観光特急しまかぜで伊勢志摩旅へ(前編)
今回は「伊勢志摩」エリアを堪能し尽くす1泊2日旅です。
初めてのひとり旅を振り返りながら、しまかぜへ
思えば初めてひとりきりで行った旅は「伊勢志摩」でした。その頃は
実家暮らしで、このままでは自立できないと焦り、行ってみたのが伊勢神宮。
かつて伊勢神宮には妹と旅行したことがあり、一度行った場所ならひとりで
旅ができるだろう、と考えた次第です。
まだ鉄道好きになる前のお話。なのでその頃の写真には、
鉄道は一枚も写っていません。
🚠 近鉄名古屋駅に停車中の観光特急「しまかぜ」
その後、伊勢神宮へは何度もひとりで訪れるようになりました。伊勢志摩は
海の幸もお肉も、いろいろと美味しいものが揃っているので大好きです。
そして名古屋から伊勢への足といえば、近畿日本鉄道、略して「近鉄」。
近鉄の車両は楽しいものが多く、鉄道好きになってからはいつもどれに
乗ろうか……と迷います。
🚠 しまかぜ車内にて。1列シートはひとり旅にオススメです
乗車したのは、2013年に登場し大人気の近鉄の観光特急「しまかぜ」。
大阪難波〜宇治山田間に1度乗りましたが、人気でチケットを取るのが
大変でした。実は今回、ひとり旅……ではなく、カメラマンの阿部了さんと
同行する旅となりました。まさに「旅は道連れ」ですね。阿部さんの素敵な
写真とともに、伊勢志摩の旅を紹介する記事が掲載されていますので、
ぜひ併せてご覧ください。
🚠 プレミアムシートは1列と2列の3列配置でゆとりある設計
しまかぜのプレミアムシートで特に人気なのが1・6号車の展望車。
特に週末などはチケットが入手しづらいと聞きます。前日・当日に空きが
出ることもあるので要チェックです。
本革を使用したふんわりと柔らかいシートは大変ゆったりとしていて、
なんと電動のリクライニング機能・エアクッションなども付いています。
もちろんコンセントもありますよ。
🚠 6枚のガラスを用いた多面体のフロントデザイン
前面が全部ガラスなので、景色もこの迫力。子供達がおおはしゃぎ
するのもわかります。もちろん私もテンションが上がりっぱなし。
1度、1番前に座ってみたいものです。
🚠 名古屋発のしまかぜ車内で販売されている松浦商店の「しまかぜ弁当」
こちらのしまかぜ弁当は、鰻のせご飯ほか3種類のご飯に、
名古屋の名物を中心とした豪華な幕の内風お弁当。購入したお弁当は
座席で食べることができますが、カフェ車両で食べることはできません。
そしてカフェ車両のメニューのほとんどは、カフェ車両内でしか
召し上がれませんのでご注意を。
🚠 カフェ車両で神都ビール(伊勢)と、ととかま(笹かまぼこ)を
カフェ車両は大人気! 特に宇治山田駅までは混んでいることが多いです。
今回も、しばらく並んでやっと座れた……と思ったら、混み合っていて
調理に30分程かかり、私の下車までに提供が間に合わないとのことで、
お料理を注文することができませんでした……。なのですぐ出てくる
地ビールとおつまみのみを注文。
確実にこちらで食事したい方は、乗車して間もなく、カフェ車両に
行くことをおすすめします。名古屋発の場合、カフェ車両の営業時間は
11時からです。
鳥羽駅でひとり途中下車。向かった先は、思い出の鳥羽水族館
🚠 開館63年、飼育種類数約1200種の鳥羽水族館
さて、おふたりは賢島(かしこじま)駅まで直行しましたが、私のみ
鳥羽駅で途中下車。鳥羽駅から徒歩10分ほどの鳥羽水族館にやってきました。
こちらは日本で唯一、ジュゴンがいる水族館として有名です。ジュゴンの
長期飼育世界記録も達成しています。他、世界初のスナメリの飼育下での
繁殖成功や日本初のラッコの赤ちゃん誕生、世界初のオウムガイ3世誕生
など、研究や飼育実績の多い水族館なのです。
🚠 顔やしぐさがかわいらしいジュゴン
鳥羽水族館は、妹と「小さい頃、2人で憧れた人魚姫の元になった
ジュゴンを見たい!」と、初めて伊勢志摩旅行した際に来た思い出の
場所。実際に見たジュゴンは、人魚姫とはだいぶイメージが違っていました。
ジュゴンは今では輸入が難しいそうなので、この1頭はとても貴重な
存在です。ちなみにどの水族館にでもいるイメージのラッコも、
現在日本で10頭しかいないとのこと。そのうち2頭が鳥羽にいます。
なんとか繁殖に成功してほしいですね。
🚠 トドのダイビングフロート、ソーダ水の上にソフトクリーム
この日は大変暑い日だったので、館内のレストラン・ベイサイドでちょっと
休憩。ソーダ水の色、先ほどのジュゴンの水槽の色にそっくり⁉ しかし
ソフトクリームにさしてあるクッキーは、ジュゴンでなく、トドの足を
表しているようです。
🚠 鳥羽足湯処「とまり湯」
水族館を堪能した後は、再び鳥羽駅へ。駅近くの佐田浜東公園の海側には、
無料で入れる足湯があります。こちらのお湯は鳥羽本浦温泉のアルカリ性
単純温泉。ちゃんとした温泉なのです。
私はいつも、すぐ横にある農水産物直売所鳥羽マルシェで、
大内山コーヒー牛乳やヨーグルトを買います。それを飲みつつ、
海を見ながらのんびりと足湯に浸かるのが好きです。
鳥羽駅から、賢島駅に移動。志摩観光ホテルへ
🚠 賢島駅に並ぶ観光特急「しまかぜ」。シンメトリーが美しい
駅には2編成のしまかぜが。しまかぜは、賢島からそれぞれ、近鉄名古屋、
ちなみに近鉄は、JRを除く日本の鉄道事業者の中では路線が最長。
私もいまだに全部乗りつぶせていません。
🚠 「ザ ベイスイート」の屋上庭園から見た「ザ クラシック」(左)と
「ザ クラブ」(右)
この日、お世話になる志摩観光ホテルは、「ザ クラシック」
「ザ ベイスイート」「ザ クラブ」という趣の異なる3つの館で構成されて
います。宿泊したのは「ザ クラシック」。木を基調とした文化の香り漂う
雰囲気が特徴です。ちなみにレストラン※や館内施設は、どちらに宿泊しても
利用できます。
※ザ ベイスイートのレストランのご利用は小学生以上
🚠 実際に各国首脳の会食に使われたサミットテーブル
賢島といえば、2016年に行われた「G7伊勢志摩サミット」を
思い出される方も多いのではないでしょうか。そのメイン会場となったのが
「志摩観光ホテル」です。レストラン「ラ・メール ザ クラシック」では、
予約すればこのサミットテーブルで伊勢志摩サミット記念ディナー・
ランチなどをいただくことができます。 ディナーの前に、ホテル敷地内の
階段を降りてすぐの桟橋から、英虞(あご)湾のサンセットクルーズに
向かいます。伊勢志摩といえばリアス海岸で有名。その海岸線や島々を
眺めながら、賢島の周りを一周するクルーズです。
こちらは有料のホテルアクティビティ。完全予約制のチャータークルーズで、
季節などによって、表情を変える美しい英虞湾が楽しめます。
🚠 サンセットクルーズへ。
ホテル敷地内の階段を降りてすぐの船着場から出発します
🚠 船から見た賢島橋
陸続きに思えますが、この橋を見ると、賢島って本当に島なんだと
わかります。本州と賢島との間の距離はわずか10メートル未満。
列車に乗っているとあっという間に通り過ぎてしまいます。
🚠 今日のルートと賢島
地図でみると更によくわかります。この部分が賢島橋です。
🚠 英虞湾からみる夕日
少し曇り気味だったので、オレンジ色に染まる英虞湾は
見られませんでしたが、それでも穏やかな海面に映る陽は大変美しかったです。
『陽が傾き、潮が満ちはじめると、志摩半島の英虞湾に華麗な黄昏が訪れる』
これは作家の山崎豊子さんの小説、「華麗なる一族」の冒頭文です。
🚠 山崎豊子さんお気に入りの場所
山崎豊子さんはこちらのホテルを大変愛していらしたそうで、
何度となく訪れたとか。先ほどのサミットテーブルがあったレストラン
「ラ・メール ザ クラシック」の一角。こちらの席がお気に入りで、
よくお食事をされていたそうです。
このお席に座り、数々の名作のアイデアを考えていらしたのでしょうか。
🚠 いよいよお待ちかねの豪華な夕食
夕食の「麗」コースはアミューズ ブーシュ「蛸のガルシア風」から
始まりました。「伊勢海老サラダ仕立て」(写真左)は、
コンソメジュレなどが添えられた爽やかな味。緑色のあっさりした
味のソースは枝豆だそう。「伊勢海老クリームスープ」(写真右)は
ホテルの名物。濃厚な伊勢海老のスープは、一口目から大好き!
と感じる味でした。
🚠 メイン2皿。どちらも美味しすぎました
「鮑のポワレ 2種類の香草バターソース」(写真左)もホテルの名物。
2種のソースはエシャロットと白ワインのソースとか。ここまで柔らかい
鮑も初めてです。「三重県産黒毛和牛ステーキ マデラソース」(写真右)、
こちらのお肉もまた柔らかく、少し甘めのソースと相まって、
大変美味しかったです。そして最後に上品なお味のデザート・コーヒーと
続きます。写真にはありませんが、もちちろんお料理に合わせて白ワイン、
赤ワインといただいたのは言うまでもありません。お酒もいろいろと
取り揃えられていました。こちらの「ラ・メール ザ クラシック」の壁には
藤田嗣治さんの大作「野あそび」が掲げられています。
他にもここは美術館?と見まごうほどの充実した絵や作品が、
ホテル内のあちらこちらに飾られています。
🚠 宿泊客限定のゲストラウンジにはリーディングルームやリスニングルームも
食後はゲストラウンジでまったり。こちらでもお菓子や飲み物、
アルコール類などがセルフスタイルでいただけます。
しかしもうお腹いっぱい…最高に幸せな気分です。
ザ クラシックの部屋に引き上げ、ベッドに横たわってみると、
ちょうどいい具合のマットレス。聞くとやはりシモンズだそう。
起きてないともったいないと思いつつ、すぐ深い眠りについてしまいました。
🚠 落ち着いた雰囲気の部屋は使い勝手もよく、リラックスできる
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【デジカメは どんな亀かと 祖母が訊く(シルバー川柳)】