たかしさんが、未だ元気だった頃か?亡くなってケイさんも娘を
児童館に預けて、外で働き出してからか、和子の記憶に有りませんが、
独身の頃に、「行儀見習い」と称して静岡の酒屋さんの本宅に(滋賀県)一年
お手伝いさんに行った事が有り、そのお宅を退職した時に、奥様から立派な
総レースのスーツ地を頂きました。
社員寮に居た頃に洋裁も習って何枚かスーツも縫いましたが、
其れはそれは豪邸の奥様に頂いたスーツ地は、立派過ぎて鋏を入れる事は出来ず、
結婚しても押入れの肥やし同然で仕舞って置きましたが、有る時
(そ~だ~ケイさんは洋裁の先生~だ)と思い付き、ケイさんに「レースの生地で
スーツを縫って貰えるかな?」って聞いて見たら・・・「急がなければ良いよ~」と
快く引き受けて呉れて、(押し入れで眠って居るより・・・)と思い
「何時でも良いよ~」とケイさんに預けました。
確かに(別に急がないから何時でもよい?)と思い、預けたんだけど・・・
一年経っても・3年経っても・5年経ってもケイさんから戻って来ないし・・・
和子も正直、自分で欲しくって買った生地じゃ無いから・・・忘れて居ました。
その間には・たかしさんの一周忌も、三回忌も・7回忌も・・・有って
何回か逢ってるのに、何も言わないし・・・和子も忘れちゃって
催促もしなかったんだけど・・・有る時フト思い出して本家のお姉さんに
その旨話したら・・・
お姉さん 「和子さん、其れってケイさん売っちゃってお鍋の中に
入っちゃったのと違う?」
和子 「まさか~?確かに立派なお宅から頂いたレースのスーツ地だから
売れば、その辺のウール地やカシミヤとは違うから・・・」
とは言ったものの・・・マジで売っちゃったのかな?って思いました。
其れから暫くしてケイさんから電話が有って・・・
ケイさん 「この所、仕事が忙しいからお友達に和子さんのレースのスーツを
縫って貰う様に頼んだので、もう一度体型も変わってるし
寸法を取らせて呉れる~」
と言う電話が有って・・・寸法を取りに・・・
(やっぱりお姉さんの言う、ケイさんちの鍋の中には入って無かった~~~(笑)
続き・・・