お兄ちゃんは行方不明に成る1年位前に中央道路を挟んだ向かい側の棟で
やっぱり男2人とママさんと3人暮らしのお宅で、ママさんさんは毎朝
朝刊配りをして、5.30分か6.00時頃にお仕事を終えて帰宅し、未だ2人の
息子も眠ってるからママも一休み・・・してベットで眠ってる時に、2人の
息子さんが起き出して、冬だったので、兄ちゃんが石油ストーブに火を点けて
未だ幼い弟さんが新聞を持って来て・・・その新聞に引火して、ママが気付いて
起きた時には部屋中火の海でママは弟さんを抱いて寝間着のまま逃げ、
お兄さんはストーブが燃え始めた時に慌てて逃げて親子3人無事だったという
騒動が有りましたが、今回のお兄ちゃんの行方不明でのやじ馬はそれ以上の
人盛りで磯子の部長刑事迄見えて居たとか?
とにかく2時間経っても3時間経ってもお兄ちゃんの姿は見えず、和子は
放心状態で地面にへたり込んで動けませんでした。
大勢の人たちが至る所を探して呉れて・・・和子に「貴女も探して来たら~
何処か行きそうな所は無いの?」って急かされても、下半身が抜けた様な
状態に成って、暫く動けませんでした。あの状態って「腰が抜けた~」って
言うのかな?
洋光台の和子の住む団地は洋光台と港南台の境に有って、当時
横須賀横浜道路に建設現場が・・・若しか工事現場にでも行ったのかと
重い腰を引きづりながら行くと、水たまりに水色のビニール袋が
浮いてました。その日お兄ちゃんに、そのビニール袋と同じ色のポロシャツを
着せて置いたので咄嗟に、お兄ちゃんが水たまりにうつ伏せに倒れて居る様に
見えて・・・「お兄ちゃん・お兄ちゃん・・・」って和子は大粒の涙を
零しながら近づくとビニール袋だった・・・あ~良かった~お兄ちゃんじゃ
無くって・・・
愈々磯子の部長刑事さんが「捜査本部を設けよう~」と号令が掛った時、
和子の隣りの階段のオジサンが、(この方は新聞記者だとか?)
「じゃ~僕の家の電話を使って下さい」と言われたんだけど・・・和子が
「家の電話を使って下さい」と言い、刑事さんが「じゃ~ご本人のお宅から~」
と言って3人ほど3階の和子の家に上がって来て玄関を開けっ広げ手・・・
一人の刑事さんが電話を・・・後の2人の刑事さんは踊り場で・・・
其の物音でお隣りの息子さんがびっくりして・・・玄関を開けて・・・
「お兄ちゃん家に居るよ~?」と・・・
和子は本当に我が息子?と信じられないと面持ちで・・・
お兄ちゃんは和子の苦しみなど知る由もなく「ママどうしたの?」って
和子は思わず我が子を抱きしめて・・・
この4時間の辛く悲しい思いが一気に噴き出し・・・
「何で家の玄関に『お兄ちゃん預かってます』って貼り紙位出来なかったのよ~」
度々次男のおむつ交換に帰って来てるのに・・・」と怒鳴っちゃった・・・
急いでお兄ちゃんを抱いて表に出て「お兄ちゃんが居た~~~」と
皆さんに大変ご迷惑を掛けました。無事にお隣りさんに居ました。
当時は、誘拐事件が多く、その数ヵ月前には 駅前の付属幼稚園のお子さんが
誘拐されて本牧のU字講に放置されたと言う事件が有って、部長刑事さんも
「又か?」と言う感じで焦られた様子でした。
又お隣りが落とし穴に成ったのは、お隣りのお宅も母子家庭で男の子さんが
3人とお母さんと4人家族ですが、皆さん成人したお兄さんで、我が家の息子を
匿って居たのは次男の方で大学を3浪し、新聞配達をして居ました。
彼は子供が好きで、我が家の息子にも「バイクでドライブに連れて行って
遣ろうか」と言ったり「お兄ちゃんと遊ぼうか?」って良く声を掛けて
呉れましたが、「行かない~遊ばな~い」って言ってたし~20歳ほど違う
お兄さんの所には誰も居ると思わないし・・・
お兄ちゃんにラーメンを作って、食べさせて置いて野次馬でごった返す中を
玩具や絵盆を買いに行く、その時、「家の隣りのオバサン知らない?
息子さん預かって居るんだけど・・・」と一言、言えばこの様な大騒ぎに
成らなかったのに・・・今、現在なら誘拐犯で逮捕と言う結果に???
お隣りの奥さんも会社を早退して帰り、バナナを持て謝罪に・・・