湖東三山の旅行から帰って暫くしてから・・・
おけいさんから「この頃、悪戯電話が良く掛かって来るから困ってるの~」
と言われ・・・昔は和子の家にも悪戯電話が良く掛かって来て出ると
無言で切っちゃったり~下ネタの話しをして思わずガッチャンって切る事も
有ったけど~其れを根に持って、お友達に零すと言う様な事はなく・・・
面白、可笑しく「夕べ変な電話が掛かって来て『OOしょうか?』何て言うから
ガチャンと切っちゃった~」と言う様な事は有るから、おけいさんにも
「家にも偶に変な電話が掛かって来るよ~嫌だね?」と言う程度でした。
其れがおけいさんの所には夜中に掛かって来て「鼻息だけ~」とか
「うめき声」がすると言って真剣に悩んでいる様でした。一人暮らしだから
相当悩んで居る様でしたが、極、普通のご夫婦の家庭でご主人が居るのなら
「電話番号変えちゃえば?」とでも言えるけど・・・少ないお給料で
ギリギリの生活をして居るおけいさんに簡単と「電話番号変えちゃえば?」
とも言えず・・・又其れほど悪戯電話で悩んだ事も無いから・・・
電話番号を変えようとは思った事も無いし・・・又和子も家族の居る身で
「お金掛ったら出して遣る」とは言えないし・・・唯々「大変だね?」
としか言えませんでした。
編み物工場の方で横編み機を担当して居る男性で和子より4歳ばかり
若いお兄さんが居ました。彼はお昼休みにはガウンの縫製工場で休憩し
風の便りでガウンの縫製工場のリーダーと仲良しだそうです。
双方共に家庭を持ち其々にお子さんも居るから只のお友達だとは思うけど
他人の噂は「そうじゃ無いの?」と言った言葉が渡り歩き「そうだって?」と
言う言葉に変わって行くから・・・お兄さんとガウンの縫製工場のリーダーとは
どの程度のお付き合いかは分かりませんし~和子は分かろうとも思いませんでした。
所が、おけいさんは、そのお兄さんに好意を持って居るらしく自分の方に
気持ちを傾けて呉れる事を願って居た様です。
おけいさんの悪戯電話の話題も段々と噂から薄れて来て今度は和子に
「家に悪戯電話をして来るのは実は横編み機を担当して居るお兄さんだ」と???
和子は「まさか?何かお話しでもして来たの?」って聞くと・・・
「話はしないけど何となくそんな感じがする」と・・・
結局会社の中で悪戯電話の噂も下火に成った頃に・・・又おけいさんは蒸し返し
お兄さんと親しい裁断機の男性がお兄さんに聞くと、お兄さんは激怒し・・・
結局はおけいさんのお兄さんの気を引く罠で最終的には会社に居られなく成って
退職・・・自分の自分の首を絞めて・・・気の毒なおけいさん(笑)
【人生は 山谷超えて まだ歩む(シルバー川柳)】