晩秋に植えると春遅くまで咲き続けるパンジー&ビオラ。この時期の
庭やベランダに欠かせない定番です。けれども、毎年長い間咲かせるうちに
飽きてしまったことがありませんか? 定番の花を今年はちょっと工夫して、
新鮮な楽しみ方を提案します。
▼晩春まで楽しむ草花▼
🧿 Point・1
パンジーとビオラは同じスミレの仲間です。多くの原種から品種改良に
よって誕生したパンジーとビオラは、花の大きさによって区別されます。
小輪パンジーという品種もあるので、ちょっと見分けにくいかもしれません。
性質的には、ビオラのほうが原種に近いサイズだからでしょうか、寒さに強く
冬も連続して咲き続ける傾向が強いです。花数も多く、日陰でもよく咲きます。
一方、パンジーは大きな花が遠くからでも目立つため、とくに海外では人気が
高いそうです。 こうした違いを知っていると、花の大小を組み合わせたり、
日陰の庭をビオラで冬中にぎやかに飾ったり、通りから眺められる窓辺を
パンジーで華やかに見せたりできます。
🧿 Point・2
パンジーとビオラは晩秋から晩春まで長く咲く花として人気がありますが、
豊富な花色のバリエーションも人気の理由のひとつです。これら園芸品種の
親になった原種ビオラ・トリコロルの和名は三色菫(サンシキスミレ)。
紫と白と黄色の花色から、今ではオレンジ色やピンク系、純白や黒に近い濃い
紫まで誕生しています。
🏵️ 印象的なブラックビオラ
🏵️ 爽やかなブルーパンジー
見慣れた花色を毎年育てている方は、今年こそちょっと変わった花色を
組み合わせたり、濃いワインレッドの花色に淡いピンクを添える、
同系色コーディネートはセンスよく目を引きます。
🏵️ オレンジ系の組み合わせ
🏵️ ワインレッドのビオラ
花色の組み合わせを楽しめるようになったら、つぎはコンテナとの
組み合わせも楽しみましょう。コンテナを同じ色でそろえると、花色は
結構バラバラでも散らかった感じになりません。逆に花色を黄色系などに
そろえると、コンテナのテイストは少々バラバラでも統一感があって
まとまって見えるものです。
🏵️ 白のコンテナで組み合わせ
🏵️ 黄色系の花で組み合わせ
🧿 Point・3
進化する園芸品種の花形、
可憐な原種にも触れてみよう
園芸品種は花色のバリエーションばかりではなく、花形でも進化を
遂げています。この数年、大人気を博しているのがフリンジパンジーです。
花びらの縁がフリフリとひるがえり、ドレスのような華やかさがあります。
‛ドラキュラ’や‛シャロン’、‘パルムディール’、‘フレンチカンカン’など、
ロマンティックな品種群。なかには八重咲きのパンジーもあります。
🏵️ フリンジパンジー
🏵️ 八重咲きパンジー
ビオラでいえば、上弁がウサギの耳のようなラビットビオラも人気です。
全体に細長くてシュッとしたスタイルがかわいらしく、群れ咲かせると
軽やかな雰囲気になります。見元園芸の‛うさぎビオラ’は、
花色のバリエーションも多彩で、「野うさぎミーモ」などのネーミングも
人気の理由です。
🏵️ ラビットビオラ
園芸品種が人気の一方で、近年注目されているのは原種の愛らしさ。
日本でニオイスミレと呼ばれるビオラ・オドラータや、パンダスミレとも
呼ばれる小輪のヘデラセアなど。横に広がってグラウンドカバーや
鉢縁から枝垂れさせたり、香りを楽しんだりできて、園芸品種とは
一味違う魅力があります。
🏵️ ビオラ・オドラータ
🏵️ ビオラ・ヘデラセア
Point・4
小さくてよく咲く花の魅力を生かす飾り方
パンジーとビオラは草丈が低く、春になるまでは株も小さいままです。
そこで、吊り鉢やベランダの手すりなどに掛けるコンテナで、目の高さに
近い場所に飾ることで、花の魅力がよく見えて楽しめます。
🏵️ 吊り鉢で
🏵️ ベランダの手すりに
花壇では、同じように花径の小さい一年草デイジーやワスレナグサや
スイートアリッサムなどと組み合わせるとかわいらしい雰囲気に。
ラナンキュラスやアネモネ、ヒアシンスやスイセンなどの球根植物を
組み合わせると高低差がついてアクセントになります。
自己主張の強い花ではないので、凝ったコンテナなどと組み合わせても
すてきです。しかも、ニオイスミレなどはハーブとしても親しまれている
ように、エディブルフラワーとしてスイーツやサラダにも利用できます。
このシーズンは、庭で咲かせたパンジーとビオラを存分に楽しんでみませんか。
🏵️ケーキを飾るビオラの花
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