和子のこぼれ話-22〜兄ちゃんの思い出-6〜

小学4年生の春から左足に難病を抱え、義務教育もやっと落第しないで
卒業出来て、有る会社に就職が決まり、3月29日に晴れて入社式へ・・・
この会社は2部制で朝は5.00〜夜は10.30迄週交代で働くので社員寮に入る
この入社式の日母は持病の腹痛を起こして寝込み、会社へ送って貰えず
兄ちゃんが代わりに来て呉れました。隠居の奥の間で寝て居る母に
「じゃ〜行って来るね?」と挨拶をすると・・・
「かーこせめて5月の祭りまで帰って来るんじゃ無いよ〜?」って???
末っ子の甘えん坊で育った和子が一ヶ月もしない間に
「もう会社へ行きたくな〜い〜」って泣いて帰って来るのでは???と
母はきっと思ったのでしょう?でも〜その前から、和子は姉さんの来る前の
甘えん坊は脱皮し(帰るものか?末っ子だからって馬鹿にするな?)
って自分で思って居ました。でも〜会社に送って呉れて式を終えて帰って行く
兄ちゃんが「かーこ辛かったら何時でも帰って来いよ〜」って・・・
折角(帰るものか?)って意気込んで居たのに・・・兄ちゃんのこの言葉を
聞いたら・・・大粒の涙が・・・兄ちゃん 有難う〜〜〜