和子の生い立ち-103〜居候〜

和食レストランでパートとして勤め始めて暫くしてから勇ちゃんから
電話が有って「雅子と喧嘩をして家を出たから暫く泊めて貰えないだろうか?」と???
和子は以前から家に来ると亭主面をして威張り腐り、来る度に嫌な思いを
するから「もう来ないで?」って言った事も・・・
でも〜今回はどうしょうも無く我が家に・・・和子は思わず「昭ちゃんに
話したの?」って聞くと「未だ言って無い」と・・・
夫の身内なら仕方が無いけど〜自分の身内が???夫に申し訳無くって
「今日は三軒茶屋に行って昭ちゃんに『和子の所に居る』と言って来てよ〜」
と言って家を出しましたが、帰って来ると「姉さんしか居なかったから
言って来なかった」と・・・勇ちゃんは警備の仕事をして夜は居ないけど
昼間寝る生活。和子は思い余って樋田の兄ちゃんに電話をしてその旨を
話しました。すると兄ちゃんは「勇次が和子の所で居候をするなんて
飛んでも無い。従兄弟と言っても男と女、昼間家に居たら秋山さんに
誤解されても仕方が無い。其れは不味いから今から神戸の操(勇ちゃんの姉)
の所に電話をして遣る。」と言って、即神戸に・・・
夜中の11時半ごろだったかな?三軒茶屋の昭ちゃんから電話が有って
「申し訳無かった。明日直ぐに返して下さい」と・・・


勇ちゃんも若くして両親を亡くし幼い頃から両親の愛情を絶たれ
3人兄姉がバラバラに伯父、叔母の家に預けられて大人に成って
お兄ちゃん、昭ちゃんの元へ・・・松陰神社に家まで建てて貰い普通なら
親子4人で平和な生活が出来たろうに・・・お嫁さんに家を焼かれ
又兄貴の所へ行けば父親代わりの兄貴だから・・・だらしない事をして居ると
怒られる。和子の所へ来て居れば男女関係は別にして亭主面をして威張って
居られる。和子の所は一番居心地の良い所だろうけど〜そうはいかないのが
現実、一寸可哀そうな気もしないでも無いけど〜和子は勇ちゃんを快く
受け入れて遣る気には成れませんでした。