和子の生い立ち-47〜夫婦喧嘩〜

親奥さまも暫くは病気療養中で大津の毅さんの所でお世話に成る様に成り
本宅、山中家も若夫婦家族で平和な日々が過ごせたかの様に見えましたが
現実はそうでも無かった様です。夕飯を済ませて皆さん各お部屋の
戻られて和子は台所で後片付けをして居ました。
すると奥の部屋から激しい口喧嘩が・・・
何が原因か判りませんが、夫婦喧嘩に間違い有りません。
今は親奥さまも居ないし親子水入らずで揉め事をする事も無かろうに〜〜〜?
親奥さまは大津の毅さんのお宅に行き、又毅さんに若奥様の悪口でも?
其れを旦那さんが耳にして・・・?対外のご主人はお母様の居ない時には
「日頃、お袋には大変だね?」って労わって呉れるでしょうけど〜
此処の旦那様は(幼い時に父を亡くし母親一人で育てて呉れた)と言う
一念が有るから絶対に若奥様を庇っては挙げないので、歯がゆい位でした。
親奥さまが居ない今、積り積ったウップンが爆発したのか?
若奥様は「家を出ます。実家へ帰らせて頂きます」と家を出て行きました。
和子は何が有ったか知りませんが、必死に成って「帰っちゃ駄目!」と
引き止めました。「普通の家なら『あそこの奥さん帰っちゃったんだってね?』で
済むけど由緒ある立派なお宅の奥さまが『帰っちゃった!』では済まないし
一度この家を出たらもう2度と敷居は跨げない。可愛い子供を3人置いて
実家には、絶対に帰せない。絶対帰っちゃだめ!!!」ってしがみ付いて止めました。
その騒ぎを子供達は気付き美代子ちゃんは大泣きをして居ました。
和子の説得にも応じず1旦家を出た若奥様はポツポツ降り出した雨で
傘を取りに家へ戻って美代子ちゃんの泣く声を聞いて思い留まって
実家には帰らないで済みました。次の朝、旦那さまから「夕べは和さん
有難う〜感謝してもしきれないよ〜」って・・・お礼を・・・