遂に和子の結婚式・・・

和子は東京で式を挙げるので3日前に自宅で内祝いを遣って貰い・・・

白無垢に文金高島田こそは身に着けませんでしたが、髪結いさんに

綺麗に髪をセットして貰い・振袖の着物を着て東京には2人の兄と

母は来て貰いましたが、その他の親戚の方々に自宅で席を設けて内祝いを・・・

兄や姉に負けないだけの立派な内祝いをして頂いて・・・

家を出る時に父に・・・

和子・・・「長い間お世話に成りました・・・」と挨拶をすると父は・・・

父・・・・「仏様にお参りをして来い・・・」と一言・・・

眼に涙を浮かべ・・・あの子供の頃から怖くって大嫌いだった父が・・・

和子の最後に・・・大粒の涙を零されて・・・和子は仏壇の前で思わず

涙が込み上げて来て止まらず・・・仏壇の前で10分ばかり佇んで居ました。

 

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その後、姉たちはタクシーで嫁ぎ先へ行きますが、和子はバスで・・・

外に出ると村中の大勢の方が見送って下さって・・・

「か~ちゃんは東京へ嫁に行かるやて???」と言う言葉が耳に入ったり

「あの甘ちゃんが東京見たい遠い所へ行って・・・直ぐに戻って来るんじゃ

無いの???」と・・・

「末っ子の甘えん坊だから・・・馬鹿にすんな(笑)

 

【デジカメは どんな亀かと 祖母が訊く(シルバー川柳)】

愈々結婚の準備・・・

姉たちは結婚の準備と言えば先ずは家具屋さんへ行って沢山の家具を買って

箪笥の中にはぎっしりと衣類や家財道具・・・詰めてお嫁に行きます。

勿論、姉たちは自宅で式を挙げて・・・二日目には「二日帰りと言ってお嫁さんは

留めそでを着てお婿さんを連れて実家に帰ります。その間に嫁ぎ先では

持って来た家財道具を皆さんで見る習性が有るので田舎は大変です。

 

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其れに比べて和子は一応は和服の黒の礼服を一式と結婚式のお色直しの振袖と・・・後は自分の身の回りの物だけで東京で家財道具は買う事に・・・

和子は一応洋裁と編み物は社員寮に居た頃に教室に通い身に就けて居たので

和裁を一通り教えて貰って・・・一時金を父が財産を2人の兄に譲った時に

「和子が結婚をする時には姉たちと同様に嫁入り支度をして遣って呉れ」と

遺言を残して呉れたので・・・100万円頂いて・・・

 

此処まで縁談は進んでも父は姉や次男のお宅に行って「『和子に東京へ行くな~』って言って呉れ」と言い続けたそうです。

 

     【婆さんよ 犬への愛を 少しくれ(シルバー川柳)】

 

 

兄ちゃんの家で2度目のお見合い・・・

和子は「絶対に行かないからお見合いはしない」って言うのに・・・

兄ちゃんは、其れでも強引に進めて2度目のお見合いを・・・

時々兄ちゃんの家に来ていた人だから・・・全然知らない男性では有りませんが

「結婚相手」として見るのと兄ちゃんの家に来て居る兄嫁の弟とは見る眼が違う・・・

兄ちゃんの家に行くと、もう既に彼は兄ちゃんの家に見えて座敷で兄ちゃんと

お話しをして居ました。その場でお見合いをして・・・暫くお話しをしましたが

和子との会話は無かった様な???記憶に有りませんでした。

暫くして・・・「2人で彦根にでも行って来れば・・・」と言う事で彦根

行きましたが・・・喫茶店でお話しをするでも無く「映画見に行こうか?」と

映画館に行きましたが会話は無く、又何の映画だったかも記憶に無いです。

 

映画が終わって外に出ると「じゃ~帰ろうか?」って彼は言うから・・・

「せめてお茶でも飲んで帰ろうよ~」と言い喫茶店に・・・

其処で彼は・・・

彼・・・「実は僕は博打をするんです」・・・(出た~出た・・・このセリフ(笑)

和子・・「博打も色々有るけど・・・麻雀とかパチンコ程度でしょう?」

彼・・・「そうじゃ無く花札賭博を遣るんです」・・・(やった~此れで縁談は終り・・・(笑)

和子・・「へ~そうなんや?沢山のお金を掛けて遣るの?」

彼・・・「うん・儲かると良いんだけど~すられると痛いなぁ・・・」

 

こんな会話を彦根の喫茶店で話し、早速実家に帰って母に・・・

和子・・「やっぱり00さんは『花札賭博をする』って言ってたから、この縁談は

義理姉さんに悪いけど断ってね?幾ら立派な家が有っても博打をする人は

財産も無くなるし、東京で一握りの土も無い所でも、真面目に働く人なら残せるから・・・悪いけど行かない・・・と言ってこの縁談は破談に成った

 

【孫の声 二人受話器に 耳を寄せ(シルバー川柳)】

 

 

 

兄ちゃんも反対???

やっぱり和子が東京に嫁ぐのは和子の大好きな兄ちゃんも内心は反対で・・・

結納も済ませ、来春3月には結婚と決まったのに・・・兄ちゃんは

自分の「女房の弟(和子より5歳年上)と結婚しろ」と言う・・・

兄嫁の実家は北谷で子供の頃からお嫁さんに貰うのは良いけど~行くのは

皆さん何と無く嫌う地区でした。和子も「嫌だ~」と反対をするのに・・・

「兄姉中で一番立派な家が建ってるから見に連れて行ってやる」と自転車の

後ろに和子を乗せて新居を見に連れて行きましたが、最初から「北谷は嫌だったし・・・お見合いをすれば兄嫁の手前断ることも出来ないから絶対に嫌だ・・・」と・・・

 

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 有る時、次姉のお宅に遊びに行って姉の旦那さん(義理兄)に「兄ちゃんが

『北谷に行け~』って言うから嫌だ~」って話すと義理兄は兄嫁の弟さんを

良く知ってて・・・「か~こ彼奴は辞めた方が良いよ~確か彼奴は

博打をしよるよ~」って???((^▽^笑) )

良い事を聞いた・・・此れじゃ・・・もうお見合いをする事は無い・・・と

兄ちゃんに早速、「『彼奴は博打をするから辞めた方が良い』ってOO兄ちゃんが

言ってたからお見合いしないよ~」と断ったけど・・・

兄ちゃんも義理の弟が博打を打つなんて事は全然知らなくって・・・

「わしの眼の黒い内は絶対に遣らせないから見合いをしろ」と・・・

大の男が兄ちゃんの言う事など聞くか???

 

【場を察知 呆けたふりして なごませる(シルバー川柳)】

ちょっと~和ちゃん・・・

彦根の正木屋にお勤めをして河原町の方へ自転車に乗って配達に行くと・・・

神保のオバサンの兄嫁さんから「ちょっと~和ちゃん~」って呼び留められて

おかのさん・・・「和ちゃん~ちょっと・・・」

和子・・・   「あら~おかのさん暫くです。お元気ですか?」

おかのさん・・・「この間、東京の00ちゃんから電話が有って・・・

        あんたは『わたしと彼の熱烈な恋愛に邪魔をしないで欲しい』

        って言ったんだって?」

和子・・・   「エッ?まさか~~~『熱烈な恋愛だ何て・・・』???

        一度東京へ行ってお見合いをして渋谷で食事をしたのと・・・

       この間、彼とお母様が実家に来て下さって彦根城に行っただけなのに~

       

此れには色々事情が有って、もっと早くに教えて呉れれば猛反対をする父を

困らせる事も無かったのに・・・結納が済んでから『お兄さん夫婦も私も反対だから

結婚を取り止めろ』って言われても・・・と、おかのさんに事情を説明して

納得して貰ったけど・・・従兄妹の奥さんは何処まで嫌がらせをするやら・・・

この嫌がらせは結婚をしてからも延々と・・・・最悪・・・

 

 【立ち上がり 用事忘れて 又座る(シルバー川柳)】

 

従兄妹の奥様からの電話・・・

東京でのお見合いも終わり、結納も済んで来春・3月には結婚式を・・・

と決まり通常の様に彦根の正木屋さんにお勤めを始めて数日後に・・・

東京の従兄妹の奥さんから正木屋に電話が有って、「和ちゃんの結婚も正式に

決まった様だけど・・・山形屋のお兄さん夫婦も反対だし・・・私も反対で

パパだけが頑張ってるだけだから・・・今の内に破談にした方が良いよ」と

言う電話を貰い・・・だったら何故、田舎に彼とお母様を連れて来る前に

話して呉れなかったの?って感じでした。

 

父が「和子を遠くへ遣りたくない・一握りの土も無い所に行かせたくない」と言う

一念で猛反対をした父が、やっと諦めて一大決心をして和子を

嫁がせて呉れたのに・・・今更この様な電話を貰ったと言えば従兄妹の顔に泥を

塗る様~和子は「折角父が許して呉れたのだから・・・今回の一件は

聞かなかった事にして又彼にもご両親が居るから従兄妹には出来るだけ

迷惑を掛けないと約束して東京に行きます」と従兄妹の奥様にお手紙を出しました。

其れが又大波乱に・・・

 

 【老いの恋 惚れるもボケるも 同じ文字(シルバー川柳)】

 

お見合いが終わって・・・

東京から従兄妹と彼とお母様が田舎まで来て下さって・・・

「ご両親や兄姉の了解を頂いたら・・・その場で結納を交わしたい」と言う事で

お見合いに東京に行く前に神保のオバサンは正木屋の和子を訪ねて呉れて

「正木屋さんで結納の飾りを買うと正木屋さんに和ちゃんの旦那さまの事が

全部バれちゃうから・・・他で結納飾りを買うね?」と言って他の結納屋さんで・・・

 

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彼やお母様が東京へ帰られて結納飾りを見たらお粗末な飾り物でガッカリ・・・

普通は立派な飾り物が付いて来るのに・・・和子の結納は只お盆の上に目録と

結納金・扇子が載ってるだけで何も有りませんでした。又扇子もおもちゃの扇子???

お見合いも終わって再度正木屋さんに働きに行くと・・・

東京の従兄妹の奥様から正木屋さんに電話が有って・・・和子が電話口に出ると

「私もお兄さん夫婦も和ちゃんの結婚は大反対だから・・・考え直すように」と?

「今更、反対だと言われても???今晩お家に帰って相談して連絡します」と

電話を切り・・・一日の仕事を終わり自宅に帰って母に相談を・・・

 

    【腰よりも 口につけたい 万歩計(シルバー川柳)】