんも居たそうですが、兄妹とも縁を切ってお母様と

2人で市営団地の一室で倹しい生活をされて居ましたが、お母さんも亡くなり

和子の紹介で和食レストランで皿洗いのお仕事を始めて世間の風に触れ、

最終的には末期がんで同じ棟の上階の方だったのか、良く分かりませんが、

とにかく団地の方に看取って頂き、全て市の方で埋葬されて家財道具も

処分されたとか?

 

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取っても几帳面な方でチリ一つ見受けられない綺麗なお宅で・・・

「30代で亡くなった夫は私の胸の内には30代の儘、今も生き続けている」

と言ったナミさんの言葉、和子に取っては印象的で忘れられない

此処までご主人を愛し続けて居たんだ~と思うと「若くて亡くなったご主人

幸せだったんだなぁ?」って思いましたね?

そのご主人を愛し続けたからこそ、紳士靴下のリンキングで僅か1.5cm程の

切れ端の糸を解いてセーターに編む、一般人は思い付かない執念でお母さんと

2人で生きて、最終的には市で全てを処分されて無縁仏様に・・・

一寸残酷ですよね?可哀そう過ぎます。

あれから40数年・今頃は天国で幸せに暮らして居るかな?((^▽^笑) )

【見栄張って 杖は要らぬと 傘を持ち(シルバー川柳)】