【京都】知られざる名所“深緑の比叡山麓”で!?

  

  青もみじをめで、「天一」総本店もある  

           ラーメン街道へ!〈青もみじ散歩・洛北編〉


京都「青もみじ」散歩は静かで落ち着いた雰囲気が漂う洛北エリアへ。

一乗寺&修学院界隈の名庭と、知る人ぞ知る古社の青もみじを

満喫した後には、京都随一のラーメン激戦区「一乗寺ラーメン街道」へ。

自宅飲みにもうれしい老舗の京みやげも・・・

芭蕉・蕪村ゆかりの寺院で青もみじ

 ゴールデンウィークが終わりました。前回、東山の青もみじについて

お届けしましたが今回、東山をさらに北上した洛北エリアに参りましょう。

京都駅前から市バス5系統で50分弱、「一乗寺下り松町」停留所から

歩き始めます。曼殊院通の坂を東へ上がっていくと、1本の松の木と、

その歴史を物語る立て看板が目に留まります。

こちらは、一風変わった停留所名の由来でもある「一乗寺下り松」。

比叡山を隔てて隣接する近江国と京の都を結ぶ交通の要衝であったことから、

古来旅人の目印として植え継がれ現在5代目。初代は、

剣豪・宮本武蔵が吉岡一門数十人と戦ったころにさかのぼるそうで、

古株が坂の上にある八大神社にまつられています。

   

一乗寺下り松で右に折れ、閑静な住宅街を進んでいくと、金福寺に到着します。

第3代天台座主慈覚大師円仁の遺志で安恵僧都が創建、江戸時代の

元禄年間に鉄舟和尚により再興され、現在は臨済宗南禅寺派の寺院です。

鉄舟和尚が親交のあった松尾芭蕉をもてなした芭蕉

(荒廃後、芭蕉を慕った与謝蕪村が再興)や与謝蕪村の遺愛品が伝わり、

俳諧の聖地」として親しまれています。山門をくぐった先にある

拝観受付が無人のときは、木づちで板をコンコンとたたいて来訪を知らせます。

俳諧の聖地らしい風流な仕掛けです。

白砂の枯山水庭園には、斜面を生かして植栽されたサツキや青もみじが

彩りを添えています。かやぶき屋根の芭蕉庵の裏側から小窓越しに

青もみじを眺めるのも風情があります。もう少し山手へ上がっていくと、

蕪村の墓の手前にちょっとした展望所があり、火伏の神をまつる

愛宕山を中心とした西側の山並みが一望できます。

金福寺は、村山たかが尼となって入り、余生を過ごした地でもあります。

「たか」と言われてもピンとこないかもしれませんが、淡島千景が演じた

NHK大河ドラマ(当時は「大型時代劇」)第1作『花の生涯』のヒロイン。

三味線の師匠にして妖艶な美貌の持ち主だったと伝わります。

彦根藩の第15代藩主で、江戸幕府大老にも就いた井伊直弼の生涯を

描いた作品でした。 たかが建てた弁天堂に手を合わせてから、靴を脱いで

堂内にある直筆の遺品や、巳年生まれのたかがまつった「福巳塔」など

展示品を見学。庭を眺めながら一句詠んでみるのも一興でしょう。

   

洛北の青もみじを楽しみ尽くす

   

ここからは付近の社寺の青もみじを順に訪ね歩きましょう。金福寺から

北へ歩いて6分の詩仙堂へ。叡山電車一乗寺」駅から歩くと15分ほど。

武将として徳川家康に仕え、関ケ原の戦や大坂夏の陣に参戦した石川丈山が、

第二の人生を文人として歩むために開いた山荘跡です。

英国王チャールズ3世が、皇太子時代にダイアナ妃(当時)と共に

訪れたこともあるとか。白砂を囲むサツキの丸い刈り込みの背後に

青もみじが寄り添う、風趣に富んだ庭園を室内から眺めた後は、

備え付けのサンダルを履いて庭園を回遊してみましょう。

詩仙堂から北へ4分、徳川家康が開いた学問所が起こりの圓光寺へ。

砂紋を描く石庭に切り立った巨石がそびえる平成の庭園「奔龍庭」をへて

奥の庭園へ。10の石を牛に見立て、人が悟りを開くまでの道のりを表した

「十牛之庭」の青もみじは、言葉に尽くせない美しさ。書院の奥に座って

眺めていると、悟りの境地に少しだけ近づけそう。庭には、竹林や洛北で

最も古いとされる栖龍池(せいりゅうち)も。池にそそぐ小さなせせらぎの

音や鳥のさえずりを聴きながら、変化に富む眺めを楽しみましょう。

   

圓光寺から北へ十数分。天台五門跡の一つで紅葉の名所でもある

曼殊院(まんしゅいん)門跡へ向かう参道を歩きます。そのままこちらで

青もみじを楽しんでもいいのですが、参道から途中で小道にそれて、

小さな森の中を通り抜けて鷺森神社へ。木漏れ日の差す森の中から

見えてくるお社が何とも神秘的で、おすすめしたい散歩道です。

 鷺森神社は平安中期の創建と伝わり、現在の地には元禄2(1689)年に遷座

神様のお使いとされてきた鷺の群れが住みついたことが名の由来といわれ、

比叡山の西麓一帯の産土(うぶすな)神として親しまれてきました。

社名にちなんだ白鷺が羽ばたく姿を描いた麗しい絵馬にも注目です。

青もみじは表参道の両脇に連なりますので、お参りをした帰りに通るといいでしょう。

   

一乗寺ラーメン街道をゆく

   

 一乗寺界隈で食べるなら、やはりラーメンでしょう。東大路通北大路通

交差点から北側は、30軒を超える店がしのぎを削るラーメン激戦区で、

東大路通の一帯は、「一乗寺ラーメン街道」と称されることも。白川通には、

“こってり”の代名詞ともいえる「天一(てんいち)」こと天下一品の総本店も

あります。 天一に限らず濃厚系が多い印象です。他にも、

濃厚鶏白湯(ぱいたん)スープの「麺屋極鶏」、豚骨と鶏ガラの白濁スープの

「中華そば 高安」や、甘辛とろ肉まぜそばで名高い超濃厚豚骨ラーメン店

「驚麺屋」なども人気です。鶏と豚の純濃厚スープの店

「亜喜英(あきひで)」のように、開店30分前に事前承認を受けたXで

お知らせが来るというかなりレアキャラなお店もあります。

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【年重ね もう食べられぬ 豆の数(シルバー川柳)】