和子の生い立ち-54〜縁談〜

兄ちゃんの家は結婚する時に父が古い家を買ってリフォームをして
新居に与えた家でした。もう兄ちゃんも結婚して数年経って居ましたが
建具を新調すると言って高宮の建具屋さんに頼んで新調しました。
其の時、お茶の席で「家にも年頃の妹が居るんだけど〜誰か良い人は
居ませんか?」と他愛もないお話しをしたそうです。
丁度、その時に先方さんにもお似合いの男性が居た様で・・・


正木屋に有る男性が来て和子の様子を見に来たそうです。
数人の女性の働く正木屋に来て黙って観察は出来ず、ご主人に・・・
丁度その時、和子は配達に行ってお店に居ませんでしたが、
和子が帰るし、直ぐにその男性は帰って行きました。
正木屋のご主人は「今貴女の聞き合わせに来たよ〜高宮の人だって?」って
言われ、和子に取ってはクモをつかむ様な話し?
実家に帰って聞くと兄ちゃんが建具屋さんに話したお茶の席での
雑談だったとか?
其の時、母は「色んな所から縁談を持って来て呉れる時が一番華だよ?
歳を重ねて行くと誰も見向きもして呉れ無く成るから・・・」と
結局その方との縁談はそれきりで終わりに・・・


母と何時も仲の良いおしげさんは、洋一との縁談も破局に成り・・・
有る時、東京に居る勇ちゃんが神保に帰って来た時に・・・
「樋田のオバサンとこの和子に良い人が居ないのかね?」って
勇ちゃんは「結婚するなら都会の女性より田舎の人が良い」と言って
君子との結婚を・・・と言う望みましたが、君子は「東京へ何か行かない」と
断りおしげさんの長女雅子さんと結婚し神保に良く夫婦で帰って居たそうです。
「じゃ〜東京に僕のお客さんで秋山君が居るんだけど・・・」と話しが
持ち上がり・・・早速和子の耳に・・・