【特別篇】
風物詩10選 社殿と紅葉が水面に映る幻想的光景
暑い夏が過ぎ、秋風が心地いい季節。旅をしたい気持ちが
高まってきました。紅葉や秋祭り、収穫のよろこびなど、日本には
たくさんの美しい秋の絶景・風物詩があります。自粛中に、そんな日本の
魅力に気付いた人も多いかもしれません。
「いつか」ではなく、今度の旅行の参考に。私たちを待っている秋ならではの
豊かな景色をお楽しみください!
◆ 宵々天川
🍁 宵々天川。
「宵々天川」は、天川村の洞川温泉街で開催されるライトアップイベント。
修験道の場として知られる大峯山へ参詣する行者をもてなす宿場町として
栄えてきたのどかな街が、提灯のやさしい明かりで包まれる。
イベントは夏から秋にかけて行われ、温泉街に数百もの提灯が
飾られるほか、修験道の根本道場であり、紅葉の名所としても知られる
「龍泉寺」でもライトアップが開催。暗闇に浮かび上がる社殿と水面に
映る紅葉が美しく、幻想的な雰囲気に包まれる。
「宵々天川」開催期間:~2023年11月30日(木)
◆ 笹の滝
🍁 笹の滝。
「笹の滝」は、十津川村にある落差約32メートルの壮大な滝。
雄大な自然の中にあり、水量豊富で流れが速く、間近で眺めると迫力満点だ。
秋になると紅葉でいっそう美しく引き立てられた滝の景色を、
多くの人が楽しみに訪れる。 滝までは駐車場から徒歩10分ほどで、
距離はそれほど長くはないが、道は細く、急傾斜地や岩上を歩くことも
あるので、歩きやすい靴で行くのがおすすめだ。
※駐車場までの道は大変狭いので、日中でもライトを点灯したうえで、
対向車に十分注意しながら運転を
見ごろの時期:11月
◆ 采女祭
🍁 采女祭。
「采女祭」は、毎年中秋の名月の日に行われる、「采女神社」の例祭。
采女(女官)の霊を鎮め、人々の幸福を祈願するために始められたもので、
艶やかな行列や船神事などが執り行われる。 祭り当日は、十二単姿の
花扇使や天平衣装をまとった人々が2メートル以上ある美しい花扇を囲み、
市内を練り歩く「花扇奉納行列」で始まり、神社での「花扇奉納神事」、
雅楽が演奏されるなかで管絃船が猿沢池を巡る「管絃船の儀」が行われ、
最後は池に花扇が投じられる。 そもそも采女神社は、采女が帝の寵愛を
失ったことを嘆いて池に入水したという悲恋物語が創建の由来と
されているが、現在は縁結びの神様として親しまれており、采女祭では
「采女えんむすび守」の授与も行われている。
開催日:中秋の名月の日
◆ 明日香村の彼岸花
🍁 明日香村の彼岸花。
明日香村内には飛鳥時代の人々が活躍した痕跡が遺跡として多数点在する。
現代につながる様々な制度や文化が始まった地でもあり、
「日本の国のはじまりの地」として親しまれている。
お彼岸のころになると村のあちらこちらで見られるのが、真っ赤に
色づいた彼岸花。毎年、咲く場所や数に違いはあれど、主に古墳や寺院の
周り、田んぼの畦などさまざまな場所で見られる。特につなぐ棚田遺産
「稲渕棚田」周辺は、彼岸花と黄金色に染まる棚田の見ごたえのある
コントラストが評判だ。 また、開花時期に合わせて「彼岸花祭り」も
開催され、案山子コンテストなどのイベントも楽しめる。
見ごろの時期:9月中旬~下旬
◆ 正暦寺の紅葉
🍁 正暦寺の紅葉。
一条天皇の発願により、正暦3(992)年に関白九条兼家の子兼俊が
創建したとされる正暦寺。菩提寺山中腹の深い自然の中にあり、秋になると
参道から境内まで色とりどりの紅葉で美しく染まる。
「境内には約3,000本の楓があり、奈良屈指の紅葉の名所として古くから
親しまれています。楓が黄色や赤に色付くと、木々の緑と織り交じり錦の
色に見えることから、『錦の里』とも呼ばれます。
また、福寿院から眺める秋の借景庭園も絶景です」(
見ごろの時期:11月上旬~12月上旬
◆ 藤原宮跡のコスモス
🍁 藤原宮跡のコスモス。
藤原宮は、中国の都城にならい、日本で初めて建設された本格的都城。
現在、宮跡には原野が広がっており、秋になると一面にコスモスの花が
咲き誇る。「約30,000平方メートルに咲き誇る6種類のコスモス300万本を、耳成山、
天香久山、畝傍山の大和三山の眺めとともに楽しめる絶景スポットです」
◆ 曽爾高原のススキ
🍁 曽爾高原のススキ。
曽爾高原は、倶留尊山と亀山の西麓に約40ヘクタールにわたって広がる
高原。秋になるとススキが一面を覆い、夕陽に照らされて黄金色に輝く。
「広大な高原に群生する金色のススキが、風になびいて波打つさまが
牧歌的で美しい絶景スポットです。 また、時間帯ごとにそれぞれの美しさを
堪能できますよ」
◆ 談山神社の紅葉
🍁 談山神社の紅葉。
談山神社は、大化の改新前夜に中大兄皇子と中臣鎌子(後の藤原鎌足)の
談合した場所を「談い山(かたらいやま)」と呼んだことがその名の
由来とされる、藤原鎌足が祀られている神社。
重要文化財に指定される数多くの絢爛たる社殿を、約3,000本の
紅葉したカエデが染め上げる情景は、「関西の日光」とも呼ばれている。
「秋には境内一帯のカエデと多武峰の深い木立が全山で紅葉して、
壮麗な朱塗りの十三重塔に花を添え、紅葉の名所として親しまれています」
◆ 西行庵の紅葉
🍁 西行庵の紅葉。
吉野の奥に位置する西行庵は、「新古今和歌集」の代表的歌人の1人で
ある西行が、武士の身分を捨て法師となり3年間侘住まいをしたと伝わる
小さな庵。 奥千本の静寂で神秘的な空間で、赤色や橙色に紅葉した木々に
包まれる西行庵は、どこか哀愁を漂わす。
「秋には周辺の木々が大変美しく色づき、西行庵を彩ります。その風情ある
佇まいは、隠れ紅葉スポットとして人気があります」
◆ 九品寺周辺の彼岸花
🍁 九品寺周辺の彼岸花。
九品寺は、奈良時代に行基によって開かれたと伝わる葛城古道の古刹。
その境内の北側の空き地や土手、田畑の畔などでは、9月の中旬から
下旬にかけて彼岸花が見ごろを迎える。
「彼岸花が群生して咲き誇るその様は、まるで真っ赤な大海原のよう。
群生ならではの美しさに圧倒されます!」
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