ポジティブな目線で、今までの自分の人生を捉える
今後の人生を生きるのは、言うまでもなく、これまでの経験を積み重ねてきた
自分。だから、過去からつなげて考えてみます。
これからの人生、お金のことばかり不安がるのではなく、新しい生き方を
模索できるチャンスと捉えましょう、ということ。そして、何十年と
生きてきた中で誰もがたくさんの経験を積んできていて、それは決して
「小さなこと」と思う必要はないということ。
ポジティブな目線で、今までの自分の人生を捉えていただきたいと思います。
そのことを前提に、前回は今までの人生経験を客観視するワークを
行っていただきました。今回も2つのワークを行いながら、
これからの道を探っていきます。
ワーク1: これまでの人生で得たこと、教訓は ?
1つ目は、自分が「大事にしていること」「おろそかにしていたけど、
これから大事にしたいこと」とは何かを考えます。
「大事にしている」こととはすなわち、あなたの価値観。ここで導き出した
見方や捉え方は、明日、すぐに役立つとは限りません。でも、今後の
長い人生の中で、例えば何か判断しなくてはならないとき、必ずあなたの
軸になってくれるでしょう。
具体的には、前回、「自分史ワーク」の中で思い出した印象的な出来事を
基に考えます。その出来事から「得たこと」や「教訓」を書き出してみましょう
文字に起こすことは、実はとても大事なこと。頭の中でボンヤリしていた
ことを一度外に出し、目で見て、頭に入れ直す。そうすることで、納得が
生まれやすくなります。このとき、
もう一人の自分が自分にアドバイスする感覚で行ってください。
続いて、「どんな場所で何ができるか」を考えていきましょう。このときも、
ちょっと発想の転換を。「どんな場で自分を生かすか」ではなく、
「どんな場なら、自分は生かされるのか」
と考えてみてください。若い頃は、「これがしたい」
「私にはこれが向いている」という熱い思いを原動力に行動することが、
「自分を生かす」ことだと考えたかもしれません。
もちろんそれも大事なことです。でも、「生かす」というのは、
「生かされる」先があってこそ。年齢を経た私たちは、
「自分の経験はどんな場で役立つだろう、求められるだろう」と
考えてみると、自分を生かせる、真の道が見えてくるはずです。
ワーク2:周りの困りごと、自分のできることを考える
2つ目は、あなたが「生かされる」場を探るワークです。
「家族・身内」「地域」「仕事」「趣味・学び」の4つのカテゴリーに分けて、
それぞれの場所で求められていること、つまり、その場の「困りごと」や
「課題」を書き出します。それに対して、自分ができることは何か、
考えてみましょう。
例えば、あなたの住む「地域」はどんな人手や知恵を求めているでしょうか?
「地域」の場合は、自治体のホームページなどで調べてみるとわかりやすいです。
空き家問題、高齢者問題、ひとり親支援などの課題に対して自分が
できることも、併せて考えてみましょう。
自分ができることを無理なく始める
地域や誰かの役に立つといっても、立派なことをしようと思う必要は
ありません。「役に立つ」とは、他者に必要とされる人になること。
外国の貧しい子どもたちや被災地を支援することなどだけが
「役に立つ」ことではなく、夫に必要とされることも、立派に自分を
生かすことです。一方で、家族や他人のためには十分尽くしてきたので、
これからは、社会のためよりも自分に向き合う時間がほしい、と思う方も
いるかもしれませんね。もちろんそれも、有意義な生き方です。
では、あなたがしたいことは、どの場所でどう発展する
可能性があるでしょうか? 例えば私自身は、バイクに乗りたくて、
最近、免許を取得したんです。でもこれは、夫と一緒にも楽しめるし、
町おこしの活動に携わって、「バイクロード」を造って人を呼ぶという
アイデアを提案できるかもしれません。
こんなふうに、自分との向き合い方についても自由に考えてみてください。
これから行っていくことは、「小さい」ことからでいいのです。
小さなことをばかにしないで、自分ができることを無理なく始めると、
おのずとそれを必要とする人たちに出会っていけます。
決め付けず、偶然の出会いを楽しむ
実は、私たちは30~40代の頃に、さまざまな人間関係の「種」を
まいてきています。もちろん、環境の変化などによって、今は眠っている
関係性もあるでしょう。 ですが、50年、60年と生きてきた私たちが次の
自分に踏み出すと、埋もれていた関係性がひょこっと立ち上がり、
回路がつながって、自分が生かされる関係性が芽吹いてきます。
これは若い頃にはわからない、この世代ならではの面白み、財産です。
だから「自分はこれしかできない」と決め付けないで、偶然の出会いを
楽しみながら、動いてほしいと思います。
このワークを行ってきた中でも、新しい自分への道が開かれているはず。
まだまだ新しい自分に出会えますし、必要とされる生き方は自分で
つくっていけます。人生100年時代を、前向きに楽しんでいきましょう。
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