思い出ばなし・兄やん・・・-3

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兄やんは和子が家に居る頃から病気らしい病気もせずに健康其の物でした。

我が家の家計は父も2人の兄も姉の旦那様も誰もお酒を飲まず、

飲むのは和子の夫だけでした。ですが夫は煙草は全然吸いませんが、

父も2人の兄も煙草は欠かせない人でした。

「煙草は脳を侵され、お酒は内臓を侵される」と聞いた事が有りますが、

まさしく兄やんは70歳を過ぎた頃に脳梗塞に・・・

 

聞く所に依ると兄やんは将棋が好きで、バイクで将棋を差しに知り合いのお宅に行って帰りに異変を感じ、バイクを乗り捨てて帰って来たそうです。

兄ちゃんのお宅に行って・・・「わし~脳梗塞に成った見たい?」って言い・・・

兄ちゃんが「ほら~あかんでや~医者さんに行こう」と言って兄ちゃんの車で

病院へ・・・病院に着くと。看護師さんは「お名前と病状を記入して下さい」と

紙とペンを下さいます。其処で兄ちゃんが「兄やん名前と病状を書くんやて~」と

促すと、兄やんは「字が書けない」と言われびっくり・・・

 

先生に問診を受けると「脳梗塞で貴方は間脳を侵されて居ます。即入院を・・・」と・・・当時、脳梗塞と聞けば半身不随に・・・に成るのが定番の様ですが

右脳を侵されると左半身不随・左脳を侵されると右半身不随に成るそうですが

兄やんの場合は間脳を侵されて、字を書く事も、記憶力も・判断力も全て失い

廃人同然の様です。其れでも身近に居る女房や子供・兄弟は分かる様ですが

遠く離れた和子の事は???

昔の事を思い出し、和子の事を話したくても和子の名前が思い出せず

「あの子よ~あの子~あの子何て言うたっけ?」「あ~か~こか?」そうそう

「か~こよ~」って感じで・・・一つの文句も一行覚えられないとか?

その様な廃人同然に成った兄やんも若い頃は町内の役員を遣ったり~

長男だけに立派な兄やんだったのに・・・

 

兄やんにも3人の娘が居ますが、娘たちも「立派なお父ちゃんの面影は無く悲しいと・・・そんな兄やんのお嫁さん、姉さんもかなり大きなショックを受けて

或る日、突然「ポ~ン」と耳が聞こえなく成って・・・夫婦でチグハグ・・・

兄やんが喋っても姉さんには聞こえない?筆談でお話しも字が書けない・・・

世の中にこの様な気の毒なご夫婦が居るのかな?

 

【なれそめを 初めて聞いた 通夜の晩(シルバー川柳)】

 

            

思い出ばなし・兄やん・・・-2

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兄やんは金銭面では意外と大雑把だったけど、物を買う時には安物は買わない人で

何でも高価な物を買う人でした。和子が幼い頃に「お友達が木琴を持ってるから欲しい」と強請ったら当時木琴は300円位だったと記憶します。

そんな時、兄やんは和子に素敵な手提げのケースに入った木琴を買って呉れて

500円だったとか?

 

年老いた両親は未だ々幼い和子が居るのに~(老後は兄やん夫婦に世話に成るから・・・)家計を兄嫁に任せて幼い和子は、学校で上履きに履く藁草履一足

10円のお金も満足に貰えず、散々学校に行く前に「姉さん10円頂戴」と言っても

聞き耳を持たず知らんぷり・・・何度も何度も「10円頂戴」と言って

兄やんが「和子が金呉れ~て言うとるから遣れ~」と兄嫁に怒鳴って呉れないと

10円のお金も貰えなかった~

 

中学の時に兄やんに「お金の必要な度に姉さんに『お金頂戴』と言っても

呉れないから一ヶ月に300円で良いからお小遣いが欲しい」とお願いをしたら

「ダメ無しのか~こにお金を持たせたらみんなお菓子買って使っちゃうからダメ」と言って呉れなかった・・・(涙・・・)

身内で有りながら血を分けた親子・兄姉なのに~誰一人と僅か10円のお金も侭ならず

苦しんで居るのに・・・和子の気持ちは分かっては呉れない・・・(涙・・・)

 

当時は同級生は半分の人が高校に進学し半分は義務教育で社会人に・・・

和子は幼い頃は甘えん坊の泣き虫だったけど~早く社会人に成ってお金を稼ぎたい。

自由に使えるお金が欲しいと・・・

義務教育を終えて社会人に成って社員寮に入りましたが、全然寂しくなく

むしろ嬉しかった・・・

 そんな兄やんも70才を過ぎた頃に脳梗塞で倒れ廃人同然の人生を・・・ 続き・・・

 

  【少ないが 満額払う 散髪代(シルバー川柳)】

 

思い出ばなし・兄やん・・・-1

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明治生まれの両親で5人兄姉の末っ子に生まれた和子は上の兄姉に従って

子供の頃は兄貴を(兄やん)と呼び、姉は(姉やん)と呼んで、父は次男坊で

和子の家にはお爺ちゃんもお婆ちゃんも無く両親は山で働き、兄貴や姉に

育てられました。長男の兄やんとは20歳も歳が離れ長女の姉やんは15歳

次男以下は其々に呼び捨て・・・でも~次男は和子には「兄ちゃんと呼べ~」と

言って兄姉中で一番可愛がって呉れました。

 

今回は兄やんのお話し・・・兄やんは長男で何と無く、煙ったい存在で姉やんと

兄ちゃんは取っても仲良しで殆ど和子は姉やんと兄ちゃんに大きくして

貰ったって感じでした。だから幼い頃のあにやんの思い出は余り、有りませんが・・・

兄やんは和子の子供心にの記憶はだらしない人でした。

脱ぎ捨てた上着やズボンのポッケには何時も小銭が入って居ました。

 

小学2年生の時に兄やんは結婚して同居生活を始めましたが、兄嫁は女系家族

お金に倹しい人で、和子が「学用品を買うから10円頂戴」と言っても一度で

「ハイ10円」と気持ち良く呉れた事は殆んど有りませんでした。

幼い和子は「学用品を買うから10円頂戴」と言うのが苦痛で・・・

兄やんの脱ぎ捨てたズボンや上着を見つけては、揺すって見て

チャリン・チャリンと言うお金を音がすると半分調達、子供心にも、

してはいけないと心得て居ても姉さん(兄嫁)に「学用品を買うから10円頂戴」と

言うのが苦痛で・・・この様な悪さも何度かしましたが、

だらしない兄やんは自分でポッケに幾ら入って居たかも知らない人だったから・・・

 

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中学に成ってからだと思うけど~姉やんが「今度の日曜日に美容院に行くから

子供のお守りに来て欲しい」と頼まれて、朝、自転車で姉やんの家に行くと

姉やんは出掛けて居て居なかったから・・・家の近くの桃ノ木峠まで帰って来たら

兄やんが自転車で出掛けるのに出会いました。「かーこも行く~~~」と言って

兄やんの後を付いて行くと「来るなよ~」って何度も怒られたけど・・・

「か~こも行く~~~」と付いて行ったら・・・

彦根の銀座に有る「ミツワ食堂」で美味しいうどんを

食べさせて貰い嬉しかった・・・なぁ~

兄やんの子供の頃の思い出はそれ位かな?((^▽^笑) )

 

【カード増え 暗証番号 裏に書き(シルバー川柳)】

ママ~今度の金曜日は飯いらないよ~・・・

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長男は結婚準備の為に彼女の実家、東大宮と横浜の中間地点にアパートを借りて

一人位を始めて、我が家は夫と次男と3人暮らしに・・・そんな有る夜

今度の金曜日・土曜日と夫は社員旅行で留守に成る・・・

和子はず~~~と前から「一晩でも良いから一人暮らしがして見たい」と言う

夢を描いて居ました。夫が現役の時は、春の会社の慰安旅行の日は息子も

飲み会に行かないかな???って微かな望みを期待して居ました。

 

そんな夢かなう言葉・・・夫が旅行に行くその日の2~3日前に次男から

「ママ~今度の金曜日は飯いらないよ~~~?」って・・・(笑)

結局「一晩でも良いから一人暮らしがして見たい・・・」と言うのは程遠いけど

「今度の金曜日は、飯いらないよ~」と言う言葉で和子は思わず

(わーい~じゃ~お弁当を買って来て食べよう~)と夕飯の支度をしないで済む事に

喜びを感じ、ルンルン気分でした。

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  その金曜日の朝、電話が鳴って出ると・・・北海道のオジサン???

「もしもし・・・今晩、泊まりに行っても良いかなぁ?」???ガハッ(*^^*)

折角、一人の夜を楽しみにして居るのに・・・(涙・・・)

和子は思わず・・・「オジサン、ゴメン、今晩お友達とカラオケに行くから

帰りが遅く成っちゃう~」と言う嘘を・・・

長年、一夜を何もしないで過ごしたい欲望が勝っちゃって・・・思わず

オジサンに嘘を付いちゃった~オジサンは・・・「そっかじゃ~埼玉の弟の

所で泊まるわ~」と言って呉れて(助かった・・・)((^▽^笑) )

 

【振り返り 犬が気遣う 散歩道(シルバー川柳)】

お茶して帰ろうかぁ~

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長男は結婚する前に2年ほど「アパートを借りて一人暮らしを始める」と

言い出し・・・「ママ~家に有るステレオ持って行って良い~?」って言われ

和子もステレオが無いと寂しいから「じゃ~関内のヤマギワに一緒に買いに行こう」と言う事で2人で関内のヤマギワに行って帰りに・・・

不二家レストランを見つけて・・・「お茶して帰ろうか?」と言うと

「良いよ~」と言って不二家レストランに入りました。

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すると何人かのカップルがテーブルを囲んで珈琲を飲んだり・軽食を摂ったり~

若者は若者のカップル・年配は年配同士のカップル・・・

この時まで何の抵抗もなく気軽に不二家レストランに入ったんだけど~

やけに若者のカップルが眼について・・・長男に・・・

「不味い所へ来たね?相手がオバサンじゃ恥ずかしいでしょう?ご免ね?」と

言うと・・・長男は「全然恥ずかしく無いよ~大丈夫だよ~其れより

ヤマギワでステレオの代金をママに払わせた方がよっぽども恥ずかしかった」と・・・

何時までも「子供・子供・・・」と思って居るけど~立派に大人に成って???

尤も此れから新所帯を持とうとして居るんだから当然かな?((^▽^笑) )

 

【万歩計 半分以上 探しもの(シルバー川柳)】

北海道のオジサン・・・-2

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北海道のオジサンは赤い車で横浜に来て夫がオジサンの車でドライブすると

結構荒っぽい運転で信号を無視したりするので「オジサン危ないよ~」と

注意すると東京や横浜の様な都会は時差式信号が有ると分からなくて無視しては

「札幌のナンバーの車は許して呉れるから大丈夫だよ~」何て言っちゃうし・・・

やっぱり危ないから・・・「今度から来る時は電車でお出でね?」と

約束すると「うん、分かった~」と言って埼玉の弟さんの所に

車を置いて我が家に・・・

 

 

和子も田舎育ちで意外とケジメを弁えて居て、やっぱり家に来る前に

東京の夫の実家に先に行ってから来た方が・・・と思うので

「東京の実家に寄って来たの?」って聞くと「行って来た」と言うんだけど・・・

実は・・・夫の実家は北海道のオジサンのお姉さんの嫁ぎ先ですが、

夫の実母(オジサンのお姉さん)は若くして亡くなり、後妻さんが・・・

オジサンは後妻さんが苦手で、夫の実父が居た頃は良く来て居たそうですが・・・

和子に「行って来た」と嘘を付いても行かなかった様です。

 電車で横浜に来ると三渓園2人で散歩に行って帰りに横浜駅まで送って行って

「東京の実家に寄って帰ってね?」と約束をして別れます。

 

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有る時は、折角横浜に来たのに~一日中雨が降って何処にも行けず2人で

お喋り・・・何時かは・・・北海道に居る内縁の奥様が亡くなってとかで

「此れは内緒だよ~絶対に誰にも言っちゃいけないよ~」と言って

内縁の奥様の形見の指輪を頂いた事も・・・

奥様が亡くなってからは息子さん夫婦ともやはり元々血の繋がらない

親子だから息子さんのお宅から出て違う土地に平屋のお家を買って

一人暮らしをして居たとか?

 

【誕生日 ローソク吹いたら 立ちくらみ(シルバー川柳)】

北海道のオジサン・・・-1

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北海道のオジサンは夫の実母の弟さんで当時は札幌に内縁の奥様と奥様の

息子さんと3人で住んで居ました。和子達が結婚して間もない頃に北海道から

東京の実家に戻って来られた時にお姑さんから「北海道のオジサンが来るから

夕飯を食べにお出で・・・」って誘って頂き、夫と会社の帰りに実家に寄って

共に食事をした事が・・・初めて逢った時に何と無く親近感を感じましたね?

 

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其れから数年経って、お舅さんが亡くなってお墓で2度目に逢った時に

オジサンから「姉さん(夫の実母)から『OO(夫)の事を頼む』って

言われて居たので野菜を送るから住所を教えて貰えないだろうか?」って

言われ、それ以来、北海道から、今頃の時期にはアスパラ・もう少しするとメロン

ジャガイモ・玉ねぎ・人参・暮に成ると荒巻シャケ・たらこにすじこ・にしん・・・

と色々送って貰い、大助かりでした。夫にお礼の電話を入れて貰うと・・・

「和子さんは居ないの?」って何時も和子を呼び出して呉れて夫のオジサンか

和子のオジサンか勘違いする程和子を可愛がって呉れました。

 

又次男が修学旅行に行くとホテルに面会に行って呉れてお小遣いを頂いたとか?

和子を実の姪っ子の様に可愛がって呉れたオジサン、「偶には横浜にも本土に

帰った時は寄って来てね?」と・・・

 

オジサンは4人姉弟の長男で夫の実母が一番上で、オジサンは長男・埼玉に次男・

新潟のご実家に三男が跡継ぎを・・・80才に成って車で埼玉のオジサンのお宅に寄って新潟へ・・・和子が「偶には横浜にも本土に帰った時は寄って来てね?」と言ったら・・・何時か赤い車で北海道から・・・(笑)

  元気なオジサン・・・    続き・・・

【湯加減を しょっちゅう聞くな わしゃ無事だ(シルバー川柳)】