《和子は又々こんな記事を見た~》
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3年ぶりに声が出た!
ある日、突然体が動かなくなった葉月ちゃん
最初に放った言葉は…
3年前突然体が動かなくなった渡邊葉月ちゃん。
この春、大きな変化がありました。人工呼吸器をつけたため、失った声を
出せるようになったというんです。また一つハードルを乗り越えた
葉月ちゃんの今を追いました。 春から小学6年生になった渡邊葉月ちゃん。
旭川市内の特別支援学校に通っています。
父・政宏さん:「(ジーンズ)虫に食われたの?」
葉月ちゃん:「そういうやつなの。ダメージくらってるやつ」。
3年前、突然、倒れた葉月ちゃん。脊髄にできた腫瘍が原因で、
首から下を動かせなくなりました。人工呼吸器が必要となり、
声も失いました。 担任教師・
八島里枝さん:「いろんな人と話す中で、伝わらないことがすごく出てきて。
そういう時に、聞き取ってもらえる人に助けを求める場面は何度かあって。
やっぱりいろんな人と話がしたいんだな、というのは感じていました」。
先生や友達と、もっと話せるようになりたい。この春、葉月ちゃんは
大きな決断をしました。気管に入れている管を、声が出せる形の物に
交換することにしたのです。3年前、一度試したことがありましたが、
その時はうまくいきませんでした。 母・千香子さん:「『やだやだ』って
なったところで替えたから、すごい出血して。血がどばどば出てね。
怖かったんだよね」。
長男・涼月くんに話しかける千香子さん:「あしたお姉ちゃんとママいないからね。
パパと一緒にご飯食べてね」。葉月ちゃん「大丈夫かな」。
父・政宏さん:「不安より期待感が多くて、そっちの方でワクワクしている感じ。
もしかしたら娘の声が聞けるかもって、親なら誰でもワクワクする」。
母・千香子さん:「お母さん的にはね、やっぱりドキドキしている。ね?私だけ?」
葉月ちゃん:「怖い」。
千香子さん:「怖い?怖いよね」。
葉月ちゃんが交換するのは、気管に挿し込むカニューレと呼ばれる管です。
医師:「どう?」 父・政宏さん:「呼吸できる?」
医師:「一応、ここから吸えるんですけどね」。
葉月ちゃん:「なんか変な感じ」。
「スピーチカニューレ」と呼ばれるものに交換しました。
声を出したい時は、人口呼吸器を外し、内側の筒を抜きます。
旭川医科大学病院耳鼻咽喉科医師・寒風沢知明さん:「こういう、
ふたみたいなものがあります。ここに、カチャッとはまるようになっています。
これワンウェイバルブといって、吸う時はここから吸えますけど、
吐く時はここからではなくて、ここから吐くような形になります」。
通常はカニューレを通して空気が体内に取り込まれ、
肺から出る空気もカニューレを通って吐き出されます。このため、
声帯が震えず声を出すことができません。これがスピーチカニューレになると、
鼻や口から空気を吐き出せるようになります。このため、声帯が震え、
声を出せるようになるのです。 病室に戻って、さっそく声を出してみます。
葉月ちゃんが口にしたのは、弟・涼月くんへのメッセージでした。
葉月ちゃん:「りつきー。言えるー。やったー」。
母・千香子さん:「言えた。良かったね。すごいわ」。
葉月ちゃん:「あした帰るから、いっぱい遊ぼうね」。 次の日、無事退院。
ずっと一緒におしゃべりしたかった弟と対面です。
葉月ちゃん:「食べちゃいなさい」。
涼月くん:「ん?」
葉月ちゃん:「食べちゃいな。なんとなく聞こえているのかな。分かんないや」。
最初はささやくような声でしたが、退院して2日後、葉月ちゃんに変化が。
葉月ちゃん:「あー、あー。ウケる。やばくない?」
父・政宏さん:「パパもウケるわ」。
葉月ちゃん:「やばくない?」
政宏さん:「すごくうれしいよ。葉月の声」。
葉月ちゃん:「ウケるんだけど」。
父・政宏さん:「だって3年半ぶりだよ。葉月の声聞くの」。
葉月ちゃん:「良かった。これで好きなこと言える。
思ってることだって言える。よっしゃー」。
病気になる前、普通に話していた感覚を少しずつ取り戻しています。
葉月ちゃん:「11年間生きてきて、おしゃべり楽しいなんて初めて思ったわ。
しゃべるの楽しいんだけど。ねえ、意思疎通できるから楽しいんだけど。やば」。
母・千香子さん:「声にはうれしいとか、怒っているとか、悲しいっていう、
ちゃんと表現があると思うんですよね。
それがすごく分かる。うれしいよね」。
倒れてから3年余り、呼吸や声を出すために必要な筋力が低下して
しまった葉月ちゃんにとって、声で伝えることは簡単ではありません。
それでも少しずつ自信を取り戻し、自分の気持ちを伝え始めています。
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