思い出ばなし・ナミさんー1・・・

 

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中々靴下の先カガリのお仕事は難しく・・・捗らないし、「お向かいの棟の

ナミさんは此れで生計を立てて居る」って言うし・・・一寸したコツでも

教えて貰えないだろうか?と思って勇気を出してノックしました。

玄関を開けては頂きましたが、中には上げて頂けませんでしたが、その時

ナミさんのお母さんはリンキングに掛けて綴じ終わると先が1~1.5cmほど

半端が出ます。その半端の屑を丁寧に解いて糸玉を作って居ました。

お家の中を見渡せば綺麗に片付いて、ナミさんの几帳面な性格が

映し出される様な光景でした。

色々事情を話し「一寸見せて欲しいし、何かコツが有ったら教えて欲しい」と・・・

その時、彼女は「私には生活が掛かって居るから教えるほどの時間も余裕も

有りません」とはっきり断られてしまいました。

 

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その後に広海さんが出来上がった靴下を引き上げ、又新しくお仕事を持って

来て下さったときに「ナミさんに『私には生活が掛かって居るから教えるほどの

時間も余裕も有りません』とはっきり断られちゃった~」と言うと・・・

「彼女は取っても几帳面な方だしお兄さんが居る様だけど、お兄さんと

喧嘩をして母親を連れて家を出て勘当同然で靴下の内職で生計を立てて

お母さんと2人で生活をして居るから当然断られるでしょうね?

 

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彼女は夜・昼構わず仕事をして、お母さんは買い物に行ったり~靴下の

屑を解いて糸玉を作って其れをナミさんが編針で編んでセーターにして

着て居るよ」とそう言えばその様な感じのセーターを着て居たし~

お母さんも前開きのベストを着ていた様な???

ナミさんは団地の1階にお住まいで動力ミシンの音が上に響いても、

階上からのクレームは、きっと受け付けないだろう~と思うし

お隣り近所の方とのお付き合いも無さそうでした。

【又一つ プライド捨てて 楽に生き(シルバー川柳)】