和子のこぼれ話-77〜お祝いを買いに行って〜

母の危篤の知らせを受けて急いで帰って来て、母は依然と昏睡状態で
お医者さんも「老衰だからお口に水を含ませて受け付けない時が終わり」と
言い、家族の誰かが見守るだけだった。
君子の家では隠居を建てるのに棟梁から職人さんが大勢来て居るのに「母が
危篤だから・・・」と延期する訳にも行かず、棟上げを実施した。


兄ちゃんに「君子の家へお手伝いに行くのは良いけど、何かかーこもお祝いを?と
相談すると「かーこは家を建てる事も無いだろうから何も持たないで行って
良いよ〜」・・・とは言ったけど〜和子は川相の酒屋さんに寄って日本酒を2本
買って行く事に・・・
酒屋さんに行って「日本酒を2本お祝い用にして下さい」と言うと・・・
「君ちゃん、何処へお祝いに行くの?」って「何処って君ちゃんの家に持って
行くの?」と言うと、和子と君子と間違えたお店のオバチャンは「あんた、
君ちゃんじゃ無いの?」ってビックリ???「あら?ご免ね?私は君ちゃんの
妹です。」と言うと・・・「エッ?君ちゃんの下に未だ妹さんが居たの?」って


子供の頃は君子は恥ずかしがりで、大人しく世間の人に君子の存在は薄かった
でも〜和子は姉ちゃんにアチコチ連れて行って貰ったり、兄ちゃんにアチコチ
連れて行って貰ったり、散々カリエスで大病を患い、「あのおきのさんの
末っ子は又入院して居るんだって?」余り良い印象では無かったけど、
人気者だった。でも〜大人に成って君子の存在は広がり、和子は横浜に嫁ぎ
影が薄くなり、いつの間にか君子と和子は入れ替わった感じ・・・


何時かも何処かのオバチャンが君子に「あんたは小さい時に
足が痛い・足が痛い・・・って言ってたけど今は大丈夫?」って言われたとか?
「良く足痛を起こしたのは妹よ〜」と言うと・・・「あんたの下に未だ妹さんが
居たの〜?」って何度も言われたとか?そんなに似て居るのかな? アハハハ・・・