和子の生い立ち-36〜微かな光が?〜

和子の両親には反対されても2人は別れる事無くお付き合いを・・・
色々と如何に両親を説得出来るか2人で考えましたが、洋一は
「今度は俺の実家へ・・・」とは絶対に言いませんでしたし、又
和子も(自分の両親に反対されて四国のご両親に逢っても?)と言う
気持ちが有ったから強いては四国に行く事を進めませんでした。
母は薄々洋一と付き合って居る事を察し「兄ちゃんや姉ちゃん達は
親に祝福されて結婚し、親子宜しく日々を過ごしている。
かーこは親の反対を押し切って洋一の所へ行ったら(もうこの家には
帰れない)と覚悟を決めて行くんだよ〜」と言う母の眼には涙が・・?
和子も年老いた母を裏切って迄、洋一と結婚をする勇気は有りませんでした。


父は絶対に許さないし、和子も苦しんで居るし・・・(おとったんと
一緒に反対して遣るのも?かーこの人生だから・・・)と母には
微かな和子と洋一との縁談に光が???
その時、和子はおしげさんとは殆ど面識が無く偶に家に来た事は有りましたが
何となく怖いイメージで座敷で両親とお話しをして帰る。茶の間で
雑談をする様なおしげさんでは有りませんでした。
それでも、母とおしげさんは叔母と姪の間柄で取っても仲良しでした。

有る時、母はおしげさんに和子と洋一の事を話した様です。
おしげさんは「樋田のオバサンがそんなに苦しんで居るなら・・・」と
「和子は末娘で家の事は何一つして無いし、行儀作法も知らない
会社勤めを辞めて暫く行儀見習いにお手伝いさんに行きなさいと・・・
その間に、四国の洋一のお宅を調べて先方さんにもお許しを頂き
お父さんも説得をして2人の仲を持って遣るから・・・」と・・・
「洋一と結婚をするなら和子も理容師の資格を取って2人で
頑張れば良い」と・・・
早速おしげさんの女学校のお友達だった山中さんのお宅に
一年と言う約束でお手伝いに行く事に成りました。