ベランダガーデニングに!
茉莉花(まつりか)の育て方
「花を知り、楽しむ」マンション住まいでも園芸を楽しめるベランダ
ガーデニングの方法をお勉強しましょう~品種「茉莉花」の育て方です。
茉莉花(マツリカ)とは?茉莉花の花が咲く季節は?
写真はジャスミンティーを作る過程。摘みたての茉莉花を茶葉に混ぜて、
香りを付けます。茉莉花(マツリカ)は、ジャスミンティーの香りの
元にもなる花ですが、実際の花の姿を見たことがある方は少ないかも
しれません。ハワイではピカケと呼ばれ、ウエディングの際にレイに
仕立てたり、タイでは母の象徴とされ、仏への捧げものやお守りとして
大切にされてきた花です。またエディブルフラワーで、食べることも
できる花です。そして日本では6月から10月初旬が茉莉花の旬!
園芸店やホームセンターでも、苗が入手できる時期です。
これから植え付けても秋まで楽しめる、まだまだ知られていない、この花の
魅力をご紹介していきたいと思います。
🔘 一重咲きの茉莉花
茉莉花(マツリカ)はどんな品種?
まとめて「ジャスミン」と呼ばれることがほとんどで、花の実態が
わかりづらい花ですが、モクセイ科ソケイ属に属し、学名はJasminum sambac、
和名ではマツリカ(茉莉花)、英語ではarabian jasmine
(アラビアンジャスミン/アラビアジャスミン)と呼ばれます。前述の通り、
ハワイではPikake/Pikaki(ピカケ)、タイではMali(マリ)。
フィリピンではSampaguita(サンパギータ)と呼ばれ国花になっています。
タイではこんなふうに茉莉花で作った花輪(プランマーライ)が売られています。
日本では、「ハゴロモジャスミン」や「マダガスカルジャスミン」と、
ジャスミンと名前に入った花と、茉莉花が間違われることが多いです。
これらの花やジャスミンとは異なる花が、茉莉花としてあちこちで
誤用されているのを見るたび、花の仕事をしている身としては、悲しくなります。
「ハゴロモジャスミン」はそもそも香りと咲く時期が違いますし、
「マダガスカルジャスミン」に至っては科も異なる上に、食用には全く
適しません。香りが似ていることからマダガスカルジャスミンという
名が付けられたそうです。
茉莉花(マツリカ)の魅力とは?
香りこそ知名度が高いのですが、あまりにも花の姿が知られていないのが
茉莉花です。私はこの茉莉花の香りに魅せられ、10年ほど前からこの花木の
コレクションを始めました。現在では大小合わせて18鉢をベランダで
育てています。毎年、6月の中旬になると一斉に花が咲き、素晴らしい香りが
漂う季節が始まります。朝、ベランダに出て、ジャスミンティーをさらに
濃厚にしたような香りに包まれるのが、至福のひととき。
茉莉花は桜のようにみっしりと花は付きません。でも、星のような一重、
ふんわりと丸く咲く半八重、そしてバラ咲きやボタン咲きとも呼ばれる
八重など、それぞれ形のよい花の形が魅力的です。
実は香りの強さもそれぞれ微妙に違い、一重がもっとも強く香ります。
🔘 八重咲きの茉莉花。開花から時間がたつとピンク色へと変化します
茉莉花(マツリカ)がベランダガーデニングに向いている理由
茉莉花は、なんといっても開花期が長く、6月から10月頃まで、休みなく
花を付けることが魅力です。一度にたくさんの花は咲きませんが、枝先に
いくつか蕾が付いて、順に花が咲いていきます。花は一日花で、一重と
半八重の花は翌朝ぽろりと落ち、八重咲はだんだんとピンク色に
変色していきます。 病害虫にも強く、水持ちがよく、日当たりが多少
悪くとも花を咲かせる、本当に優秀な花木です。樹形も大きくなりませんので、まさに集合住宅のベランダにぴったりな花木といえます。
🔘 今年の新入りの2鉢です。右が一重、左が八重
茉莉花の育て方のポイント
茉莉花の育て方について、一般的には冬は屋内で管理するというように
書かれていますが、私の経験では関東であれば屋外で越冬が可能です。
病害虫の被害はほとんどありませんでしたが、私のベランダでは近くの
木からうつったと思われる「オンシツコナジラミ」が2019年大発生
してしまいました。一時はもうこれで全滅か……とも諦めかけましたが、
晩秋にすべての葉を取り除き、土を変えたところ、2株は枯れてしまいましたが、
その他の株は今年の春には新芽が出て、また元気な姿に戻ってくれました。
それ以降、病気を防ぐために、水やりの際には葉の両面にしっかりと水を
かけるようにしています。土は水はけのよい土がおすすめです。私の場合は
鉢で育てていますので、2年に1回を目安に土を入れ替えていますが、
今年は茉莉花の土を「バイオゴールドの土 ストレスゼロ」に入れ替えました。
肥料は植え付け/植え替え時に元肥を適量施し、生育期の4月頃から
10月頃まで「バイオゴールド オリジナル追肥」を置いています。
植え替えのおすすめの時期は6~7月と9月です。植え替え時に
根を切らずに分けられるようでしたら、株分けするのもおすすめです。
茉莉花は、数本の苗を1つのポットに寄せているので、枯れた枝が残る場合もあります
ので、このような際に取り除くと、すっきりとします。
一重と半八重の株はつる性が強いので、あんどん仕立てにすることも可能です。
これらは株が大きくなるにつれて、枝が暴れるようになりますので、
バラなどに使う支柱を立てると見栄えが良くなります。
茉莉花の飾り方、楽しみ方
一重と半八重のマツリカは花がきれいなまま落ちます。風が強い日などは
蕾のまま落ちてしまうことも。そんな花びらが傷んでいない花を捨てて
しまうのが惜しくて、私は水に浮かべて楽しむことにしています。
こうすると、近くを通るたび、茉莉花の香りを家の中でも感じることが
できますし、目にも涼やかなしつらえになります。
7月のベランダガーデニングの様子
我が家のベランダガーデンの様子をお伝えします。植え付けから1か月が
たちました。2020年は日照不足で生育がよくありませんが、
バリエーション豊かに咲いています。
トレニア
🔘 6月の「スーパートレニア カタリーナ ブルーリバー」(両端)
7月の状態です。だいぶ大きくなりました。次から次へと開花するので
「花がら」もせっせと摘んでいます。ちなみに中央に置いた花は
カリブラコアの「スーパーベル ダブルブルー」
こちらの生育と花付きも、日照不足のためかいまひとつ……
晴天に期待しています。
バーベナ
「スーパーベナ ホワイト」は脇枝が伸びてボリューム感が増しましたが、
花はひと休みといったところ。春に比べると花のサイズも小ぶりです。
枝葉が伸びたこともあって、水枯れしやすくなっています。
一般的なバーベナはこの梅雨の時期にウドンコ病にかかりやすいです。
ウドンコ病とは、植物の葉が小麦粉をまぶしたように白くなってしまう
カビによる病気で、1年中注意が必要です。このスーパーベナは
今のところ大丈夫。ただ、株元の葉が枯れるのが気になります。
フェアリースター
とても大きく育っています。花付きも上々。ただ、同じ苗を2ポット
買ったのですが、育つにつれ花のサイズがずいぶん違っています。
かなり個体差が出る印象です。
サルビア
今回初めて挑戦したのが「サルビア チャメドリオイデス」です。
育てる難易度が高そうだなと思いつつ、繊細な花とシルバーグリーンの
葉色にひかれて購入。花は早々に終わったものの、美しい葉がいきいきと
元気に育っています。
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