京都よりみちこみち 上賀茂神社〜半木の道・・・

  

【特別篇】

京都の町を北から南へと流れる鴨川は、下鴨神社より上流を「賀茂川」と

呼びます。なかでも、上賀茂神社のある御薗橋から下鴨神社近くの

葵橋までは、春になると桜の街道という言葉がぴったり。川のせせらぎに

耳を傾けながら春の水辺を歩きましょう。

    

京都府立植物園西の約800m、70本もの紅枝垂桜の並木が続く

「半木の道」は、京都で暮らす人々に愛されるお花見スポットです。

「半木(なからぎ)」という名は、その昔、洪水で流された神社の流木で、

新たにお社を建て祀ったことが由来だそう。そして、今もそのお社は

植物園の森に静かにたたずんでいるのだとか。

   

休日には、盛りを迎えた桜の下でピクニックをする人の姿があちらこちらに

見られ、水遊びをする子供たちは賀茂川の飛び石をつたって、向い岸に

行ったり、戻ったり。向い岸にはソメイヨシノが多く、その盛りが過ぎた頃、

半木の道の枝垂桜が咲き始めるので、花の時期が長いのも人気の秘密です。

   

公立総合植物園としては日本最古の1924(大正13)年に開園した

京都府立植物園」。春になると、約180品種500本の桜が、3月中旬の

寒桜から4月下旬の菊桜まで途切れることなく花を咲かせます。

桜林ではソメイヨシノが枝いっぱいに花を付け春爛漫の装いです。

   

        

童話の世界から抜け出したようなオブジェは「きのこ文庫」。

中の自然科学に関する本や昔話は自由に読むことができます。

近くのテーブルで青空読書会をしてみましょう。

   

「半木神社」は、花木が実を結ぶ植物園内の神社であることから、試験の

合格や恋愛成就のご利益があるのだとか。

   

教会のように瀟洒なたたずまいの建物は、お濃茶ラングドシャ

ホワイトチョコをはさんだ「茶の菓」で知られるマールブランシュの本店。

北山本店限定のスイーツや焼き菓子はぜひチェックしておきたいところです。

   

サロンでは、作りたてをその場でいただける贅沢なスイーツが楽しめます。

 アラスカのオーロラをイメージした「燃える氷山 ベイクドアラスカ」は、

ひんやりマロンアイスをスポンジとメレンゲで包んだケーキをキルシュで

フランベ。オーロラをイメージした青い炎が消えたら、

甘酸っぱいカシスソースをかけてさっぱりといただきましょう。

季節によりアイスやソースは異なります。

   

       

「京の雫の贅沢ナポレオン」のコンセプトは、「最高に美味しい苺のケーキ」。

パイ生地で京都産の完熟イチゴ「京の雫」とカスタード&バタークリームを

サンドしています。 他にもマロンクリームをスタッフが目の前で絞って

くれるモンブランなど、特別感のある本店限定の味を堪能してくださいね。

   

賀茂川から歩いて1分、住宅地の古い町家が上原連さん・梨恵さん夫妻の

陶器工房「酒器 今宵堂」。趣味が晩酌という二人の店には、

器好きというより、飲むことが好きな人が楽しく飲める酒器を求めて訪れます。

工房には、ゆらゆら揺れたり、ハート型の穴が開いたお猪口など謎めいた

酒器がずらりと並び、使い方を教わるうちに、すっかりその面白みに

はまる人が続出しているとか。

   

     

地下鉄北大路駅からすぐの場所にある「花梓侘」。壁にかけられた額には、

和情緒あふれるレトロなアートが。店内には、アンティークな木作りの

テーブルと椅子が並び、奥にはおひとり様専用席もあります。 作家ものや、

古伊万里、アンティークの器を販売しており、現在のライフスタイルに

合わせた器の使い方も提案してくれますよ。

   

いろとりどりの魚介に、ちょこんとトッピングがのったつまみ寿しは、

店主の柏井順子さんが子供の頃に、母親が作ってくれたお寿司がヒントに

なり生まれたそう。酢飯は赤酢を使ったあっさりめの味。ヅケにしたマグロ、

ポン酢のジュレがのった海老など、ひとつひとつが味付けされており、

何も付けずに食べられます。お寿しの蓋を開けるときに歓声があがる

ことも。 テイクアウトは、前日までの予約がベターです。

   

        

「グリルはせがわ」は創業60余年の洋食店。「おいしくてきれいなもの」を

追究して試行錯誤を重ねた名物ハンバーグは、淡路島の玉ねぎを

一晩寝かせて苦みを抜き、ミンチは和牛を使い、オーダーが入ってから

フライパンで焼き上げるというこだわりのメニューです。

   

       

   

賀茂川までは徒歩でたったの100歩の距離にある「WIFE&HUSBAND

(ワイフアンドハズバンド)」。ピクニックセットのレンタルを行っており、

思い立ったらいつでも気軽にピクニックが楽しめます。テーブル、

イスなども借りられます。

   

        

アンティークのインテリアで埋め尽くされる店内でゆっくりするのもおすすめ。

自慢のオリジナルコーヒーは、深煎りながら透明感があり、

すっきりした味わい。マグカップの量でも最後までおいしく飲めますよ。

   

もっとよりみちしたい方は、半木の道をさらに南へ進み、北大路橋から

徒歩で約30分の下鴨神社や鴨川デルタまで足をのばしてみましょう。

桜に誘われるように岸辺を歩けば足取りも軽く、あっという間に着きます。

賀茂川は鴨川デルタで高野川と合流し、「鴨川」へと名を変え流れていきます。

桜のトンネルを歩いたり、川越しに見事な桜並木を眺めてみたり、

春の1日をのんびり過ごしてみませんか。

   

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【手をつなぐ 孫の手の位置 高くなり(シルバー川柳)】