和子の生い立ち-63〜置き時計〜

母の実家から木製の東京時計と言う立派な置時計を頂きました。
その後、君子の旦那さんのお兄さんから素敵な置き時計をお祝いに・・・
グリーン系の可愛い目覚まし時計に相応しい時計を・・・
所が2〜3日したらこの可愛い目覚まし時計が有りません?
(アレ?)とアチコチ探しても見つからない?
母屋の方に行くと姉さんの整理ダンスの上に???
「姉さん、この時計洋二郎さんから貰った物だから持って行くよ?」と言うと
「辰雄さんから素敵な木製の置き時計を貰ったでしょう?その時計は
置いて行きいな?」と???
実の姉ならその言葉も許されるかも知れない?でも〜小学2年生から散々と
継母同然に苛め、10円のお金も呉れ成った癖に・・・
せっかく「かーこに〜」って呉れた時計を取り上げるか?

和子はせめて「かーこちゃん辰雄さんにも立派な時計を貰ったしこの時計
私に呉れない?」って頼むのなら許せるけど、「その時計は置いて行きいな?」
だと?和子は悔しくって・・・・母にその旨話しました。
すると母は・・・
「ナツ〜が欲しがるのなら置いて行ってやりいな?」と???
和子は「絶対に嫌だ〜」と母に・・・   すると母は
「かーこ、お前には立派な兄ちゃんも姉ちゃんも居る。でも皆、結婚して
しまったら、他人様に成るんや〜お前の泣いて帰って来る家は此処しかない。
義雄とナツ〜の所しか帰って来る所しか無い!そんな時計一つ位ナツ〜に
遣って置け〜」と・・・これが此れから遠く東京へ嫁ぐ娘に言う言葉か?
この時、初めて母の冷たい、我が身よがりの性格を知り唖然としました。
こんな家に絶対に帰って来るもんか??野宿してでも・・・
結局、姉さんに取られておしまい・・・