【NO・02】・気をつけたい、毒性のある食品、後10
日常的に食べているあの食材も
01)マグロ
マグロなどの大型の魚は水銀中毒の危険があるので食べる頻度を考える
必要がある。魚の水銀汚染は、工場などから自然環境に放出されてしまった
水銀が天然のバクテリアにより吸収され、メチル水銀となって食物連鎖に
入ることで起こる。バクテリアを小さな魚が食べ、その小さな魚を大きな
魚が食べるため、マグロなどの大型魚になると体内の水銀濃度が高くなる。
米国食品医薬品局(FDA)は、体重に応じて個人が摂取してもよいマグロの
頻度を発表しており、それによれば、体重50キロくらいの人の場合は
約2週間、つまり、1ヶ月に2回程度が参考摂取頻度となっている。
体重の軽い子供の場合は2ヶ月に1度などと推奨頻度が変わるので、
子供に多くツナ缶を与えている人は少し控えた方がいいかもしれない。
また、妊婦の場合、ツナ缶の摂取は頻度を守れば問題ないが、
新鮮であってもマグロステーキは避けることが推奨されている。
02) ナツメグ
ホリデーシーズンになるとデザートによく使われる香辛料のナツメグも
毒性があるので多くを摂取するのを避けたい食品だ。ナツメグには、気分を
高揚させる薬物を使ったときのような「ハイ」になる化学物質ミリスチシンが
含まれており、短時間だが、見当識障害、幻覚、過度の興奮などの
精神病症状を引き起こす。 イリノイ州毒物センターの研究では、粉末状に
なったナツメグ小さじ2杯程度で中毒を起こし、あまりに過剰な摂取は
臓器不全につながる可能性もあるという。 しかし、ナツメグを使った
ほとんどのクッキングレシピでは小さじ1/4から1/2程度しか使っておらず、また
出来上がった料理全部を一人で一気に食べることはほぼないと
考えられるので、日常的に使用しても問題とはならない。
03) キャッサバ
キャッサバ(ユカ)は干ばつに強い作物の一つとしておもに発展途上国で
栽培消費されている。最近では、グルテンフリーの代用品として世界的に
人気が出ている食品の一つだ。 キャッサバでおもに使用されるのは
根の部分で、丸ごと食べたり、すりおろしたり、小麦粉のように
すりつぶしてパンなどを作ることができ、タピオカの原料とされる
場合もある。 しかし、生のキャッサバの葉と根にはシアン化物が
入っているので注意。食用として消費する前には必ず皮をむいて、正しく
調理すること。
04) フグ
毒を持つ魚として有名なフグだが、周知されているにもかかわらず、
毎年、食中毒の報告が絶えない。東京都の報告によると、自分で釣ったふぐを
調理して食べたことによる重症事例や死亡事例が発生しているという。
フグ毒は猛毒のテトロドトキシンを含んでおり、その毒性は青酸カリの
1000倍以上ともいわれている。摂取すると食後20分から3時間程度で
しびれや麻痺症状が起こり、重症の場合は死に至る。また、調理にしても
無毒化することはない。
05) 唐辛子
唐辛子には、辛みの原因となるカプサイシンと呼ばれる化学物質が
入っている。カプサイシンは死に至るほどの毒性は持っていないが、多く
摂取すると肺が収縮し、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、灼熱感を引き起こす
可能性がある。 また、唐辛子はペッパースプレーの原料ともなっており、
皮膚に付着すると炎症を伴う痛みや赤みを引き起こす。目に入ると激しい
痛みを伴い、涙や赤みが生じる。カプサイシンに敏感な人は喘息発作や
呼吸困難となる可能性もあるので注意。
06) ナチュラルチーズ
カマンベールチーズなどの柔らかいチーズは非常に美味だが、実は、
これらの柔らかいチーズ(ナチュラルチーズ)は原料が低温殺菌されていない
場合もあり、毒性がある食品とされている。 低温殺菌とは、牛乳を特定の
温度に加熱することによって有害な細菌を殺すプロセスで、リステリア症、
腸チフス、結核、ジフテリアなどの病気の原因となる有害な菌である
リステリア菌などを殺してくれる。そのため低温殺菌をしていない生乳や
入っている可能性もあるので注意が必要だ。
健康な大人であれば問題なく摂取できる場合が多いが、免疫力が落ちて
いる場合は食中毒を起こすので、ナチュラルチーズは米国には商業的に輸入されていない。 とくに、妊娠中の女性は、リステリア菌が流産、病気、または
新生児の死亡を引き起こす可能性があるので、ナチュラルチーズは控えるか、
低温殺菌されている商品かどうかをきちんと確認して購入したい。
07) カシューナッツ
カシューナッツは、殻にアナカルド酸という毒素が含まれている。
カシューナッツが殻付きで売られているのは見たことがないのはそのためだ。
このアルカルド酸はアレルギー反応を起こす可能性がある漆の
ウルシオールとよく似ており、漆と同じくアレルギー反応を起こす
可能性がある。 市販のカシューナッツは、殻を取り除くためにロースト
などの熱処理がされているのでその過程で毒性がなくなり、問題なく
摂取できる。 しかし、生のカシューナッツは殻の取り扱いはもちろん、
食べる前には茹でたり、焼いたりする熱処理を忘れないように行う必要がある。
08) モロヘイヤ
モロヘイヤはジュートと呼ばれ、葉を調理してヌメヌメ感を味わいながら
ビタミンやミネラルが補強できるとして人気の食品。しかし、モロヘイヤの
茎や種子にはストロファンチジンという毒素が入っているので気をつけたい。
この毒素は、摂取するとめまいや嘔吐などの中毒症状を起こすもので、
長崎県の農家で実のついたモロヘイヤを食べた牛が死亡したという事例も
報告されている。 食用として市販されているモロヘイヤは葉の部分のみで
茎や種子の部分は含まれていないので安全だが、家庭などで栽培する際には
間違って混入したり、子供が種を食べないように注意したい。
09) エルダーベリー
薬用シロップやソーダ、リキュールなどに使われる薬用植物の一つに
エルダーベリー(西洋ニワトコ)がある。ポリフェノールやビタミンA、
ビタミンCを含むとして食用としても人気だ。 しかしエルダーベリーには胃に
障害を引き起こすレクチンという物質が含まれている。この物質はおもに
樹皮、未熟な果実、種子に含まれており、熟した実でも、熱を加えて調理することが
求めらている。また、青や黒色のエルダーベリーのみが食用であり、それ以外の
色の実は食べないようにしたい。
10) アキー(ackee)
アキーはジャマイカ原産の果物。人気の果物だが、19世紀ごろから有毒で
あることが知られており、非常に危険な果物として米国が生の果実の輸入を
禁止しているほどだ。 果物は赤く熟れた状態でなら摂取可能。しかし、
まだ黄色く未熟な果実には毒性レベルが高いヒポグリシンAが含まれている。
これを摂取すると、嘔吐、低血糖、さらには死に至る可能性もある。
また、黒い種子は果実の成熟に関係なく常に有毒である。
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