和子の生い立ち-43〜アトラキシン〜

久々に京都へ中川さんとドライブをして楽しい一時を過ごし
多少のストレスを解消し、又々山中さんのお宅での葛藤が始まった
有る朝、何時もの様に朝5時に起きて朝食の支度をして
子供さんを学校に送り出し、親奥さま、若奥様を起こしに行くと
若奥様は起きて来ません。旦那様は静岡のお店に行って
お留守だったのでしょう?
親奥さまは起きて来て朝食を済ませ「静子は寝て居るのなら寝かせて
置けば良い」と極平静に・・・
昼に成っても、夕方に成っても・・・夜に成っても・・・起きて来ません。
枕元には小さな小瓶が・・・「アトラキシン」と言う睡眠薬の瓶が空っぽに?
旦那様の居ない留守には何時も「嫁・姑」の争いが有り、何時か和子に
「一ヶ月でも良い・10日でも良い・一週間でも3日でも良いから〜
狭い6畳一間のアパートで良いから、のんびりとした生活がして見たい〜」と
零した事が有ったけど〜又々???だから親奥さまは寝て居る若奥様を見ても
平静で居るのか?遂に若奥様は耐えに耐えきれず・・・死の路を???
その晩、和子は2歳の正英ちゃんを背負って暗い所を歩き廻り寝かせるのは
大変でした。広い豪邸だから暗い廊下を歩くのは良いけど・・・
背中で寝たと思い布団に降ろすと眼を覚ます。夜中の2時頃までおんぶして
歩き大変でした。無事に若奥様は2日2晩昏睡状態を続けましたが
死には至らずホッとしました。