善意は必ず報われる―1

       

      あるウェイトレスが食事を提供した

                          ホームレスの正体を知り絶句…

ホームレスの男 

シンディさんはレストランのウェイトレスとして働き、毎日同じルートを

歩いて通勤していました。しばらくの間、仕事場の近くにホームレスの人が

毎日座っていることに気づきます。どんなに天気が良くても、いつも

同じ場所で寂しそうな目をして座っていたのです。 

その男性がいつも寂しそうにしていると感じましたが、

本人は気にしていないよう。いつも機嫌がよく、通り過ぎる人々に笑顔を

振りまいていたのです。実際、彼は助けやお金を求めることはなく、

おしゃべりをしたいだけ。シンディさんは立派な事だと思いながらも、

自分の本当の気持ちを隠しているのではないかと思ったわけです。 

シンディさんがそう思ったのは、彼に対して親切にしている

人ばかりではないことを目の当たりにしたからであり、一日中、一人も

彼と話をする人がいないという日もあったし、それどころか男性を見て

嘲笑っている人もいたのです。一度、少年たちが男性のカップ

唾を吐いているのを目撃したこともあります。 

   

行動を起こす時 

ある日、シンディは居ても立っても居られなくなり、笑顔を振りまいてくれる

彼に誰かが何かお返しをする時が来たと感じたのです。彼女の目には、

男性が他の人よりも価値がないなんてことはない、

その人を励ましたいと思ったのです。 

   

ウェイトレス 

シンディさんは、カナダでも有数の高級レストランでウェイトレスとして

働いていました。そのレストランは、ミシュラン星を2つ以上

獲得しており、高い質が求められる場所です。シンディさんはウェイトレスと

して働いていたものの、いつかはキッチンで働きたいという夢を持ち、

シェフになるための勉強をしていたので、このアルバイトで学費を

稼ぎながら、同時に経験も積むことができたのです。 

      

たくさんのお金 

シンディが働いているレストランで提供される料理は、決して安くありません。

客は一晩に数百ドルを使うような顧客ばかり。方やすぐ近くには

ホームレスの男性が毎日寝泊まりしており、シンディさんは日々

貧富の差を痛感させられていました。 

   

非力 

シンディさんは自分の仕事が必ずしも好きという訳ではありませんでした。

ウェイトレスの仕事をしていたのは、生活費と大学に行くための資金を貯め、

料理業界で経験を積むためでしたが、何よりも彼女は自分が無力だと

感じていました。数メートル先で飢えている人がいるのに、一晩に

何百ドルも使う人がいるのは公平ではないと思ったのです。彼女は

そこで行動を起こすことにしました。上司に知られると職を

失いかねないので、とにかく目立たないように遂行しなければならない。 

   

シェフ 

残念ながら、彼女の上司であるシェフはレストランのフロアにいました。

遠くからでも、シェフが厨房スタッフに怒鳴る声が聞こえてくる。それでも、

彼女は計画を実行しました。レストランから食材を持ってきて、

それを使って何かおいしいものを作ろうという計画です。しかし、

気をつけなければならないのは、職場の食材は非常に高価で、

オリーブでさえも超高級品。そのため、誰にもバレないように

気をつけなければならないのです。 

   

食材の盗難 

食べ物を盗んだことが上司に知られたら、クビになるのは確定。

食材を盗むことに抵抗を感じていましたが、同時に正当なことだとも

思えました。正しい方向への一歩に貢献できるロビン・フッドのような

状況だと考えます。行動の意図はポジティブなものですが、盗むことは

悪いことであり、自分が取っているリスクを十分に認識しているつもりでした。 

   

冷凍庫 

緊張しながらも、シンディさんは計画を進めます。厨房で上司が

怒鳴っているのを聞いて、上司がどこにいるのかを正確に把握。冷凍庫に

忍び込むには絶好のタイミングだと思い、密かに冷凍庫に

近づこうとしていると、上司が同僚に怒鳴っている声が聞こえてきました。

上司のせいで職場のみんなが悲惨な目にあっているだけに、

成功したら気持ちがいい。 

   

袋いっぱいに 

ついにシンディさんは誰にも見られずに冷凍庫に入ることに成功。

すぐに食材を探し、最終的には20個もの食材をバッグに詰め込みました。

多すぎると思うかもしれませんが、シンディは人目につくものと

そうでないものをきちんと把握していました。ホームレスの人に

おいしいものを食べてもらおうと、十分な量を詰め込んだのです。

自分の運の良さを感じる中、冷凍庫のドアをノックする大きな音を聞きます。 

   

恐怖とパニック 

シンディさんは、そこで捕まり、クビなることを確信しました。

鼓動は急上昇し、恐怖感が襲う。シェフは誰かが冷凍庫の中にいることに

気づきます。通常、自分以外の人間は冷凍庫に入れない。

他の厨房スタッフは、冷蔵室に入るときには必ず報告しなければ

ならないのです。そんな背景から、頼まれもしないのに冷蔵室に誰かが

いることにすぐに気がついたのです。 

   

最悪のシナリオ 

シンディさんは完全にパニックに陥り、一刻も早く冷蔵室から

出なければならないのに、逃げ場はありません。シェフがドアの前に

立っていたので、もう最悪のシナリオしか浮かばない、目には涙が

浮かんでいました。仕事を失うということは、収入がなくなり、

料理の勉強ができなくなるということを意味し、料理の世界では

悪評判が広まり、すぐには次の仕事が見つからないかもしれない。 

   

後ろの壁 

どうすることもできないまま希望を失い、情熱を傾けていた料理の世界を

あきらめなければならないと思うと、絶望感とパニックが彼女を襲いました。

冷凍庫の奥に戻って、後ろの壁にもたれかかり、シェフに捕らわれるのを

待っていると、奇跡が起こったのです。 

   

出口 

シンディさんがもたれかかっていた壁は、非常に状態が悪いもので、

寄りかかっているうちに、一部分が壊れ、壁を突き破ってレストランの

廊下に落ちてしまったのです。落ちた場所はウェイトレスが歩く

場所だったので、誰も見ていない。 

   

シンディのトレイ 

シンディさんは壁の穴の前にトレイを置き、盗んだ材料を持って逃げ出します。

シェフが冷凍庫に入っていく音がしたので、正にぎりぎりの逃走劇。

身体に傷は負ったものの、彼女にとって価値あるものでした。

一日の仕事を終えて、こんなに早く家に帰ったのは初めてのことでした。 

   

調理、調理、そして調理 

家に帰ってから、シンディさんは再び大きく深呼吸をし、

自分が安全であることを確信。盗んだ材料を使って料理に取り掛かります。

2時間以上もキッチンでホームレス男性のために

美味しい料理を作ったのです。 

   

サプライズ 

ようやく計画を実行し、ホームレスの人に自分の手料理を渡すことが

できたとき、彼女は何とも言えない嬉しさを感じました。食事を

提供しただけでなく、男性が必要なものを買えるようにお金も渡し、

男性は、あまりの驚きに呆然としてしまいました。彼は、

「こんな親切なことは経験したことがない」と彼女に言い、

自分の選択が正しかったと感じ、さらに一歩進んだ計画を立てます。 

                       ~~~つづく~~~

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