和子のこぼれ話-127 〜勇ちゃんの思い出〜

新年明けて7日の日に東京の有る斎場で告別式をするから出席して欲しいと
昭ちゃんから電話を貰い、和子は勇ちゃんの死に付いて正直驚いた事は
驚いたけど、悲しくは無かった。むしろ良かった〜と思った。こんな事を
言うと「和子の仲人さんだよ〜大事な旦那さまに巡り合わせて呉れたのは
勇ちゃんだよ〜」って怒られるかも知れないけど、和子は勇ちゃんには
散々苦労させられた。新婚当時から「和子は浮気女だから、監視しろ」と
雅ちゃんに言われて、狭いアパート生活の時こそ泊らなかったけど、団地に
越してからは、来ると当たり前の様に泊り、浮気女の監視所か、亭主面をして
威張り散らし、雅ちゃんと夫婦喧嘩をして寝る場所を失くし居候に来たり〜
せめてもう少し、素直な気持ちに成って雅ちゃんとの夫婦仲の複雑な胸の内を
零しでもすれば、聞いても挙げたし、従兄妹同士もっと仲良く成れたろうに・・・
和子は厚かましい勇ちゃんの態度に愛想を尽かし「もう来ないで?」とも
言ったし、年賀状を呉れても返事も出さなかった。
田舎の川相のオジサンの法事や、勇ちゃんの両親の法事に田舎に帰り、
兄ちゃん達に「和子は年賀状も呉れない」と散々文句を言って居たそうだけど
和子の勇ちゃんに対する、気持ちは冷え切って何を言われても聞き耳を
持たなかった〜〜〜


昭ちゃんから東京の斎場を教えて貰ったけど、行った事も無く不安だったけど
地図を見て色々道順をメモって電車に乗り継いでようやく斎場へ・・・