和子の生い立ち-86〜お巡りさん騒動②〜

誠が3歳、洋光台の団地に越して来て未だ一年過ぎた頃
一寸17棟の宮崎さんのお宅に用足しに行ってる隙に・・・
誠は居なく成りお巡りさんが数名、磯子警察の部長刑事まで来て
大騒動に・・・ブルーのシャツにジーンズのズボンを着て・・・
当時、団地の近くで横浜・横須賀道路の工事をして居て沢山の
クレーン車等が停まって居るのが窓から良く見えました。
その工事現場にでも行って居るのか?と思い見に行くと水溜りに
水色のゴミ袋が???(誠がうつぶせに倒れている?)って
駆け寄るとゴミ袋でホッとしたり・・・其の時は妄想と言うか幻覚と言うか
ビニール袋が誠に???確かに見えました。
散々大勢の人達に探して貰い、気が付いたら4時間は経過して居ました。


「此処まで探しても見つからないから捜査本部を設けるか?」とお巡りさんが
其の時、205号室の原さんのご主人が「じゃ〜僕の家の電話を使って下さい」と
和子は「いいえ結構です。家の電話を使って下さい」と言うと
「じゃ〜」と言ってお巡りさん2〜3人が我が家に・・・踊り場でお巡りさんの
声を聞いたお隣の譲二君が玄関を開けて「まこくん居るよ〜?」?????
お巡りさんも和子も呆気に取られて・・・和子は思わず・・・
「どうして貼り紙の一枚もして呉れなかったの?何度もオムツを替えに
帰って居るのに・・・」って怒鳴っちゃいました。お巡りさんも
呆気に取られて・・・「最近本牧ふ頭の方で付属幼稚園の園児が殺されて
溝に捨てられて居た事件が有って慌てました。貼り紙の一枚位は・・・」と
和子は4時間ぶりに誠の姿を見ましたが(本当に誠?)って思い、
一瞬信じられず、複雑な心境でした
当の誠は「お母さんどうしたの?」って???


大学浪人を何年もして家に居た譲二君は子供が好きで時々誠にも
「バイクに乗せて遣ろうか?」って声を掛けて呉れましたが、誠は
「嫌だ〜」と拒んで居ました。だから〜まさか隣に居るとは誰も気付かず
又譲二君も、玄関で泣いてる誠を家に入れてカップラーメンを食べさせて
絵本を買いに行って遊んで居たとか?中央道路で騒いで居るのは知ってたけど
声を掛けられ無かったと・・・絵本を買いに出た時、誰かに「隣のオバサン
知らない?まこくんを預かって居るんだけど・・・」とさえ言えば
こんな大騒動には成らなかったのに・・・