足のトラブル解消法
家でできる対策には、どんなものがある?
コロナ禍の今、外出自粛で運動不足になった結果、足のトラブルに
悩む人が増えています。しかし、足の血行をよくする対策は、
家にいてもできるものがたくさんあります。
家でできる足のトラブル防止法を挙げてみましょう
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同じ姿勢を続けない
長時間の立ちっぱなし、座りっぱなしを避け、30分ごとに足の
運動をするようにします。
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足が疲れたらマッサージ
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運動の後や、立ち仕事・座り仕事の後、入浴後などに足を
マッサージして血行をよくします。足先から太ももに向けて
3回~5回、軽くもむ程度で十分です。
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弾性ストッキングを履く
足が重だるい、足が痛い、足がよくつるなどの症状がある場合は、
サイズの合った弾性ストッキングを履くと症状が軽減できます。
弾性ストッキングは、基本的に起きているときに履き、
寝るときは脱ぎます。
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1日に8000歩散歩する
ひざを痛めないように足の運動をするには、1日8000歩の散歩が
ベスト。散歩の時間がとれない人は、外出時にいつもより多く
歩きましょう。
食事で気をつける点は、どんなこと?
どんな食事が足のトラブルに効果があるのかは、今のところわかっていません。
医師としての答えは、「自分で体にいいと思ったものを食べてください」と
なります。 とはいうものの、「何を食べても大丈夫」ということには
ならないでしょう。肥満や便秘は足のむくみや冷え性の原因に
挙げられていますから、少なくともこの二つを防ぐような食事を
とりたいものです。 肥満は、カロリーのとりすぎ、栄養バランスの
かたよった食事、運動不足が引き起こします。外食メニューを好きなだけ
食べていると、簡単にカロリーオーバーになり、食物繊維や各種
ビタミンなどが不足しがちになります。便秘も食物繊維不足や脂肪分の
多い食事が引き起こすことが多いものです。そのような食事はいわゆる
「血液ドロドロ」の状態になりやすいので、血行不良を招きます。
また、塩分のとりすぎにも気をつけたいもの。塩分のとりすぎで水分摂取が
多くなると、血管内の水分量が増えます。これが足の静脈圧を上げるので、
下肢静脈瘤など、足のトラブルに発展する恐れがあります。
足のトラブル対策に効果的な体操や運動は?
基本は、ふくらはぎをよく動かすことです。1日8000歩の散歩を
メインにして、ふくらはぎやアキレス腱を伸ばす運動をこまめに
取り入れましょう。血液を全身に送り出す働きは、心臓という強力な
ポンプが休みなく行っています。心臓が送り出した血液は全身に酸素を
運び、二酸化炭素や老廃物を取り去ります。そして、血液を効率よく
循環させ、心臓に戻すための補助ポンプとしての役割を果たしているのが、
全身の筋肉です。特に、ふくらはぎの筋肉はその役割が大きいため、
「第2の心臓」と呼ばれます。ふくらはぎの筋肉がよく発達し、
毎日活発に動いている人は、足のトラブルが起きにくいといえます。
筋肉が収縮すると、筋肉周辺や筋肉内部の静脈が圧迫され、中の血液が
押されます。静脈には弁がついているため、押された血液は心臓に向かう
方向にしか流れません。こうして、筋肉がポンプの役割をするわけです。
「第2の心臓」であるふくらはぎの筋肉は、心臓から最も遠い場所にある
大きな筋肉です。したがって、ふくらはぎの筋肉をよく動かして血液を
心臓に押し戻すことは、足の血流だけでなく、全身の血行をよくします。
正しい歩き方とダメな歩き方をチェック!
ふくらはぎの筋肉を鍛えるための理想的な歩き方は、かかとから着地して
足の親指で地面を蹴るスタイルです。ふくらはぎやアキレス腱をよく
使うので、この歩き方を守るようにすると、同じ歩数を歩いても、
ふくらはぎのポンプが効率よく働きます。
自分の歩き方をチェックして、正しい歩き方で足の筋肉を鍛えましょう。
正しい歩き方
かかとから着地して、足の親指で地面を蹴り出すようにして歩きます。

ダメな歩き方
アキレス腱やふくらはぎをあまり使わない、「ロボット歩き」「ペンギン歩き」と
呼ばれる歩き方です。アキレス腱の硬い人、ふくらはぎの筋肉が衰えている
人は、知らないうちにこうなっていることがあります。

ウォーキングと筋トレ、どちらがいいの?
明らかに「ウォーキング」です。とにかく1日に8000歩のペースを守って
毎日歩くことが大切です。もちろん筋トレも全身の血行をよくする
効果がありますが、足の血行に注目した場合は、ふくらはぎの運動が重要です。
しかも、時間や場所を選ばずに毎日コンスタントにできる運動であることが大事です。
すると、結論は「散歩がベスト」となります。
毎日散歩を続けるためには、歩ける体を維持することが大切ですから、
足腰のケアには、日ごろから気を配ってください。特に扁平足(へんぺいそく)、
外反母趾(がいはんぼし)の人は歩き方が悪くなりがちですから、
注意が必要です。散歩するときは歩きやすい靴や服装を選び、飽きないように
適当にコースを変えるなどして、散歩の習慣が定着するようにします。
歩数計を使って、毎日の歩数を管理するのもいいでしょう。
また、休日などにまとめて歩く人は、平日の運動がおろそかになりがちです。
急にたくさんの歩数を歩くと、ひざなどを痛める恐れがあるので、
注意しましょう。休みなく働いている心臓を補助するのですから、
ふくらはぎの運動もムラなくコンスタントに行いましょう。
理想的な歩き方とは?
かかとから着地して、足の親指で地面を蹴る歩き方が理想です。
- まっすぐに立ち、背筋を伸ばします。よく演劇などでいわれるように、
「頭を天井から糸で吊るしたように」意識すると、背筋がまっすぐに
伸びます。1分間くらいそのままでいて、体に背筋を伸ばした
状態を記憶させましょう。
- その姿勢から歩き出しますが、視線を10mくらい先に固定し、
歩幅をやや大きめにとって、しっかり腕を振ります。
- つま先とひざの向きを揃え、外股、内股にならないようにします。
腕はひじを軽く曲げ、心臓の高さに近い位置を保ってコンパクトに
振るのがコツです。
大事なことなので何度もいいますが、かかとから着地し、足の親指で地面を
蹴って前に進むことを意識し、アキレス腱がしっかりとふくらはぎの筋肉を
動かしていることを確認してください。これが、足の血行をよくする
一番の方法です。歩く速度は、正しい歩き方ができると自然に速くなるものです。 時速5~7kmくらいを目標にするといいでしょう。歩幅を大きめに
とっての速歩が、体に健康的な負荷をかけることになります。
自分で正しい歩き方ができているかどうかわからないときは、
誰かに前からと横から、歩く姿勢を見てもらうといいでしょう。
自分の靴の底を見て、かかとの外側と親指部分が摩耗しているようなら、
正常な歩き方をしている証拠です。
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