【特別篇】
全国の見頃となりそうな紅葉名所ガイド
11月も半ばが近づき、紅葉シーズンはいよいよ本番。これから見頃を迎える
名所が多く残る一方、すでに落葉が始まるスポットもあるなど、ベストな
タイミングのスポット選びは難しいもの。そこで今回は、現在見頃を
迎えている名所・今週末(11月11・12日)から見頃となりそうな
全国の紅葉名所をエリアごとに厳選しました
※各スポットの見頃は2023年11月8日時点の情報です。
※写真は2022年以前のものです。
【北陸】今週(11月末)見頃となりそうな名所
🍁 峡谷が色とりどりの紅葉に彩られる / 黒部峡谷トロッコ電車の紅葉
黒部川が刻み込んだ日本一深いV字峡・黒部峡谷。ツガやキタゴヨウ、
ネズコなどの常緑樹が多く、その中にヤマモミジやカエデ、ナナカマドの
紅葉樹と、カエデやブナなどの黄葉樹が点在している。3色のコントラストが
見事で、他に類を見ない景色と評されている。トロッコ電車の車窓からは
美しい絶景を次々と楽しむことができ、例年10月下旬から11月中旬まで
全山紅葉の黒部峡谷を楽しむことができる。初雪のころ、雪化粧した
サンナビキ山の姿は、紅葉、そして裾野の緑が重なり合い、その美しい
色彩から「黒部の五段染め」と言われる。
■【北陸・石川県】那谷寺(なたでら)
白い奇岩と紅葉のコントラストが鮮やか
🍁 国名勝に指定されている奇岩遊仙境の展望は絶景 / 那谷寺の紅葉
2015年にフランスの旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・
ジャポン」に石川県南加賀から初めて掲載され、一つ星に格付けされた寺院。
23万平方メートルの境内には重要文化財が点在するほか、紅葉時には
イロハモミジ、ヤマモミジ、ハウチワカエデなどが赤々と色付き、
白い奇岩遊仙境の岩肌に映える。例年、10月下旬頃から色付き始め、
11月上旬から11月下旬頃にかけてが紅葉の見頃となる。展望台から
眺める奇岩遊仙境(国名勝指定)の展望は絶景。岩肌と紅葉の織りなす風景は、
角度によってさまざまな表情を見せるので、長くじっくりと楽しめる。
■【北陸・福井県】国名勝 養浩館庭園
(ようこうかんていえん) 紅葉に染まる水面を
眺めながら、ゆったりくつろぐ
🍁 色鮮やかな木々を映し出す水鏡 / 国名勝 養浩館庭園の紅葉
福井藩主松平家の別邸である養浩館庭園。米国の日本庭園専門誌が選ぶ
日本庭園ランキングにおいて、14年連続10位以内にランクインするなど、
国内外から高い評価を得ている。広い池に浮かぶように建つ数寄屋造りの
座敷から、舟遊びをしている気分でゆったりと庭園を眺めることが
できるのが特徴の1つ。水面に映る紅葉が美しい。2023年10月6日~
11月26日(日)の金・土・日・祝・祝前日(日没後~20時30分、
入園は30分前まで)に、秋のライトアップを開催。
【東海】今週(11月末)見頃となりそうな名所
■【東海・岐阜県】付知峡(つけちきょう)
攻橋や本谷橋から眼下に広がる景色はまさに絶景
🍁 渓谷を赤・黄の紅葉が彩る / 付知峡の紅葉
森林浴の森日本100選と岐阜県の名水50選に指定されている、
岐阜県中津川市にある付知峡。木曽御岳の裾野から真弓峠へと裏木曽連峰が
冬の装いをはじめる頃には紅葉の真っ盛りとなり、青川と称される
付知川の清流にあでやかな紅色が映える。攻橋(せめばし)や本谷橋から
眼下に広がる秋の紅葉は絶景で、紅葉と川の流れの美しさを一緒に見られる。
例年、10月下旬頃からモミジやナナカマド、ミズナラ、ブナ、
シロドウダンツツジなどが色付き始め、11月上旬頃が紅葉の見頃となる。
大自然が創る芸術、秋は湖面を彩る紅葉
🍁 モミジ、カエデなどが湖を鮮やかに彩る 恵那峡県立自然公園の紅葉
大自然が創る芸術の美しさに満ちた恵那峡。約100年前に木曽川を
せき止めて作られた大井ダムによってできた人造湖で、春は桜、夏は新緑、
秋は紅葉、冬は水鳥が多く集まり、四季を通じてさまざまな景観を堪能できる。
天然記念物の傘岩周辺ではモミジが色濃く紅葉し、湖面を彩る。
「飛騨・美濃紅葉33選」に選ばれた紅葉の名所としても知られる。
例年の紅葉の見頃は、11月中旬から下旬頃にかけて。
2023年11月11日(土)・12日(日)には、恵那峡もみじまつりが開催される。
■【東海・愛知県】香嵐渓(こうらんけい)
約4000本のモミジが巴川の川面を美しく彩る
🍁 水面に映り込む紅葉の景観美は見事 / 香嵐渓の紅葉
愛知県豊田市にある香嵐渓の紅葉は、1634年(寛永11年)頃に
香積寺第11世住職三栄和尚がスギやモミジを手植えしたのが
始まりとされる。大正末期から昭和初期には、住民のボランティアで
モミジの大植樹が施された。イロハモミジ、オオモミジなど11種の
カエデが約4000本あると言われており、秋になると赤や黄色に色付く
景色は壮観。例年、11月中旬から11月下旬頃にかけて山全体の
約4000本のモミジが一斉に色付き、巴川の川面を美しく彩る。
夜には山全体がライトアップされ、昼間とはまた違った幻想的な景色が
見られる。2023年11月1日~30日(木)は、香嵐渓もみじまつりが開催。
プロジェクションマッピングなどのイベントも開催され、期間中の土日には
「竹灯りの香積寺」や「願掛けろうそく」など灯りのイベントも楽しめる。
エメラルドグリーンの川面に紅葉が映える
🍁 夢のつり橋の全容。混雑時は人数制限あり / 寸又峡の紅葉
静岡県大井川支流の寸又川の峡谷で、秋には木々が赤や黄色に色付き、
鮮やかな景観が楽しめる。夢のつり橋や、かつて森林鉄道が通っていた
飛龍橋などからの眺望は見事。温泉街から、夢のつり橋、飛龍橋をめぐる
遊歩道コースが整備されており、約90分で周遊できる。
エメラルドグリーンの川面から高さ8メートル、長さ90メートルに
わたってかけられている夢のつり橋では、揺れる橋の上からサクラ、
カエデ、ケヤキなどが鮮やかに染まった絶景を楽しめる。
【関西】今週(11月末)見頃となりそうな名所
🍁 見事な紅葉が楽しめる横川地域 / 比叡山の紅葉
滋賀県比叡山の紅葉は平地より一足早く、深山の趣もひとしお。なかでも
紅葉祭り「比叡のもみじ」は、紅葉が最も見事な横川地域で行われる。
比叡山へは比叡山ドライブウェイで上ることができる。
このドライブウェイは比叡山の山ひだを縫って走りカーブが多いが、
京都、大津市街、琵琶湖が望める快適な展望コースとなっている。また、
この終点となる延暦寺根本中堂から横川地域のある奥比叡ドライブウェイに
続いている。2023年10月28日~11月23日(祝)には、もみじまつりが開催。また、
国宝の根本中堂並びに重文の回廊が2016年から約10年間にわたり
大改修中。普段目にすることができない貴重な光景が間近で見られる。
紅葉越しに見る神護寺の荘厳さはひときわ
🍁 広大な境内が紅葉一色に染まるさまは必見
高雄、槇尾、栂尾は三尾と言われ、いずれも京都府京都市北西部の紅葉の名所
として知られる。特に高雄山の中腹にある神護寺は、京都市内でも早めに
色付き始める京都屈指の紅葉の名所。秋には、山門への古びた石段に赤や黄の
カエデが葉を落とす風景や、境内に入ると葉の合間にお堂や塔が見え隠れ
する情趣たっぷりの景色が楽しめる。また有名なかわら投げは、
ここ神護寺が発祥とされており、境内西の地蔵院から谷に飛ばすことで家内安全を祈る。
杉木立と紅葉が苔に映える芸術的な絶景
🍁 緑・赤・黄色のコントラストが美しい / 大原(三千院)の紅葉
国宝の阿弥陀三尊をはじめ、多くの文化財が安置される天台宗の寺院で
大原散策の中心地。紅葉のシーズンには杉木立に囲まれた有清園と、
茶人の金森宗和の修築による美しい聚碧園が秋色に染まる。
有清園の杉苔には、各所に石彫刻家 杉村 孝のわらべ地蔵が置かれ、
庭を回遊する人を温かく迎えてくれる。石垣と茶店に挟まれた約50メートルの参道に
沿ってカエデが枝を張っており、境内では、青い苔庭に赤や黄に色付いた
葉が美しく降り積もる。 2023年10月28日~11月28日(火)は「三千院もみじ祭」が
境内山上から紅葉の名所が望める
🍁 本堂前に広がる庭園「十牛之庭」から見渡す風景は一枚の絵画のよう /
洛北(圓光寺)の紅葉
圓光寺は、1601年(慶長6年)、徳川家康公が文治政策として
閑室元佶(カンシツゲンキツ)師を招いて伏見に学問所を開いたのに始まり、
圓光寺版と呼ぶ図書も出版、当時の木活字(重文)が現存する。
1667年(寛文7年)、現在地に移転。庭園は新緑や紅葉時に美観を呈し、
本堂前には水琴窟が設置され、妙音を聞ける。境内山上からは眼下に燃え立つ
紅葉、遠くには北山や嵐山の眺望も楽しめる。2023年11月11日(土)~
12月5日(火)は、紅葉特別拝観の期間で、事前予約制となる。
■【関西・兵庫県】瑞宝寺公園
2500本のカエデが見事な秀吉ゆかりの「日暮の庭」
🍁 秋には鮮やかな紅葉を楽しめる / 瑞宝寺公園の紅葉
有馬温泉の南東部に位置し、1873年に廃寺になった瑞宝寺は、
現在神戸市の公園となり親しまれる。秋には2500本のカエデが色づき、
その光景を見た豊臣秀吉が「いくら見ても飽きない」と言ったと
伝承されることから、「日暮(ひぐらし)の庭」との別称がある。
またここには、秀吉が愛用したといわれる石の碁盤も残されている。
例年、11月上旬頃から色付き始め、11月下旬頃にかけてが紅葉の見頃となる。
日々色付きが移り変わる森の表情が楽しめる
🍁 長谷池は園内一の紅葉スポット / 神戸市立森林植物園の紅葉
神戸市街よりも一足早く秋が訪れる森林植物園では、2023年10月28日~
12月3日(日)まで「森林もみじ散策」が開催される(期間中無休)。
38種3000本の樹木の紅葉は、種類やエリアによって見頃が異なるため、
開催期間中は日々移り変わる森の表情を楽しめる。青葉トンネルでは、
カラーLEDによる移ろいゆく山の紅葉色の演出も楽しめる。
もみじ散策会などイベントも多数開催。2023年11月3日~
12月3日(日)には紅葉のライトアップ
(土日祝日のみ16時30分~19時30分)を実施。日中には
見られない幻想的な樹木の様子が一部区域で観賞できる。
標高が高く少し肌寒いことがあるので、1枚多く羽織物を持っていくと安心だ。
ライトアップ実施日は開園時間が延長される(最終入園は閉園30分前まで)。
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