「いただきます」の意味
コロナ禍のため、外で食事する際はひたすら黙って食べるようになったと
いう話を友人から聞きました。 ところで子どもの頃から教えられてきた、
食前の「いただきます!」という言葉は、日本独自のもの?
そもそも海外では「いただきます」は言うのかしら……。
何気なく言っている「いただきます」という言葉には、
主に2つの意味があります。
🍙 01)食事に携わってくれた人への感謝の意味
料理を作ってくれた人や、配膳してくれた人、食材を作ってくれた人など、
食事に携わったすべての人への感謝が込められています。
🍙 02)食材への感謝
肉や魚、野菜、果物などの食材には、命があるという考えから
「命を私の命にさせていただきます」という感謝を表しています。
これが一般的な意味だとされています。
ちなみに、「ごちそうさま(御馳走さま)」の「馳走」には、
食事を出してもてなすために奔走する様子という意味があります。
そして「御」をつけることで、贅沢な料理を意味するようになったのだそうです。
ちなみに、「いただきます」の語源は、神様が宿ると信じられていた山の
てっぺんを「いただき」と呼んでいたことに由来します。そこから、
「いただく」は頭上に捧げ持つ言葉として浸透しました。
さらに、目上の人から物をもらったときや、お供え物を食べるときに、
捧げ持っていたため、「食べる」「もらう」の謙譲語として「いただく」が
使われるようになりました。その後、食事前に「いただきます」と言うのが
習慣化しました。
「いただきます」の文化は海外にはない?
ところで、食事の前に「いただきます」と言う文化は日本だけの
ものなのでしょうか? 実は、食前の「いただきます」と同じニュアンスの
言葉は海外にはありません。日本独自の文化だったんですね。
とはいえ、海外では、意味は異なりますが、食事の前に声をかけることが
あります。一部を紹介します。
フランス:ボナペティ(召し上がれ)
韓国:チャルモクケッスムニダ(よく食べます)
英語圏:レッツイート(食べましょう)
イタリア:ブォンアッペティート(よいお食事を)
つまり、日本の「いただきます」のように、命や食材、作ってくれる人などに
感謝していただくという意味の言葉は使われていないのですね。
当たり前のように食事のたびに使っている言葉が、実は深い意味があり、
他国にはない日本ならではの美しい文化の一つだったなんて、
ちょっと誇らしいですね。
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