和子の生い立ち-64〜いよいよ結婚への準備〜

3月に式を挙げる事に成って新年1月から和子は2ヶ月ばかり
萱原の初美ちゃんの所へ和裁を習いに・・・
時間が無いから毎日初美ちゃんのお宅に通い一通りの着物の縫い方を
教えて貰いました。浴衣から合わせ、長襦袢、男物の着物等々・・・
でも〜2ヶ月では全然覚えられません。唯教えて貰ったと言うだけ・・・
夜は正木屋で揃いのアルバムを数冊買って来て写真の整理
未知の世界の東京での生活を夢見ながら・・・


何年か前に父が軽い脳梗塞で倒れた後に、財産を兄2人に分けた時に
「未だ和子は嫁に行って無いから、トミ子と君子と同じように和子にも
2人で同じ様に支度をして出して遣って呉れ」と言って財産を分けたとかで
聞く所に依ると和子の嫁入り支度に・・・と100万円用意して呉れたとか?
勇ちゃんは「父から貰った100万円を頭金にマンションを買うように」と
言いましたが、都会その物をよく知らない和子は、やっぱり家財道具も
欲しかったし・・・又姉ちゃんも「都会で生活をするのは大変だから・・・
マンションなんか買わないで家財道具をしっかり買って貰った方が良いよ?
イザと成ったら質流しにでも出せるから・・・」と(甘ったれのか〜こが
東京で暮らすなんて〜?きっと泣いて帰って来るだろう?)って
思って居たでしょう?
結局、マンションは止めて家財道具へ・・・
和子の身の廻りの物は郵送で横浜のアパートに送り、東京に行ってから〜


父は東京で式を挙げる「和子の結婚式には義雄とし〜こ(兄ちゃん)と
2人しか行かせない」と言いましたが、和子は「おかちゃんだけは来てほしい」
と父に頼み、2人の兄ちゃんと母とおしげさんが来て呉れました。