【夫と死別】初めての一人暮らし体験談
夫との死別の体験記である。子どもたちも大人になり、これから夫婦で楽しく
暮らしたいと思っていた矢先、夫に先立たれた女性がいる。独りになって彼女は
何を考えたのか、そしてどうやって立ち直っていったのだろうか?
夫は帰宅しなかった。死別に絶望した日々
3年前、夫に突然、先立たれたのは彼女(58歳)だ。28歳で同い年の
男性と結婚した。夫が亡くなった当時、長男は独立しており、長女は
大学4年生だった。「いつものように朝、夫を見送ったのに夫は帰って
こなかった。夜、病院から電話があって駆けつけたときは意識不明でした」
帰宅時、駅のホームで突然倒れたという。脳溢血だった。5日間、
生死の境をさまよった夫は、意識が戻ることなく旅立っていった。
「何が起こったのかよくわかりませんでした。夫が倒れる前日の夜、一緒に
夕食をとりながら『近いうち、旅行でもしよう』と話したばかり。
私はパートで仕事をしていますが、その仕事が15年という節目にあたり、
会社から金一封をもらったんですよ。少しですけどすごくうれしかった。
夫はそのことも褒めてくれて、『お疲れさま』ということで、旅行の話に
なったんです」友達感覚の強い夫婦だった。若い頃は派手な喧嘩もしたが、
子どもが成長するにつれ、お互いに喧嘩を避けて話し合えるように
なっていった。「30代は私もほぼ専業主婦で、家事と子育てで手いっぱい。
ストレスがたまって夫に愚痴ばかり言っていた時期もあります。
夫の浮気を疑ったこともある。だけど決定的に嫌いになるようなことは
ありませんでした。50代になってからは、二人でときどき近所の居酒屋に
行ったりして、近所では仲のいい夫婦とみられていたと思います」
これから二人だけの生活を楽しもう、もう一段、関係を深めていこうと
思っていたからこそ、彼女は夫がいなくなったことに耐えられなかった。
娘が就職で家を離れ、一人暮らしになった
「夫が亡くなって3か月後には、娘が就職で遠方へ行くことになりました。
もう決まっていたことだから仕方がないけど、私はいきなり生まれて
初めて一人暮らしを余儀なくされた。最初は、独りでいることがつらくて
寂しくてたまりませんでした」 パートは続けていたものの、朝起きても
おはようという相手がいない。夕飯を作っても誰も食べてくれない。
それまでも独りで夕飯をとったことは多々ある。だが、その後、娘か夫が
帰宅するのが常だった。夫は遅く帰宅しても、軽く何か食べたいと
いうことがあったので、「こんな夜中に」と文句を言いつつお茶漬けなどを
用意したものだった。「そういうささいな日常が懐かしくて。仕事の帰りなど
にスーパーに寄ると、あ、これ夫が好きだったなと思い出してつい買いそうに
なったり。その都度、もういないんだと思い知らされる。
それがつらかったですね」何度、独りで泣きながら寝たことかわからない。
それでも彼女は踏ん張って仕事だけは続けていた。仕事をなくしたら、
家にこもって自分がダメになっていくとわかっていたからだ。
ある日、はたと目が醒めて
1年ほどたったころだろうか、ある日、学生時代の友人たちと食事をした。
久しぶりに時間を忘れて楽しみ、ふと時計を見て、「帰りの時間を
気にしなくていい」ことに気付いたという。
「夫がいるときは夜遅くまで、友達と外にいるなんて考えられなかった。
うちの夫は、自分が帰宅したときに私がいないと嫌がるんです。だから
休日に出掛けることもできなかった。そのとき初めて、あ、私はこれから
自由なんだと心から思いました」
娘にそういうことをメッセージすると、これからはもっとどんどん
遊べばいいよと返信がきた。親元からそのまま結婚した彼女にとって、
寂しかった一人暮らしが、自由そのものへと変化した瞬間だった。
「それから何をしようか、何がしたいかと考えるようになって。
やってみたかったヨガ、水泳、陶芸、手芸、楽器など、いろいろなものを
体験してみました。結局、昔やっていたピアノを再開、友人たちとバンドを
組もうと話しています。週末はスポーツジムに行ったり、独身の友人と
食事をしたり。一気に世界が広がって、新しい友だちもたくさんできました」
時間がたつと我慢していた記憶も思い出した
それと同時に、結婚しているときに感じた不自由な記憶もよみがえってきた。
夫が亡くなった当初は、自分たちは仲がいいと思い込んでいたし、
夫のいいところばかりよみがってきて苦しかった。だが時間がたってみると、
少し違う感想が湧き起こってきている。
「夫は私が華やかな色の洋服を着るのを嫌っていました。だからいつも
黒とかグレーとか暗い色ばかり着ていたんです。でも最近、久しぶりに
洋服を買いに行ったら、華やかな色が着たくてたまらなかった。
思い切ってオレンジのサマーニットを買ったら、みんな褒めてくれる。
自分でも明るい気分になれる。気付かないところで、自分の気持ちを
押し込めていたんだなと改めて感じました」
だからといって、27年にわたる結婚生活を悔いてはいない。夫に恨みが
あるわけでもない。ただ、この先、独りで楽しんで生きていくことができると
自信がついたという。「独りになったらなったで、人間は楽しみを
見つけるものなんだと思います。妻に先立たれた夫は長生きしないけど、
夫に先立たれた妻は長生きするっていいますよね。たぶん、気付かない
ところで夫がストレス源になっているんじゃないでしょうか。夫と老後を
楽しむことはできなくなったけど、
夫の分まで長生きしてやろうと思っています(笑)」
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和子のお友達はご主人が定年退職をされて、ご主人の趣味の加齢菜園が
遣りたくって埼玉の彼女の実家の近くに平屋建ての家を買って畑を借りて
家庭菜園を始めて10年経たない内に74歳の若さで突然亡くなって前夜は
夫婦仲良く夕食を済ませて就寝し、朝起きて来ないから彼女が起こしに行くと
冷たくなってたと・・・
色々と警察の方が見えて事情聴取を受けて司法解剖をして大変だったと
一応の行事を終えて落ち着いた時は、夕飯の支度をする頃に成ると
ご主人を思い出し・・・「何で逝っちゃったのよ~」って泣いて暮らしたとか
和子はお陰様で未だ夫も元気で喧嘩相手をして呉れるから夫に先立たれた
苦しみは分かりませんが・・・いずれその様な時も・・・(涙・・・)