和子のこぼれ話-84〜繁ちゃんはの死〜

6月にご主人の会社の家族の健康診断で引っ掛かりC型肝炎と診断された
繁ちゃんは一旦は元気に成って東邦病院は退院しましたが、仕事は勿論
家庭の主婦の仕事も満足に出来ないほど弱っちゃって、再度今度は浦舟の
市大病院へ入院しました。年明けて一月には娘の多美ちゃん成人式で
素敵な振り袖を買って上げて楽しみにして居ました。


多美ちゃんは大学も推薦入学決まって居て来春の来るのを楽しみに
して居ました。和子は市大病院には洋光台からは遠くって行った事無かったし
勿論、繁ちゃんのお見舞いにも一度も行きませんでしたが、やっぱり
繁ちゃんの事が気に成って時々自宅に夜電話をしました。
彼女は元々北海道の人で10年程前にご主人の転勤で横浜に来て日本ジャージに
パートで働いて居た。そんな訳で横浜には身寄りも無く、和子が夜に自宅に
電話をすると多美ちゃんもお兄ちゃんもやっぱり寂しいのか、色々お話しを
して呉れました。「お母さん、余り話しをしなくなった〜」とか?
「家に帰りたい〜」とか???


繁ちゃんは市大病院に入院してからは段々と病魔に侵され日々食欲は無く
言葉も少なく成って衰弱するする一方の様でした。
そんな時、やっぱり自宅に電話をすると推薦で大学に入れる筈だった
多美ちゃんも駄目に成り、浪人生に・・・せめて成人式迄に家に
帰して上げたかったけど・・・「お母さん、もうお話しもして呉れない?
何も食べない?」と多美ちゃんは泣き声に・・・遂に半年ほど病魔と闘い
12月16日に47歳の若さでお亡くなりに・・・