和子の生い立ち-121〜味噌の行方〜

無事に38日の入院生活も終わり、元気で我が家に帰り、夫や子供に
暖かく迎えられて最高の喜びでした。唯、家に帰って驚いた事は・・・
入院する前に東急で味噌の特売が有って、一箱10袋買い、未だ買い置きの
味噌が2キロ、合計12袋程有ったのに〜味噌の箱を開けて見たら2袋程しか
有りませんでした。「エッ?味噌が無い?」って驚きの声を???
一ヶ月に幾らみそ料理を作っても1袋か2袋程しか使おう筈が無いのに〜
10キロの味噌が見事に空っぽだった。


ベランダで洗濯物を干して居たらお隣のオバサンが「退院おめでとう〜」って
言って呉れて「留守をして居ましたが無事に退院して帰って来ました。」と・・・
お隣のオバサンは「秋山さん、お宅のお婆ちゃんは酷い人だね?貴女が普段
病弱で入退院を繰り返して居るのなら偶に息抜きに旅行に行くのも良いけど
滅多に病気もしないのに、小さな孫をホッポッて旅行に行くなんて?
幾ら予約して置いたと言ってもキャンセルすれば良いじゃ無い?」って・・・
和子は「継母だから〜」と思って居るから諦めて居たけど〜
「そうなのよ?しっかりしてるね?家のお姑さん」と言いながら・・・
「其れよりオバサン、東急で味噌の特売が有って、一箱10袋買って
置いて置いたのに〜入院して居る間に全部消えちゃった〜」って言うと
「エッ〜?10キロも?何処かへ足が生えて出て行っちゃったのかね?」って


和子はオバサンのこの言葉を聞くまでは思いも付かなかったけど・・・
若しかしたら?お姑さんはみっちゃんの家へ?
若くして夫が脳血栓で倒れ、その後一旦は手術をして元気に成ったけど
再度脳梗塞で倒れ半身不随に・・・3人の子持ちで苦労して居るから・・・
東京の実家には「和子さんのお世話に行って東急へお買い物に行ったら
味噌が安かったからみっちゃんに買って来て上げたの?」って言い
みっちゃんのお宅に持って行ったのかな?って疑っちゃった!
夫も「そうかも知れない?」と・・・
早速夫は東京の実家に帰りお舅さんに・・・
お舅さんは「まさかそんな事をするとは思えないけど〜?」って
不審に思って居たそうです。