和子の父は次男坊で祖父母も若くして亡くなり、母と結婚をする時に
お兄さんに建てて貰った、部落の中でも新しい家屋でした。
田舎は茅葺き屋根の古いお宅が建ち並び、先祖代々沢山の子孫を残した家屋が
多かったです。でも~和子の里は父と兄やんの代で廃墟に・・・
兄やんには、娘が3人で長女はお嫁に行き、まーこ(次女)に
彦根のブリヂストンに勤める成治(仮)さんを養子に迎え跡取に・・・
成治(仮)さんは山口県の生まれでブリヂストン彦根工場に転勤に成り
鬼に金棒だったのかも?(笑)当時は(今現在も)中々養子さんに
滋賀県の山奥には養子に来てくれる人は居なくって、兄やんが車で
10分程下に下がった所に、新しい家を建てて成治(仮)さんを・・・
兄やんが脳梗塞で倒れて、間脳を侵され、連れ合いの姉さんも認知が進み
その上、耳が聞こえなく成ってチグハグな夫婦に成った時に、
新居を賃貸にして、村に帰って来れば折角の里も廃居に成る事も無かったろうに・・・
結局は兄やんの読みも浅かったのかも知れないけど・・・脳梗塞で倒れる前に
「俺が死んだら里に戻ってお母さんを面倒看て遣って呉れる様に・・・」と
遺書でも書いて置けば、良かったのに・・・
まーこはやっぱり住み慣れた新居が良かったのか?
でも~やっぱり兄やんの末娘は「里を壊さないで欲しい・私たちの故郷は
やっぱり里だから・・・」と言って今も廃居のまま・・・
姉さんも「まーこの家には行かない」と頑固と動かなかった様です。
やっぱり姪っ子のまーこが跡取だから「家に帰って来て・・・」と
招待して呉れても、ご馳走を並べて呉れても和子達兄姉・まーこ達姉妹の
里は滋賀県の山奥・・・思い出の一杯詰まった里・・・
姉さんも暫くは、まーこの家に引き取られたけど、最後は和子達の
滋賀県の山奥の里で不慮の事故に逢い、天国へ・・・
兄やんが亡くなって3年後だったかな?
享年 81歳 ― 合唱 ―