春に咲くふんわりピンクの花
草丈の異なる3タイプ
甘くてやさしい印象のピンクの花は、春の庭やベランダを明るく彩ります。
ピンクと一口にいっても明るさや鮮やかさの違いによって
バリエーション豊か! 選ぶのに迷ってしまうほどです。そこで組み合わせの
参考に、草丈の異なる3タイプごと見ていきましょう。
🧿 ピンクの花はニュアンスと草丈に注目!
ピンクの花は、花色の明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)によって印象が
変わります。同じピンクでも、白が多く混じったピンクは明るく、
黒が混じったピンクは暗くなります。庭やベランダを明るい雰囲気に
したいのか、落ち着いた印象にしたいかによって、どんなピンクの花が
ふさわしいか見てみましょう。
また、彩度とは色の混じりけのなさを示します。混じりけのないピュアな
ピンクは鮮やかで派手、グレーが混じる彩度の低いピンクは地味な印象です。
最近人気のニュアンスカラーは彩度の低い花色。
このようなニュアンスの違いを意識すると、花色選びも奥深いものです。
そして、植栽の基本として草丈の違いも大切な要素です。高低差のある花々を
組みあわせることで、庭もベランダも単調にならずに立体的な花飾りが
できます。腰くらいの草丈(40~70㎝)、膝くらいの草丈(20~40㎝)、
足首くらいの草丈(5~20㎝)に分けてみました。
🧿 草丈別、春におすすめのピンクの花9選
<花壇の後方でも目をひく:腰くらいの草丈40~70㎝>
平安時代より古くに、中国から薬草として渡来。日本で華やかな園芸品種が
たくさん誕生しました。大きくてゴージャスな花を支える茎はかたくて
しっかりしているため、切り花でも人気です。冬は茎葉が枯れますが、
植えっぱなしで毎年咲いてくれる丈夫な多年草です。
乾燥している地中海沿岸地方から西アジアが原産地。高温多湿が苦手な
一年草ですが、水はけのよい日当たりならば手間なく育ちます。
風に揺れるさまがナチュラルな雰囲気。倒れても咲き続ける強さがあるので、
支柱を添えるより株全体をふんわり囲うのがおすすめです。
🪷 長い花穂に甘い香りが魅力【ストック】
寒さに強くて年末から咲き続けますが、春には花数がふえて甘い香りも
魅力です。野の花のようなナチュラルな一重咲きと、ゴージャスで
ボリュームのある八重咲きがあります。縦に伸びる花穂は庭やベランダで
アクセントになる存在。赤紫から淡いピンクまでグラデーションも楽しめます。
🪷 薄紙細工のような繊細な印象【アイスランドポピー】
<主役になって視線を集める:膝くらいの草丈20~40㎝>
シベリアヒナゲシとも呼ばれる寒冷地原産の多年草。日なたを好みますが、
日本の高温多湿を苦手にするので、一年草として扱います。ピンクのほかに
オレンジ色や黄色、白など、豊富な花色を取り混ぜて咲かせても
かわいらしい。丸く大きな蕾を持ち上げて咲く姿も魅力です。
🪷 ニュアンスカラーも魅力的【チューリップ】
みんな大好きで春の主役になるチューリップ! 赤や黄色も人気がありますが、
甘いピンクにも注目してみましょう。白とのバイカラーやニュアンスのある
サーモンピンクなど、‟大人のチューリップ”も楽しめます。
蕾が上がる時期に水切れさせないように気をつけて。
🪷 ふんわり咲いて春らしさ満喫【モモイロタンポポ(クレピス)】
タンポポそっくりの花がふんわりと次々に咲きますが、タンポポとは
別属の植物。暑さ寒さに弱いため、秋にタネをまく一年草として扱われ、
春に苗が流通します。花後にタンポポと同じような綿毛のついたタネが
できるので、それをまくと10月ごろまで繰り返し花が楽しめます。
🪷 こんもりした草姿で長く咲く【ダイアンサス(ナデシコ)】
<花壇や寄せ植えの手前を華やかに:足首くらいの草丈5~20㎝>
ダイアンサス属には、カーネーションをはじめカワラナデシコなど多くの
仲間があります。そのなかで草丈低くこんもりした草姿のものを、おもに
ダイアンサスと呼びます。コンパクトな草姿は扱いやすく、春から夏まで、
あるいは四季咲き性で長く花が楽しめるのが特徴です。
🪷 花咲くカーペットの決定版【シバザクラ】
横に広がりながら咲くようすはまるで花のカーペット。
密生する常緑多年草なので、グラウンドカバーとして人気があります。
斜面の土が流れるのを防いだり、雑草よけにも重宝しますが、
芝生ほど踏圧に強くないので、人が歩かない場所で育てましょう。
高温多湿は苦手です。
🪷 愛らしい花を寄せ植えや花壇の縁取りに【デージー(ヒナギク)】
ヨーロッパや地中海沿岸を原産地にする一年草です。愛らしい花ですが、
寒さに強くて年末から5月まで楽しめます。チロリアンデージーや
ポンポネットなどと呼ばれる品種の総称で、白花のイングリッシュデージーは
グラウンドカバーにも。日当たりのよい場所で育てましょう。
甘く愛らしいピンクの花から個性的なピンクまでご紹介したなかに、
お気に入りはありましたか? ピンクの花には同系色の紫や赤系、あるいは
青や白の花を合わせることで、よりお互いが引き立ちます。草丈の異なる
タイプを組み合わせて、魅力的な春の植栽を楽しみましょう。
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