ランドリー工場に再就職してからは、以前ニットの会社でガウンを縫って居た
おけいさんとは別人の様に変わっちゃって「何処でどの様に歯車が狂っちゃったの?」って誰かに聞いて見たい程、これがおけいさんの本性か?と思う程でした。
其れでもやっぱり「永源寺・信楽焼・湖東三山を旅行した事は本当に
嬉しかったのか、ランドリー工場の仲間に吹聴し、和子が
「私と行ったんだよね?」って口を挟むと
「和ちゃんじゃ無い他の人と行ったの~」って言い張る
そうこうして和子に後ろ足で泥を掛けて良い子ぶってたけど~やっぱり天罰が
下ったと言うか~有る時「体調が思わしく無いから休みます」と言って
お医者さんに行くと「子宮がん」と診断されて気が付いた時は至る所に
転移して居たそうです。和子は折角の好意を踏みにじられてお見舞いに行く気にも
成れないし・・・散々苦しんで・苦しんで、苦しんで死ねば良いとも思いましたが
和子の人の子・幼い頃から病弱で何度も入退院を繰り返し、何度も身体にメスを
入れて手術をし、苦しんで居るおけいさんが愛おしくなってお見舞いに行きました。
6人部屋の片隅の薄暗いベットの上でゲッソリ痩せて抗がん剤の副作用で
髪の毛は抜け落ちてバンダナを被ってベットの上で座って居ましたが、
枕元のベットの柵に掛かって居る表札を見ないと判別が付かないほど
痩せこけて~「おけいさん~」と言うと・・・「和ちゃん私頑張ったよ~」と
大粒の涙を零し・・・「ジュースが飲みたい」と・・・
その後、数日後に個室に移され「面会謝絶」の札が掛けられこの世を去りました。
享年:51歳
聞く所に依ると過去には妻子ある男性と不倫を重ね、男性のぬくもりを覚えて
両親から見放されて孤独な生活の中で他人の善を利用し吸い取るだけ
吸い取って、天罰を受けて散々苦しんで旅立ったのでしょうね?だから~
若しかしたら不倫の男性との間に子供が居たのかも???
【ぬり絵する ホームの母や 冬ぬくし(シルバー川柳)】