無いがマシかよ~気が楽で・・・

     

     《和子は又々こんな記事を見た~》

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夫の死後、2000万円の「金融資産」を相続した

      75歳母が激変…45歳息子が実家で見つけた

               「まさかのモノ」

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もし実家で一人暮らす母親が、効果があるとは思えない健康食品や

健康グッズを買わされていたら…。他人事だと思っていても、

いつ自分の家族が被害に遭うとも限りません。筆者が実際に相談を受けた

事例をベースに、解説していきます。

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2年以上、会えていなかった

都内にある電機メーカーの開発部門で働く山田雄太さん(45歳・仮名、)は、

広告会社の営業として働く妻の美紀子さん(42歳)と、14歳、10歳の

二人の息子と千葉県のマンションで4人暮らし。雄太さんの出身は

岡山県ですが、大学進学を機に上京して以来ずっと首都圏在住です。

「父は7年前に他界し、今は75歳の母が岡山の実家に一人で住んでいます。

自分は一人息子なので、千葉にいてもずっと一人暮らしの母のことが

気になっていました」しかし3年前から新製品開発のプロジェクト

リーダーを任されているため仕事が忙しく、また正社員として働く

美紀子さんとも休日が合わなかったり、子ども達も部活動や塾で

忙しかったりで、なかなか実家に帰れずにいました。

さらにコロナ禍で地方への里帰りや高齢者と会うことが憚られるように

なったため、もう2年以上、母・奈津子さんと会えていませんでした。

とはいえ、奈津子さんは社交的な性格で、近所の人達とも仲が良く、趣味の

卓球を楽しんだり、年に数回は友達と旅行に行ったりと、一人の生活を

楽しんでいる様子でした。たまに雄太さんがLINEのビデオ通話で連絡した

際にも、健康には問題なさそうな元気な様子で、うれしそうに孫たちに

話しかけていました。

また、雄太さんの父親は地元の建設会社で役員まで務めていたので、

奈津子さんも経済的にはある程度余裕があります。夫が他界したときに

奈津子さんは、自宅不動産のほかに2000万円以上の金融資産を

相続していました。本人が受給する年金と合わせると一人で暮らして

いくには十分なお金を持っており、その点については雄太さんもそこまで

心配していませんでした。  久しぶりに実家に帰ったらコロナ禍がある程度

落ち着いてきた2022年の夏休み、たまたま家族の休みのタイミングが合ったので、

雄太さんたち家族は2年半ぶりに4人で岡山の実家に帰省することにしました。

子ども達も小さい頃からおばあちゃんにかわいがってもらっていたので、

岡山に行けることをとても喜んでいました。

   

新幹線と在来線を乗り継いで実家に帰ると、奈津子さんが大喜びで

出迎えてくれました。その様子はコロナ前と全く変わりなく、夜には

雄太さんや孫達が昔から好きだった手料理をふるまってくれました。

子ども達が学校や部活動の話をすると、大きく頷きながら話を聞き、

少しオーバーなリアクションで笑う様子も昔と変わりません。

帰省するまでは不安だった雄太さんも、そんな奈津子さんを見て安心しました。

 

ところが次の日、雄太さんはあることに気付きました。「キッチンの棚の中に

開封の健康食品がやたらと多くあって、おかしいなと思ったんです。

不安になって家の中をさらによく見てみると、物置には見慣れない健康器具のような

ものまで置いてありました」奈津子さんに聞くと、友人のAさんと一緒に近所の

スーパーで買った磁気治療器だと言います。しかし、名前を聞いたこともない

商品で、とても一般的なスーパーで販売しているものとは思えませんでした。

疑念を強めた雄太さんが奈津子さんによく問いただすと、スーパーの

店舗内ではなく店舗の外に設置されていたテントの中で購入したそうです。

その際に「がんや糖尿病を予防する効果がある」との説明を受けて買ったと

いうことでした。

   

そして、その磁気治療器を購入してしばらく経った頃に見知らぬ健康講座を

案内するダイレクトメールが自宅に届きました。特典で健康食品の

無料サンプルが3ヵ月分もらえるということだったので、奈津子さんが

参加したところ、同じようにスーパーの外に設置されたテントの中で

健康に関して説明を受けたそうです。

その説明を聞いて自身の健康状態に不安を覚えてしまった奈津子さんは、

その場で販売されていた健康食品を買わずにはいられなくなり、

気が付けば契約をしていました。それ以来、毎月商品が届いているとの

ことでした。些細なきっかけで健康食品や健康器具を買ってしまった

奈津子さんでしたが、今ではその効果をすっかり信じ切っていました。

これまで一体いくらつぎ込んでしまったのか、

 

「私自身も理系出身でメーカー勤務の開発者なので多少の知識はあります。

だからその磁気治療器と呼ばれるものに病気を予防する効果があるとは

考えられませんでした。ただ少しあきれながらも、母の気が休まるなら

いいと思って話を聞いていました」

   

しかし雄太さんが「ところでこの治療器はいくらしたの?」と値段を聞くと、

奈津子さんから耳を疑うような答えが返ってきました。なんと90万円もしたと

いうのです。「母は平然としていて、『先着30名限定の特別価格で安く買えたの』と

むしろ喜んでいる様子でした。ますます不安に駆られながら、健康食品の値段も

たずねてみると、そちらの値段も衝撃的だったんです…」奈津子さんによると、

「毎月4万円ぐらいだけど、最初の3ヵ月はお試しで無料でもらえたから、

こっちもすごくお得だったの」とのこと。

契約したのは約2年前なので、健康食品にもすでに総額で80万円以上

費やしているようでした。雄太さんの顔はだんだん青ざめていきました。

典型的な「催眠商法

奈津子さんが遭遇したケースのように、会場に人を集めて健康に関する講座などを

開催し、巧みな話術で場を盛り上げながら健康不安をあおって、最終的に高額な

商品を購入させる商法を「催眠商法」と言います。よくある手法としては、

日用品を配ったり、「無料サンプルがもらえる」といった触れ込みで人を集めます。

そして閉め切った会場内で、

「健康に不安がある方はいませんか?」

「無料サンプルが欲しい人は挙手してください!」

などと問いかけながら手を挙げさせるなどして、参加者の気持ちを高揚させます。

そして冷静な判断ができない状態を作り出した後に、「先着〇名だけの特別価格」

などと言って競争心を煽って購入を迫ります。参加者は「今買わないと損する!」と

いう一種の催眠状態になっており、冷静な判断ができないまま、高額商品であっても

その場で購入を決めてしまうのです。

   

購入後、しばらく経ってから冷静になり、購入したことを後悔して返品しようとしも「クーリングオフ期間を過ぎている」と受け付けてもらえなかったり、そもそも

販売者と連絡が取れなくなったりするケースもあるようです。また本人は

素晴らしい商品だと信じたまま、購入を継続するケースもあります。

奈津子さんはまさにこのケースでした。

「いまやめたら病気になるかもしれない」

自分の母親が怪しい商法の被害に遭っていたことに慌てる雄太さんをよそに、

奈津子さんはその磁器治療器や健康食品がいかに効果的かを熱心に話し続けました。

「本当に効果があるのかどうか疑わしいから、少なくとも健康食品の定期購入だけは

すぐに解約するように伝えました。しかし母は納得せず『いま食べるのをやめたら

病気になるかもしれない』と頑なに拒否するんです」

   

効果があると信じ込んでいる奈津子さんを説得するのは大変でした。

雄太さんが根気強く話し合いを続けて、同じように高額商品を購入してトラブルに

なっている事例が沢山あることを報道したインターネットの記事などを見せて

説明したところ、最終的には奈津子さんも少し冷静になったようで、解約することに

同意しました。雄太さんが健康食品の販売元に電話をかけ、奈津子さん本人からも

解約の意思を伝えてもらって、それ以降の定期購入を停止する手続きをしました。

磁器治療器についても念のため問い合わせましたが、思ったとおりクーリングオフ

期間を過ぎているという理由で返金は受け付けてもらえませんでした。

会わないうちに変わってしまった…

結果的に、奈津子さんは170万円近いお金を効果の疑わしい磁気治療器と健康食品に

費やしたことになり、雄太さんは長いあいだ実家に帰っていなかったことを

後悔しました。今後はもっとこまめに帰省することを心に決めた雄太さんでしたが、

実家で数日間、奈津子さんと一緒に過ごしていると、電話やオンラインでの

会話だけでは気付かなかった変化に気付きました。以前はいつも穏やかで、

あまり自己主張をするようなことがなかった奈津子さんでしたが、いつの間にか

些細なことにこだわって、間違いを指摘しても頑固に自分が信じた主張を

曲げないことが増えたのです。また、ついさっきした話をすぐに繰り返すことも

何度かありました。

   

雄太さんは母の変化が気になり、再び高額商品を買わされてしまわないか

不安になって、役所の消費生活課に電話で相談してみました。すると電話で

応対してくれた担当者が、高齢者の判断能力が低下している場合には

成年後見制度」というものがあることを教えてくれました。

 

成年後見制度とは、判断能力が不十分な人が契約手続き等を行うときに、本人の

権利や財産を守るために法律で保護する制度です。すでに判断能力が

低下している人のための「法定後見制度」と、将来的に判断能力が低下

したときのために準備しておく「任意後見制度」があり、また「法定後見制度」には

本人の判断能力の程度によって、「後見」「保佐」「補助」の3種類があります。

重度の認知症などで判断能力が全くない状態の人は「後見」、判断能力が著しく

不十分な人は「保佐」、判断能力が不十分な人は「補助」の対象とされ、

医師の診断書などの必要書類とともに家庭裁判所に申し立てを行い、それが

認められるとそれぞれ「成年後見人」、「保佐人」、「補助人」が選任されます。

成年後見人が最も権限は強くなりますが、保佐人や補助人であっても被後見人の

一定の行為について同意見や取消権を有するため、消費者トラブルの抑止効果が

あります。

   

「相談した役所の担当者によると、実際に補助人が付いたことで催眠商法

トラブルを回避できた事例があったとのことでした。ただまずは、

成年後見制度の利用も選択肢として考えながら、母に健康診断を受診することを

勧めるのが先ですね。

そのうえで今まで以上にこまめに連絡を取り、少なくとも年に2回は実家に

帰省しようと思います」核家族化や高齢化が進み、子と離れて暮らす高齢者が

増えています。同時にそうした中で、高齢者が催眠商法や訪問販売によって、

高額商品を不本意に購入させられてしまうトラブルもまた増加しています。

販売者は巧みな話法で購入を迫ってくるため、本人は購買意欲をかき立てられたり、

断ろうにもなかなか断れなかったりするようです。万が一トラブルに巻き込まれた

場合は早めに役所や弁護士に相談することが大事ですが、トラブルを未然に

防ぐためには、成年後見制度の活用も選択肢のひとつです。

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【年だもの 最後だわねと 又ハワイ(シルバー川柳)】