【日本三大清流】高知「四万十川」

【特別篇】

岐阜「長良川」・静岡「柿田川」の特徴と見どころ

  

     🌋 富士山と柿田川静岡県

「清流」と聞いて、どこが思い浮かびますか? 「日本三大清流」として

挙げられるのは、高知県四万十川」、岐阜県長良川」、静岡県柿田川」です。しかし、厳密には環境省が選定を行っている「名水百選」しか存在しません。

そのため、日本三大清流は誰が決めたのかは不明です。とはいえ、いずれも

美しい川であることに間違いはないため、今回はそれぞれの特徴と

見どころをご紹介します。

   沈下橋が美しさを際立てる!

     ゆっくりと流れる「四万十川」(高知県

   

     🌋 高知県四万十川

高知県を流れる全長196km、流域面積2,186平方キロメートルの

四万十川」は、標高1,336mの不入山(いらずやま)の東斜面が水源と

されています。四国では最長の大河です。四万十川という名称の由来は、

四万余りの支流をもっているからという説や、アイヌ語

「シ・マムタ」(はなはだ美しい)からという説があり、ユニークです。

四万十川を大別すると、津野町の源流点から四万十町の佐賀取水堰までが

「上流」、佐賀取水堰から四万十市広見川合流点までが「中流」、

広見川合流点から四万十市の河口までが「下流」となります。

上流の一部を除き、蛇行を繰り返しながらもゆっくりと流れているのが

四万十川の最大の特徴です。

   

      🌋 高知県四万十川の流れ

四万十川の見どころは、上流では緑豊かな山々に囲まれてゆっくりと

流れる様子です。また、下流では川岸の緑と砂州コントラストに溶け込む

様子が風光明媚。さらに本流に大小合わせて22カ所ある欄干のない

沈下橋」が四万十川の美しさを際立たせています。なんと「沈下橋」は、

増水時に川に沈んでしまうように設計されているそうです。

   

      🌋 高知県四万十川にかかる橋

かつて四万十川は、天然繁殖魚が94種で全国1位、藻類収穫量も

全国第1位に輝きました。しかし、現在は鮎や藻類の不漁が続いていると

いいます。原因は明らかになっていないそうですが、環境の悪化が

その一因になっていることは否定できないとのこと。

とはいえ、今も四万十川の原風景を楽しむことはできます。最下流に位置する

最長の沈下橋(全長291.6m)を訪れて、四季折々の情景を眺めるのも

よさそうですね。

   ダムや大工場群がない、

       鵜飼で有名な「長良川」(岐阜県

   

      🌋 長良川岐阜県

幹川流路延長(本川の上流端から下流端までの長さ)166kmにわたる

長良川」は、源流を郡上市高鷲の大日ヶ岳に発し、いくつもの支流と

合流した後、木曽三川のひとつとして伊勢湾に流れ込みます。

岐阜市長良橋から上流約1kmの水浴場は「日本の水浴場88選」で、

全国で唯一の河川の水浴場に選定されているほか、長良川中流域の水は

「名水100選」に選ばれています。さらに1300年以上の歴史を誇る、

皇室御用の「長良川鵜飼」としても有名です。

また、「清流長良川の鮎」は、2015年に里川における人と鮎の

つながりとして世界農業遺産に認定されました。

   

      🌋 長良川の鵜飼

一番の見どころは、長良橋から上流へ1.3kmの川沿いの道

長良川プロムナード」。季節によって表情を変える金華山長良川の情景を

眺めながら散策ができます。 鵜飼は毎年5月11日~10月15日の期間で

実施。鵜飼の開催期間中はライトアップされた岐阜城や、鵜飼を間近で

見ることができます。観覧船に乗って、食事を味わいながら鵜飼を

楽しむことも可能です(要予約)。

   

      🌋 岐阜県長良川

鵜飼を実施している長良橋沿いのエリアには「長良川温泉」も。鉄分を多く

含む赤褐色の温泉で、サラサラとした湯触りです。川の南側には「川原町」と

称される古い格子戸の町並みも広がっていて、風情があります。

長良川を訪れる機会があったら、長良川温泉に立ち寄ったり、

宿泊したりして、旅疲れを癒やしたいですね。

東洋一の湧水! 富士山の雨水や雪解け水が湧き出す

   「柿田川」(静岡県

   

      🌋 静岡県柿田川

静岡県清水町のほぼ中心部を南北に流れる、延長1.2kmの狩野川の支川

柿田川」。この川は、富士山周辺で降った雨水や雪解け水が地面に

しみ込み、地下水となって湧き出したものです。

富士山全体の地下水の量は、1日当たり約450万立方メートルと

されていますが、その約2割もの水が柿田川から湧き出しているため、

「東洋一の湧水」と呼ばれています。

そのため、清流として国指定天然記念物に指定されているほか、

「日本名水百選」「21世紀に残したい日本の自然百選」などにも選ばれています。

   

      🌋 静岡県柿田川の水

柿田川の水温は1年を通して15℃前後と一定で、夏は冷たく、

冬は温かいのが特徴です。晩秋になると狩野川のアユが大量に柿田川

入ってくるのも、柿田川の美しく温かい水が、狩野川に流れ込んで

くるからだといわれています。

   

      🌋 静岡県柿田川公園

柿田川の清流を思う存分、堪能したいのなら「柿田川公園」へ。

園内に設置された「第一・第二展望台」からは、「湧き間」と呼ばれる

青く透き通った水が湧き出る様子を眺めることができます。さらに

「湧水広場」では、足や手を水につけて、その冷たさを体感できますよ。

また、遊歩道は散策やピクニックに最適。ミシマバイカモゲンジボタル

カワセミといった珍しい生き物が見つけられるかもしれませんよ。

園内にある「貴船神社」もぜひチェックを! 「恋を祈る神社」として

知られていて、石碑上の紅白の丸い石「おむすび」に触れると恋愛運が

アップするといわれています。

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【残るのも 先に逝くのも いやと言う(シルバー川柳)】