アトラキシン・・・

病院に親奥様のお見舞いに行って本宅に帰って来た旦那様は何時もと

変わらない様子でした。大津の赤十字病院に一旦検査入院をされて

1週間か10日ほどして退院されて本宅には戻らず三男のお宅でお世話に成って居た頃に親奥様は手帳にびっしりと若奥様の悪口を書いて再入院

何処から若奥様の眼に止まったのかは和子には分かりませんし、旦那様と夫婦喧嘩を

されて居るのも気が付きませんでしたが、若奥様は旦那様の留守に4人の子供を・・・未だ々幼い2歳の正英君を無視して「アトラキシン」と言う睡眠薬を一瓶

何錠入って居たか分かりませんが、全部飲んで2日2晩昏睡状態で休まれました。

 

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昼間はお手伝いさんのオバサンが居て下さるから良いけど・・・夜に成ると

4人の子供とオジサンだけで2歳の正英君をおんぶして寝かせるのに一苦労・・・

暗い廊下を子守歌を唄って歩き・背中で寝る正英君を卸すと眼覚まし泣く・・・

夜中まで掛かってやっとの思いで寝かせた思い出・・・

 

今思えば自殺未遂?救急車を呼んだ記憶も無く、お医者さんが来た記憶もない?

此れって立派な豪邸の若奥様だから世間に恥を晒す事無く穏便に済ませたのかな?

 

【未練ない 言うが地震で 先に逃げ(シルバー川柳)】

 

若奥様の胸の内は???

ある日親奥様は体調を崩し大津の赤十字病院で診察を受けられました。

その結果検査入院とかで暫く入院されてその後、数ヶ月三男の息子さんの

お宅にお世話に成って其処から病院通いをされて居ました。

三男のお宅では菊のお世話をする事も無いし・・・お宅で日記などを書いて

静養されて居た様です。

 

又病気が再発して再入院をされてからか?和子には良く分かりませんが・・・

その手帳にビッシリと書かれた日記の内容は聞く所に依りと本宅の若奥様の

悪口がびっしりと書き連ねて有ったそうです。その日記を若奥様はどの様にして

眼を通されたのか?何の気なしに・・・旦那様が見せたのか?

或いは旦那様が読んで、掻い摘んで若奥様に話されたのかは分かりませんが・・・

今、和子は子供を持つ母と成り、当時は未だ々娘だから理解は出来ませんでしたが・・・どうして若奥様の耳に入ったのか?

大概は若奥様に見せないで・・・伏せて上げる物だけど・・・

 

其れを知った奥様の心境は如何だったでしょうね?

縁有って山中家の「五代目・山中正吉」の奥様の座に就きキツイ姑さんに

大勢の子姑さんの所にお嫁に来て常日頃・親奥様の顔色を眺めながら・・・

生活し・・・偶にお店から帰って来る旦那様に愚痴話をすれば・・・

「もう老い先短いから我慢して遣って呉れ・・・」と言って微塵も見方をして

呉れない。 偶に台所で夕飯の支度をしながら「私も6畳1間のアパートでも良いから

伸び々とした生活がして見たい」と和子に何度か零された事も???

未だ々未熟な和子でも夫婦2人で居る時は旦那様も若奥様の味方を・・

せめて2人で居る時位慰めて上げれば良いのに・・・

 

 【お迎えは どこから来るのと 孫が聞く(シルバー川柳)】

 

賽銭ドロボウ・・・

親奥様の丹精込めた菊は大輪の花が咲いて見事です。その菊を玄関から

門の間に両脇に三列・・・段飾りにして飾られます。

有る時正英ちゃん(2歳)をおんぶしてその見事な菊を眺めて居ると一人の男性が「見事ですね?見せて貰っても良いですか?」と???

和子は又「余計な事をして~?」って怒られるのは嫌だから・・・

「一寸待ってね?」と断って親奥様を呼びに・・・親奥様は・・・

「花を愛する人には悪人は居ない」と言って立派な菊を案内したり・・・

裏の庭まで案内して結構、長い時間色々と話し小菊を切って手土産に・・・

 

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夕食の後で親奥様と若奥様と中のお手伝いのオバサンも居たかな?

数人で渋柿の皮を剝いて吊るし柿に・・・

その時電話のベルが鳴って電話に出ると大久保派出所のお巡りさんから・・・で

先ほどの菊の見物に見えた男性は本宅の右奥に有る、綿向き神社のお賽銭を

ドロボウし路地の角に有る酒屋さんでお酒を飲んで小銭ばかリ出すから

お店の方が不振に思い交番に連絡したとか?

先ほど親奥様から頂いた小菊を持ってたから電話が掛かって来たとか?

親奥様を呼んで来て良かった~~~~

 

【これ大事 あれも大事と ゴミの部屋(シルバー川柳)】

 

植木職人の中に・・・

山中様のお宅は立派な豪邸だけにお庭も数ヶ所あって年に2回ばかり

植木職人さんが入ってお庭の手入れをされます。

この職人さんは若奥様のご実家の近所で長浜から数名の方が・・・

何時も10時と3時にはお茶とお菓子を用意しておもてなしをします。

 

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その職人さんの中に若い27~8歳の男性が農閑期の間とかでバイトに

来て居ました。

和子も社会人一年生じゃ無いので其れなりにお話しをして冗談を言い

楽しい一時を過ごしました。彼も高齢者のオジサンばかりの中できっと

楽しい休憩だったと思います。

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和子・・・若くして植木職人さんに成るって偉いね?

彼・・・ 僕は植木職人では無く、只のバイトです。本職は百姓だから・・・

和子・・・そうなんだ~でも~田んぼの合間にバイトに来るって凄いね?

     ご両親と奥様とで沢山の田んぼの仕事をして居るんだ~偉い~(笑)

彼・・・ 僕は未だ独身です。今時百姓家にはお嫁さんに

                  来て呉れる人何か居なくって???

和子・・・ま~其れは失礼しました。でも~素敵な男性だから・・・素敵な

     彼女が直ぐに見つかるよ~~~(笑)何だったら

                  私~貰って呉れ る~(笑)                    冗談・冗談・・・((^▽^笑) )

彼・・・ エッ?貴女は彼氏は居ないの?マジで・・・

和子・・・ヾ(@゜▽゜@)ノ あはは~ ~マジ 冗談・冗談・・・

と言ってお茶を片付けてその場を去り・彼もお仕事に・・・

そんな他愛もない冗談を言ったら彼は本気に成って・・・

「付き合って欲しい」とせがまれ・・・植木の選定から大掃除全部終わって

職人さん達は「又次回に・・・」と引き上げて行かれました。

でも~彼は・・・有る朝、5時頃に電話を掛けて来て・・・偶々若奥様が

出られたんだけど・・・何のお咎めも無く電話を引き継いで下さり・・

出ると・・・「和歌山にお仕事に行ってミカンを買って来たから届けに行くね」

と言って再度「OO迄来たから取りに来て~」と・・・

親奥様の怖いのも一風変わったお宅だと言う事も和子より山中家での

お付き合いは長いから良くご存じで・・・届けて下さいました。

和子はチョッピリ恋に目覚めたかな?((^▽^笑) )

 

【まだ生きる つもりで並ぶ 宝くじ(シルバー川柳)

 

和さんの実家に柿を送ったよ~

山中さんのお宅には本家の前、道路を隔てて向かい側にも親奥様の

旦那様のお兄さんのお宅が有って今や亡き空き家状態で、畑専門の

オジサンは、この空き家で寝泊まりをして居ます。

この屋敷の奥の畑には富有柿の木が何本も有って、

食べ切れない程柿が取れて、いじこに(参考・写真)数杯と取れます。

 

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一般のお宅ならお隣り近所にお配りするでしょうけど・・・立派なお屋敷で

ご近所に配る事も???勿論、親奥様の子供さんや連れ合いのご実家などは

お届けすると思いますが・・・其れでも食べきれないです。

そんな時に若奥様から「和さんの実家にも柿を送って置いたよ~~~」って

言われ「有難うございます」とお礼を・・・

でも~和子の実家に送って下さったのは若奥様のご配慮で、勿論親奥様は

ご存じ無いです。そのまま、事が過ぎちゃえば良いけど・・・

当然、和子の実家からお礼のハガキが届き、運悪く親奥様が郵便受けから取り込み

和子の実家からの柿のお礼状を見て激怒・・・

若奥様に「何でその様なお宅に送ったんだ~~~?」と・・・

又々嫁・姑の絆は大きな亀裂が益々大きくなって???

 

何時も何をするにも親奥様のご機嫌を伺いながら・・・の日々でした。

何時か若奥様は「6畳一間のアパートでも良いから・・・伸び々と

生活がしたい」と・・・涙を零された事も・・・

 

 【なれそめを 初めてきいた 通夜の晩】

アレッ?此れはな~に?

朝食を済ませて仏間から順にハタキを掛けて箒で履いて廊下は拭き掃除・・・

50年昔は掃除機も無いし・・・洗濯機は脱水機は無くローラーを

ハンドルで廻して絞る。立派な豪邸にも掃除機は有りませんでしたね?

ある朝、若夫婦のお部屋の布団を上げて掃除をしようと思ったら???

異様な物体が落ちて居ました。

未だ娘で見た事も無い物体・大体想像は付きますが・・・和子はティッシュ

包んでトイレに捨てました。

 

何日か経って若奥様に・・・若夫婦のお部屋を掃除し偶々お部屋に居た若奥様に

「この間、飛んでも無い物を拾っちゃった~」って何気なく言うと・・・

若奥様は異様な物体を失った事で物凄く(親奥様に見つかったら~~~?)って

ず~~~と心配されて居た様で・・・和子の言葉に内心ホッとして・・・思わず

若奥様・・・「あ~良かった~親奥様に拾われ無くって・・・ホット」

和子・・・・「何を拾ったか分かるの?」

若奥様・・・「うん、分る~それで何処に捨てたの?」

和子・・・・「トイレに捨てたよ~」

若奥様・・・「やっぱり~あれはトイレに捨てちゃ不味いのよ~」

和子・・・・「え~どうして?じゃ~何処に捨てるの?」

和子はその時、若奥様から「トイレに捨てると物体は溶けないから・・・当時は

畑に人糞を撒くから、その物体は畑で見つかっちゃう~此処の畑仕事専門の

オジサンは、チト知的障害者だから・・・その物体を拾って伸ばして遊んじゃうから

ダメ」と聞き・・・

和子・・・・「じゃ~今までどうして居たの?」

若奥様・・・「仕舞って置いて外出をした時に公衆トイレに捨てる」とか???

現在は良いですね?ゴミ屋さんが全部持って行って呉れるから・・・(笑)

 

【少ないが 満額払う 散髪代(シルバー川柳)

 

菊作りが大好き・・・

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親奥様は菊作りが大好きで春に成ると魚屋さんから木枠の岡持ちを

頂いて何枚も苗床を・・・「黒土・肥料・鹿沼土」とで作って菊の挿し木を・・・

朝は5時頃に起きて裏の畑に行ってオジサンを起こして頑張って居ます。

偶にはオジサンを大声で怒鳴って文句を言いながら・・・

週に2~3回習い事に午後から出掛けられますが、出掛けられるとホッとします。

和子は朝の5時に起きて台所・居間と空き部屋のお掃除をしてご飯と

味噌汁を炊いてお茶を入れて、子供たちを学校に送り出し・・・若奥様とオジサンと

子供たちと朝食を済ませます。親奥様は早朝から起きて元気に畑で頑張って来

毎朝・9時頃までお休みして起きて来ません。当時朝の8.15分から

連続テレ部小説「おはなはん」が放映されて居ました。和子は箒を持って

掃除をしながら「おはなはん」をチョロチョロ・・・と見て居ると旦那さまや

若奥様は一緒に見て、何もおっしゃいませんが、親奥様が起きて来ると爆弾が~(笑)

 

【カード増え 暗証番号 裏に書き(シルバー川柳)