和子のこぼれ話-33〜和子の縁談〜2

彦根の結納屋さんにアルバイトに行って先輩から河原町の方へ
配達に行く様に命ぜられ、芹橋の土手を自転車で走って居ると
「和ちゃん〜」って和子を呼ぶ声が聞こえた
自転車を降りて、辺りを見回したらおかのさんだった
おかのさんとは、和子の従兄妹のお嫁さんで東京の雅ちゃん
義理のオバサンだった。「アッ?おかのさん、今日は」と何気なく
挨拶をすると・・・「あんた、雅ちゃんに『愛し合って結婚するのに
邪魔するな?』って言ったんだって?」と言われビックリした。


和子は勇ちゃんを初め、昭ちゃん夫婦も雅ちゃんも従兄妹と言うだけで
子供の頃には時々遊びに来て居た様だけど全然馴染みの無い従兄妹
おかのさんも母の甥っ子のお嫁さんで左程馴染みは無い
其れに比べ雅ちゃんは大津の家政学校の教師をして居た頃、おかのさんの
お宅で下宿をし、馴染みが深い。だからこそ、雅ちゃんは根も葉も無い
出鱈目をおかのさんに言ったのだろう〜


和子はおかのさんに「どうして一度東京へ行ってお見合いをしただけなのに〜」
と有りのままのお話しをしたらおかのさんも納得はして呉れた様だけど・・・
バカバカしい・・・