【特別篇】
栽培方法と活用アイデア3選|
古くから薬草として貴ばれてきた【ポットマリーゴールド】
キンセンカの名で花壇や仏花に利用されてきたポットマリーゴールド。
ハーブの仲間と聞くと意外に思う人もいるかもしれませんが、欧米では
薬草として古くから貴ばれてきました。
科名/キク科
性質/一年草
草丈/15~50㎝
🌺 薬用、観賞用として人気のハーブ
ポットマリーゴールドは地中海沿岸が原産ですが、寒さにも強く、現在では
観賞用として世界各地で栽培されています。
ハーブとしての歴史は古く、ヨーロッパでは安全性の高いすぐれた
ハーブとして定着していると先生は教えてくれます。
「16世紀末のイギリスの書物には、花の蒸留水を目薬に、葉は歯痛や
胃腸病に、花は心臓を強め解毒剤になるなどと記されています。現在でも
興奮剤、鎮痙剤、抗炎症薬など、さまざまな薬用として利用されているそうです」
古代インドでは守護のパワーがあるとされ、寺院や神殿に飾られていました。
また、「不変の愛の象徴」とされ、フランス王妃の中にはこの花を自分の
紋章にした人もいたとされています。
「このように、ポットマリーゴールドにはいろいろなエピソードが
伝えられていて、改めて魅力を確かめたくなるハーブの一つです」
🌺 花びらを生、または乾燥させて利用
先生はフレッシュな花びらをサラダに散らしたり、ドライの花びらを
ティーに利用することもあります。「生食のときは量は控えめに。
食べたりハーブとして利用する際は、専門店で無農薬の苗を購入すると
安心です」 また、ポットマリーゴールドは太陽に向かって咲き、
育てていると明るい気分になると言います。
「酸性土を嫌うので、苗を植える際は土に腐葉土をすき込み、石灰を混ぜます。
秋にタネをまくと冬越しをして株が充実し、早くから花を咲かせます。
開花前に茎の先端を切ると、つぼみが多くつきます。また、春にタネを
まけば、夏に咲きます。たくさん咲かせて花束やアレンジにも素敵に
使ってみてください」
🌺 フレンチマリーゴールドとお間違いなく!
オレンジ色のポットマリーゴールドをパステルカラーの鉢に植えたら、
胸キュンの愛らしさ。日本でマリーゴールドというと、センジュギク属の
フレンチマリーゴールドを指しますが、ハーブの世界ではこのキンセンカの
ことで、学名にあるカレンデュラ(Calendula)の名で呼ばれることも。
黄色やアプリコット色、八重咲き種など観賞用の園芸種が多数出回っています。
大ぶりで深めのガラスの器に、ドライやフレッシュのポットマリーゴールドの花びらと葉、ドライのラヴェンダーを混ぜた粗塩を入れ、表面にオレンジや
黄のフレッシュな花をぽんぽんと置きました。ドライのラヴェンダーも並べて香りよく。 このままモイストポプリとして楽しむのはもちろん、不織布の
小袋にすくい入れて口をひもでしっかりとしばり、バスソルトとしても。
新陳代謝をよくするとされるポットマリーゴールドとラヴェンダーで、
-心も体もリフレッシュできそうです。
🌺 活用アイデア②③ キューカンバーサンド、カレンデュラティー
薄切りのきゅうりを使ったキューカンバーサンドはイギリス人の大好物で、
ランチやアフタヌーンティーで供されることでもおなじみ。シンプルな
サンドイッチにスクランブルエッグで風味とコクを出し、マリーゴールドの
花びらで華やかさを添えました。緑、黄、オレンジの彩りがきれいです。
ドライのポットマリーゴールドの花びらに熱湯を注いだカレンデュラティー
と一緒にどうぞ。
🌺 キューカンバーサンドの作り方(2人分)
❶きゅうり1本は薄切りにする。卵1個でスクランブルエッグを作る。
❷サンドイッチ用食パン4枚の片面に粒マスタード適量を塗り、
うち2枚のパンに①とポットマリーゴールドの花弁(フレッシュ)を
のせ、塩とこしょう各少々を振る。
❸残り2枚のパンを②の上に重ねる。重しをしてなじませ、食べやすい
大きさに切り分ける。
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