新緑に輝く神楽岡から京大キャンパスへ♪
隠れ家カフェや庭園美術館も
桜の花びらが舞い散ると、次にやってくるのが青もみじの季節。銀閣寺近くの
吉田山は一帯が吉田神社の境内で、神々が集う「神楽岡」として地元で
親しまれています。目にも鮮やかな新緑と、若葉の香りをのせた穏やかな
風が心地よい初夏の吉田山をめぐってみませんか。
「吉田山」へは、京都駅からバスで約40分の銀閣寺道で下車、
神楽岡通を南へ10分足らず歩くと、右に見えてくる緩やかな石段が
吉田山への上り口です。山とはいうものの、標高は100mほどの丘。
おさんぽ気分で気軽に散策できます。
しばらく石段を上ると、タイムスリップしたかのような古い住宅地が現れます。
大正から昭和にかけて建てられ、当時は主に京都大学の教官が住む
賃貸住宅でした。家はよく手入れされており、なかには国の文化財に
登録されているものもあるそう。今もここで暮らしている方がいるので、
静かに散策しましょう。
耳をすますと、木々のざわめきや鳥のさえずりが聞こえてきます。
麓の通りから10分ほどで、別世界のような地に来れるのが
吉田山の魅力ですね。 さらに、上へ上へと進むと、やがて住宅もなくなり
森の小径へと続きます。
住宅地が途切れ、森をしばらく歩くと、木立の間から立派な木造建築が
見えてきます。 実は、先ほど通ってきた古い住宅地「吉田神楽岡旧谷川住宅群」を
開発した大正時代の実業家・谷川茂次郎が、お茶会の際に使う建物の
ひとつとして建てたのが「茂庵」なのです。
都会で暮らしながら、自然の息づかいを楽しむ「市中の山居」という
言葉がありますが、茂庵で体感できるのは、まさにそんな感覚。町から
10分あまりで来ることのできる静かな空間、森の緑、窓から見渡せる
京都市内のパノラマ風景、そしておいしいスイーツ。
茂庵から吉田神社の本宮へ向かう道筋はいくつがありますが、
少し回り道をして「竹中稲荷社」へ向かいましょう。 この辺りは吉田神社の
境内で、神楽岡という名の通り、数々のお宮が並びます。竹中稲荷社は
そのひとつ、商売繁盛の神様を祀ります。緑鮮やかな参道には、朱色の鳥居が
ずらり。江戸時代には昼夜を問わず賑わい、雨の日でも傘が要らないほど
鳥居が立ち並んでいたとか。
すぐ横には日本全国の神々を祀る「大元宮」、山を下っていくと料理の神様
「山蔭神社」、お菓子の神様「菓祖神社」が点在しています。 やがて、
背の高い杉の木と鳥居が見えてきたら、そこが吉田神社の本宮です。
神社の歴史は古く、平安京の守護神として創建されました。今では、
約800もの露店が並ぶ2月の節分祭で賑わいますが、落ち着いた初夏の
境内も魅力があります。
吉田神社の一の鳥居から徒歩で2~3分のところに、庭園好きなら見逃せない
スポットがあります。東福寺の本坊庭園をはじめ、日本庭園に斬新な作風を
取り入れた重森三玲の旧宅「重森三玲庭園美術館」です。 作庭家が自身の
自宅に作った庭というだけでも興味深いのですが、館長の重森三明さんによる
様々なエピソードを交えた説明も聞きどころが多数。
質問にも分かりやすく答えてくださいます。 書院と庭園、茶室が
公開されており、訪れる時期によって見学できる範囲などが異なるので
事前にホームページなどで確認してくださいね。
京都大学の正門を入ってすぐにそびえるのはクスノキ。春になると、
一斉に葉を落とすと同時に若葉が芽吹き、ライトグリーンが時計台の
クラシカルな建築に映えます。 大正時代に誕生した時計台は建物内にも
入ることができ、フレンチレストランや、京大グッズが販売されている
ショップも利用できます。さらに散策マップも準備されているので、
それを参考にめぐれば、京大の「自由の学風」を肌で感じとれるかも
しれませんね。 キャンパス内は一般に公開されている施設のみが
見学可能です。事前に、散策マップやホームページから確認しておくと
スムーズに見学できます。
神楽岡通から新緑の吉田山を経て京都大学へのコースは、歩くだけなら
約1時間のプチトリップ。カフェでひと休みしたり、庭園美術館で
館長さんの話をじっくり聞いたり、京大のキャンパスをめぐったりと、
アレンジをすれば1dayコースにもなります。 青もみじのきれいな初夏に、
ぜひ吉田山の自然を満喫してくださいね。
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