和子の生い立ち-60〜雅ちゃんからの猛反対〜

東京からのお客様も帰り、和子は再度正木屋でお仕事を始めました。
正木屋のご主人も奥さまも「おめでとう〜」と言って祝福して下さいました。
所が、ご主人から「小林さん電話〜」と・・・出ると
東京の勇ちゃんの奥さん、雅ちゃんからでした。「この間は色々と
お世話に成りました。」と挨拶をすると・・・
「和ちゃん、今回の縁談はパパが一人で夢中に成って進めて居るだけで
三軒茶屋のお兄さん夫婦も反対だし、勿論私も・・・
秋山さんは大人しいだけは良いけど世間知らずで和ちゃんに持たせた
手土産もお母さんの指図が無いと気の付かない人だから
遠い東京に来ても苦労をするだけだから、止めたほうが良いよ〜」と言う
事だった。東京にお見合いに行った時も雅ちゃんはその様な事を言って
居たけど・・・(何よ?今更、そこまで反対をするならどうして彼と
お母さんを連れて来るまでに勇ちゃんに良く話して止めなかったのよ?)
和子は、折角の縁談だったけど、別にお流れに成っても構わない。
だけど〜折角父があれだけ反対をしたのに〜諦めて承知をして呉れたのに〜
今「東京へ行かない」と言えば勇ちゃんやおしげさんの顔に泥を塗る事に・・・
「一度家に帰って母とよく相談してお返事します。」と言って電話を切った。


その後、和子は散々迷った。(唯、東京に憧れて遊びに行くんじゃない。
これから一生、彼と添い遂げる事になる。本当に世間知らずで一々指図を
しないと???まさか?東京を案内して呉れても和子に取っても気を使って
呉れた。そんな筈は絶対ない)と思い母に雅ちゃんからの電話の件を話した。
母も内心、ショックを受けた様でしたが、「和子はやっぱり勇ちゃんや
おしげさんの顔に泥を塗る事に成るから、今回の事は聞かなかった事にして
おとったんに言わないで東京に行く。秋山さんにも両親が居るんだし〜
勇ちゃんの家を親元だ何て思わないで頑張って見る。」と母に告げ
今までから、勇ちゃんとは(東京に居る)と言うだけで何の面識も無い。
どんな事が有っても勇ちゃんに頼らず、頑張って見ると心に決めた。
そして雅ちゃんの所へお手紙を書いた・・・