我が子の介護、26年間続けた母の想い・・・

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        《和子は又々こんな記事を見た~》

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   我が子の介護、26年間続けた母の想い

                「自分と同じ、孤独な家族を支援したい」

                                                     【親なき後を生きる】

難病の長男・光太郎さんの介護を在宅で続けてきた母

「先日公開された『交通事故で息子が寝たきりに―介護を続ける親の

苦悩と、「親なき後」への不安を読ませていただきました。

それぞれのお母さまやお父さま方が息子さんに深い愛情を注ぎ、

懸命に頑張っておられる姿に涙が出ました。また、

「施設がないなら自分でつくる!」事故で寝たきりの

息子の介護をする、母の挑戦【親なき後を生きる】で紹介されていた

お母さまの取り組みも素晴らしく、そのご苦労が

ひしひしと伝わってきました」

そんなメッセージを寄せてくださったのは、「ALDの未来を考える会」代表で、

東京都在住のりえさん(58)です。実は、りえさん自身も、26年間の介護経験を

踏まえて、2020年に法人を立ち上げた一人です。現在、寝たきりで介護が必要な

重症心身障害児者や医療的ケアが必要な方を受け入れる通所施設の

開設を計画中だといいます。

■6歳で、突然希少難病を発症した我が子

 りえさんの長男・光太郎さん(31)は「副腎白質ジストロフィー(Adrenoleukodystrophy;ALD)」という希少難病に罹患しました。

発症は6歳のときでしたが、急性期病棟で数か月間治療を受けたものの

回復はせず、退院後はりえさんが自宅で24時間体制での介護を続けています。

 ALDとは、主として男児に発症する病気です。元気に生まれ育っている

子どもに、ある日突然、学力低下や視力、言語、歩行障害などがみられ、

病気が進行すると寝たきりになったり、発症から1年以内に死亡したり

することもあります。発症の原因は主に遺伝子の変異で、脳の中の

「白質」と呼ばれる部分と、腎臓の上にある「副腎」という臓器の異常で

進行します。現在、日本国内では約200名の患者が厚生労働省

小児慢性特定疾病および指定難病の認定を受けているといいます。

 りささんは語ります。

「交通事故や病気で、突然、重度の障害を負う、それは誰の身にも

起こりうることです。私自身、支えを必要とする我が子を前に、

十分な睡眠も、自分の時間も作れないまま、自治体の障害福祉課に

何度も相談しましたが、『前例がないから』と訪問看護やヘルパーの

時間枠は増やしてもらえませんでした。まさに悩みを話せる人が

いない、相談できる場所がない、診てくれる人がいない、

長い間、そんな孤独な状況に置かれていたのです」

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  • パソコンを使って絵を描く光太郎さん

「親なき後」への不安が事業所設立へと駆り立てた

 そんな中、りささんは現状を発信し、利用できる福祉サービスを調べて

活用しました。前例がないのなら、自ら前例を作るしか、困難を克服する

方法はなかったといいます。

 しかし、すべてのマンパワーを駆使して、なんとか在宅ケアを

成り立たせていても、介護者が倒れたら、すべてがストップしてしまうのです。

「親なき後」の不安は、常に心の中から消えることはありません。

「近年、世間はようやく重症児者・医療的ケア児に目を向け始めて

います。それでも、未だに当事者やその家族が繋がり、

アドバイスをもらえる場所は少なく、介護者が先に倒れても

受け入れ先はなかなか見つかりません。

そうなったとき、彼らは、自分の人生、望む未来を諦めるしか

ないのでしょうか……。そんなことは決してあってはならない

はずです。私はこの課題を未来に引き継いでは

いけないと思いました。そこで、上記記事のお母さまと同じ思いで、

『ないなら自分で創ろう!』と、法人を立ち上げたのです。」

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『誰もが住み慣れた地域で、その人らしく暮らせる居場所と出番を

見つけられるように……』 そんな願いを込めてりささんが開設に向けて

動き出している事業所の名は『うさぎのみみ』拠点は西東京市で、

自身が生まれた年の干支と、「うさぎの長い耳のようにアンテナを広げ、

聞き、すくい上げ、叶える存在になりたい」という思いを込めて名付けました。

『うさぎのみみ』は、病気や交通事故で寝たきりとなり、介護が必要な

重症心身障害児者や、医療的ケア児を受け入れる日帰りの通所施設です。

未就学の児童を預かって成長発達を支援する「児童発達支援」と、

学校卒業後(18歳以上)の日常生活支援を行う「生活介護」の運営が

予定されています。 障害があっても、その人がその人らしく、住み慣れた

地域で暮らしていける、そんな社会を目指したいというのが、26年間に

わたる介護経験から本間さん自身が描いた理念だといいます。

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孤独な在宅介護を続ける家族への応援も必要

「私も経験してきましたが、さまざまな福祉サービスはあっても、

行政の文書というのはわかりづらいものですよね。一つのことを

調べたくてもそこまでうまくたどり着けず、あきらめてしまう方も

多いのではないでしょうか。24時間の介護で我が子から

離れられない人たちには、そもそも余裕がありません。

当事者のケアも大切だけれど、家族の応援もしていきたい……。

『うさぎのみみ』では、親なき後の問題を

見据えながら、家族の成長や、人生の自由な選択をさまたげる

問題を解決するお手伝いができればと思っています

 若年で難病になったり、事故で重度障害を負ったりした当事者には、

高齢者の福祉と異なり、適切なアドバイスをくれるケアマネージャーが

ほとんどいません。多くの当事者とその家族は、受け入れてくれる病院や

施設が見つからず、選択肢のないまま在宅介護を行っているのが現状です。

 こうした中で、近年、当事者自らが「受け入れ先」ではなく、

「自らの居場所」を作ろうと動き始めています。とはいえ、現実には、

『存在しないのならば、自分でつくるしかない』と、半ば追い込まれて

決断するケースが大半です。 行政には現状の把握とともに、

こうした動きへの積極的な支援をお願いしたいと思います。 

突然の病気や交通事故によって、だれもが介護を必要とする患者や被害者に

なる可能性があるのです。

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● 光太郎さんがパソコンで描いた作品(本間さん提供)

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【借りた辞書 拡大鏡も 添えて有り(シルバー川柳)】