和子のこぼれ話-51〜和子の日常生活―3

勇ちゃんは昭ちゃん(長男)に松陰神社の近くにお店を出して貰って
テーラー北川」と言うお店を2〜3人の縫い子さんを雇って細々と
遣って居ましたが、夫婦仲が良く無くお店のお金に手を出す様に成って
経営不振に成ってお店を絶たんで飯野ビルのガードマンをして頑張って
居ました。勇ちゃんが仕事に行ってる留守の家に・・・その日は息子長男は
幼稚園の臨海学校で一泊し雅ちゃんの未だ生まれたばかりの長女と
2人だったとか?恐らく雅ちゃんは二階で一人でしょんぼりして居るだろうと
思いながら昭ちゃんのお宅に火事見舞いに行くと・・・
夫と息子の留守の間に火事を起こした当の雅ちゃんは、昭ちゃんの家の
座敷の真ん中で火事見舞いのお金の計算を???


雅ちゃん、この度は大変だったね?」と声を掛けると・・・
「うん、でも〜パパの内緒がが全部バレちゃって、清々してるわ?」だって?
この言葉に和子は返す言葉が有りませんでした。
その時、勇ちゃんは何時もお世話に成って居る山口さんのお宅に
泊まりに行ってると・・・昭ちゃんが色々調べるとかなりの借金が有ったとか?
兄弟で今後の話し合いをして「とにかく焼けた跡地を整備して駐車場にでも
しないと・・・」と昭ちゃんが言うと、雅ちゃんは・・・
「あの土地は不動屋さんに5年預けるとアパートを建てて呉れるから、
アパートを建てます」ともう先の事まで考えて・・・


その後、とし枝さん(昭ちゃんの奥さん)と2人で松陰神社の焼跡を
見に行くと屋根までは落ちて無かったけど〜略全焼で中に入ると・・・
子供と雅ちゃんの衣類は衣裳缶に・・・又マバラに箪笥の引き出しは
抜けて居て抜けて無い所はガムテープが???
其れはそれはすざましい光景でした。