50代からの心と体が楽になる「精進ごはん」
若い頃はなんでもモリモリ食べられて元気だったのに、
最近なんだか食欲がない、食後に胃がもたれたり食べ疲れたりしてしまう……。
「曉美と五月_iori」のお二人がすすめるのは、そんな50代からの心と体に
ぴったりの「精進ごはん」な食生活です。
50代以上の3人に1人は「胃もたれ」に悩んでいる
一般的に、食べ物には消化しやすい、消化しにくいものがあります。
特に焼肉、揚げ物などの脂っこい食事は、ご飯などの炭水化物に比べると
消化に時間がかかりやすく、胃にかかる負担も大きくなるため、
胃もたれが起こりやすくなります。もう一つの原因がストレス。
心身のストレスが影響して胃腸の働きが悪くなることがあるのです。
さらに、年を重ねると胃の血流量や消化を促す胃粘液の分泌が減少し、
バランスが乱れやすくなります。こうした体の変化をきっかけに食生活を
見直すことは、50代からの女性が日々健やかに楽しく暮らすためにも、
欠かせないことなのです。
そこで今、改めて見直されているのが、日本に昔から伝わる、「精進料理」。
肉や魚を使わず、刺激の強い食材を避けるというヘルシーな料理が、
胃もたれ世代から、「精進料理だと食べ疲れしない」
「体が楽になった」など、喜ばれています。
今の自分の“ちょうどいい”を知る、精進料理との出合い
ある日の献立。青菜の胡麻和え。ゆでインゲン。おいなり風コロッケ
長岡式の酵素玄米。3種のきのこ汁。 お二人が精進料理と出合ったのは、
30年近く前のこと。たまたま近所に精進料理を教えている人がいて、
妹の五月さんが教室に通い始めたのがきっかけでした。
「当時は“肉や魚を食べない野菜中心の料理”というのがなんだか新鮮で。
同時に“命”という意味を考え始めた時期でもあり、興味が湧いたんです」と
五月さん。
しばらくして姉の曉美さんもすすめられて共感し、食卓に取り入れるように
なっていきます。「もともと関心はありました。でも食べ盛りの子どもも
いるし、野菜だけで栄養が足りるのかな、と最初は心配でした」と
当時を振り返ります。 ですが、精進料理を食べ続けるうちに、その良さを
実感し始めます。「食べても胃がもたれないので、食後の体がとっても
ラクなんです。風邪をひくことも減り、疲れにくい粘り強い体になって
いくのを感じました」と曉美さん。
五月さんは当時ダイエットしても痩せにくく悩んでいましたが、
精進料理を食べ始めると20kgくらい体重がするする落ちて驚いたそう。
「といっても満足感がないとか栄養が足りてないということではなくて。
体に本当に必要なものを必要な分だけいただく、そういう習慣が身に付いて
いった気がします」と言います。
昨年(2021年)、コロナ禍で運動不足だと感じた五月さんは筋トレを
始めました。「筋トレを続けていたら、精進料理の食生活でも、
この年齢でも、腹筋がつき始めたんです。自分でもびっくり(笑)。
肉や魚を食べなくても、豆腐や野菜からでもたんぱく質はとれるし、
筋肉になっていく。食事と体の関係を、改めて学び実感しています」
体だけでなく、心も整えるのが「精進ごはん」
普段は真面目で慎重派。でもふっとキュートな魅力とさりげない気遣いで
場を和ませる曉美さん。教室に通って精進料理を学びながら、家族の食卓に
アレンジしては生かす日々が続いていました。が、
2008年、リーマンショックの影響で私生活に転機が訪れます。
「あの時期は世の中が一気に大変な状況になってしまって。でも、
精進料理を続けていたおかげでしょうか。心もしなやかに強くなって
いたのかもしれません。どうしよう、とクヨクヨするより、今できることを
しよう!という思いの方が強かったですね」と五月さん。
「やれることをやるしかない!やってみよう!ってね」と
曉美さんが笑います。 そうして14年前からは、姉妹二人での
精進料理教室をスタート。主婦だった経験を生かして、家族みんなが満足して
食べやすい、手軽に作れて満足感もある普段着みたいな精進料理=
「精進ごはん」を提案していきます。これがだんだんと評判を呼び、
生徒が増え続け、縁あって料理本を出版。地元のテレビ番組に出演するなど、
どんどん活動の幅が広がっていきました。
行きつけのセレクトショップで知り合った友人のカメラマンから
声をかけられ、初めて制作した二人の料理本「おばあちゃんの精進ごはん」
「精進料理を学び、食べ続けて身に付いたのは、“健康で穏やかに
生きるために本当に必要なものと量を考える習慣”なのかもしれません。
肉や魚を食べないことは殺生をしないためでもありますが、同時に
肉や魚を食べなくても自分が心地よく健康でいられると納得できたことでも
ありましたから。身の丈を知ったということですね」と曉美さん。
好奇心旺盛でアクティブな五月さん。おしゃべりが盛り上がっていても、
教えるときのまなざしは真剣そのもの。 「精進料理を続けていない自分を
知らないので単純に比較はできませんが、70代になった今でも姉妹そろって
大病せず体調を崩すこともなく、好奇心旺盛にアグレッシブに
暮らせているのは事実です。それに私自身、一番良かったことは、以前と
比べて、人を疑ったり怒りを感じたり、そういうネガティブな感情が減ったこと。
生きるのがラクに楽しくなりました」と五月さんが穏やかな笑みを浮かべます。
毎日のことだから、楽しく、ラクに、心身にいいものを
そんなioriさんが教える精進料理は、肩肘張らない手軽さが魅力。
年代も地元も違うたくさんの生徒さんと、気軽におしゃべりしながら
学ぶスタイルが人気です。
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