和子の生い立ち-11 〜アルバイト〜

姉ちゃんと兄ちゃんは兄姉中でも、取っても仲が良く和子を2人で
取っても可愛がって呉れました。姉ちゃんがお嫁に行って
君子も会社の寮に入り、家で兄ちゃんとは一番長い間生活し、
姉さんに苛められて居るのも良く知って居るから・・

兄ちゃんは、何時も父と一緒に野瀬の山に行って炭焼きをして居ました
姉さんのケチは直らず、やっぱり和子が幾つに成っても
「学用品を買うからお金ちょうだい」と言っても知らん顔〜
そんな姉さんの態度を何時も見て居る兄ちゃんは、有る時
「かーこ俵編みをしないか?1枚編んだら10円遣るから・・・」って
和子にアルバイトをさせて呉れました。勿論、最初は兄ちゃんに
教わりながら・・・和子は隠居の入り口の間で従兄弟の初枝さんと
学校から帰ると・・・学校が休みの日は、毎日俵を編んで1000円
儲けました。取っても嬉しかったです。1000円札1枚持ってるだけで
最高の幸せでした。でも〜学用品には使いたく無いです。
だからと言って別に何を買う目的も有りませんが、タダ・タダ持って居たい
第一、何かを買うと言ってもお店も無い。12〜3才の子供が街に出て
買い物をする事も有りません。

夏の有る日、松原水泳場に仲間と行く事に成りました。みんな仲間は
お弁当の他におやつを一杯持って行きます。和子は姉さんに
「おやつを買うからお金ちょうだい」と言うと・・・
「としおさんに俵編みをして貰ったお金が有るでしょう?其れで買って
持って行きなさい」と言って呉れません。
何かにつけてこの通りだから、脱ぎ捨てたあにやんのズボンや上着
ゆすって小銭を調達したり・・・兄ちゃんの引き出しに小銭が有ると
調達したり・・・和子は(早く学校を卒業して働いて自由に使える
お金が欲しい)と・・・高校など、絶対に行きたいとは思いませんでした。