【NO・01】・気をつけたい、毒性のある食品10
日常的に食べているあの食材も ・・・
01)リンゴやサクランボの種
リンゴやサクランボの種には微量のアミグダリンという物質が
含まれている。この物質は動物や人間が食べると体内で加水分解され、
シアン化合物(シアン化水素など)が生成される。シアン化水素は
青酸のことで、中毒となると死に至ることもある猛毒だ。
リンゴやサクランボの種以外にも、バラ科サクラ属の果物の種には
同じようにアミグダリンが含まれている。バラ科サクラ属のフルーツには、
あんず、梅、スモモ、桃、プルーン、ネクタリンなど、果実の真ん中に
一つだけ大きな種が入っている核果の種類が多い。
ただし、一度に数百個食べると健康に影響に出るというレベルなので、
リンゴやサクランボの種を間違って飲み込んでしまっても
それほど心配する必要はない。 気をつけたいのは、シアン化合物が
高濃度に含まれる青梅とビワなどの種などを粉末にしてビタミンB17と
謳っている商品。青梅は梅干し、梅酒などに加工することでシアン化合物が
分解される。また、ビワの種ががんに効くという説があるが、医学的には
否定されている。
02)ジャガイモの芽
料理する際にジャガイモの芽を取り除く人は比較的多いと思うが、
なぜ取り除いた方が良いのか? ジャガイモの芽とそのまわり(根元)には
グリコアルカロイドという毒素が含まれているからだ。これはソラニンや
チャコニンとも呼ばれる天然毒素で、大量に摂取すると危険となる。
また、ジャガイモの皮で緑色になっているところにも同じ天然毒素が
存在する。ジャガイモの皮は日に当たると緑色になりやすいので、
ジャガイモを保存するときには冷暗所を心がけたい。
グリコアルカロイドは猛毒ではないが、あまり多く口にすると吐き気、
下痢、錯乱、頭痛を催したり、重症の場合は死を引き起こす。
とくに、小さいジャガイモや地中の浅い所にあったイモにはグリコ
アルカロイドが多く含まれる可能性が高いので要注意だ。
グリコアルカロイドはジャガイモに苦味を与えるので、少し食べてみて
苦い、エグ味があると思ったら避けるのが賢明だ。
03)マンゴー
マンゴーはウルシ科の植物なので、アレルギー反応を起こす人もいる。
マンゴーの皮、樹皮、葉にツタウルシの毒素であるウルシオールが
含まれており、ツタウルシにアレルギーを持っている場合はかぶれ、
水膨れのような痛みを伴う発疹を引き起こしてしまう。また、強い
アレルギーを持っている場合は、マンゴーを食べることで呼吸困難などが
引き起こされる可能性もある。ただし、マンゴーの実自体に
アレルギー反応を起こす人は非常に稀である。
マンゴーを食べたときに口のまわりが痛いと感じた場合は、すぐに
きれいに水で洗い流すことをお勧めする。ウルシオールのアレルギーは
日を追ってひどくなる場合もあるので、数日は患部を観察し、ひどく
なってきたら病院へ。 当然ながら、リンゴのようにマンゴーを
丸かじりするのは避けたい。
04)トマト
ジャガイモの芽と緑の皮に含まれている天然毒素に似たものが
トマトにも含まれている。トマトの毒性であるグリコアルカロイドは
トマチンと呼ばれており、トマトの緑色の箇所、葉や茎、そしてまだ青い
未熟果に含まれている。真っ赤に熟した完熟果実にはほとんど含まれない。
また、トマチンが最も多く含むものはトマトの花なので、家庭菜園などで
育てている場合は、好奇心から花を食べてしまわないように注意。
ただしジャガイモと同じで、相当数食べなければ死に至るようなことは
ないので、あまり神経質になってトマトの完熟度をチェックする必要は
ないだろう。 青いトマトを食べた場合でも、トマチンは体外に排出され
蓄積されることはないので少量なら数日にわたって食しても問題はない。
05)スターフルーツ
星形で大変かわいらしいフルーツとして人気のスターフルーツ。
実は、スターフルーツにはシュウ酸塩が比較的多く含まれるので、腎臓に
トラブルを抱える人は避けたいフルーツだ。 また、一定の処方薬を
服用している人も薬の効果に影響を及ぼす可能性があるので摂取前には
医師に相談したい。
06)ハチミツ
ハチミツには人間の体内では生成できない必須アミノ酸などの多くの
栄養素が含まれているが、同時に、ピロリジジンアルカロイドという毒素が
存在する場合もある。ピロリジジンアルカロイドは植物が生成する毒素で、
それらの植物の花から集められたハチミツに毒素が移行している
可能性がある。しかし、一定量内であれば中毒リスクが少ないこと、
また、ピロリジジンアルカロイドを含むことが多いとされる特定の
植物だけからハチミツ集めることは控え、多くの植物のハチミツを
ブレンドするように養蜂業へ指導がでているので、日常の食生活での
心配はない。 また、ハチミツにはボツリヌス菌が混入していることがあり、
ボツリヌス症という神経系に影響を与える中毒を起こす。大人の場合は
少量を体内に入れてしまっても問題はないが、乳児は要注意。乳児は
消化器官が未熟なので体内にボツリヌス菌が侵入すると乳児ボツリヌス症の
リスクが高まる。 ボツリヌス菌は熱に強いので、とくに12ヶ月未満の
乳児には、ハチミツそのものはもちろん、ハチミツを含む食品を
あげないようにしたい。
07)アーモンド
アーモンドにはいくつかの種類があるが、大きく分けると
スイートアーモンドとビターアーモンドに分けられる。
スイートアーモンドはビターアーモンドの異種で、人間の摂取に
向いているが、ビターアーモンドはそのまま食べるのではなく、おもに
抽出物を作るために使用される。 そして、このビターアーモンドは生の
状態ではアミグダリンという毒素を含み、食べると毒素が体内で
シアン化水素などのいくつかの化合物に分解され中毒を引き起こす。
毒素を取り除くためには熱処理が必要だが、その安全性の確認については
まだまだ研究段階という。そのため、ビターアーモンドは避けるのが賢明だろう。
08)貝類
貝類を食べて食中毒になるケースは比較的頻繁に発生するが、その原因は
貝毒はマヒ性の毒で、牡蠣、ホタテガイ、アサリなどの二枚貝が餌として
ある種の植物プランクトンを食べることで生成される。毒性が強いので
要注意だ。 ノロウイルスなどは熱に弱いが、貝毒は加熱によって毒性が
失われることはない。 商品として出荷、市販される貝には規制が
かけられているので貝毒の心配はないが、潮干狩りなどで自分で貝を
取る場合は注意すること。ただし、毒化した貝類がどれであるか外見からの
見極めはできない。 また、キンシバイという巻貝があり、食用に
売られていることはないが、フグ毒とおなじテトロドトキシンが
入っているので潮干狩りの際は注意したい。
09)ひまし油・キャスターオイル
ひまし油はトウゴマの種子からとれるオイルで、工業原料や医薬品として
昔から使われていたことに加え、最近ではアロマオイルの愛好者から人気が
高い。オイルが鎮痛剤や抗炎症剤としての効果が期待されるリシノール酸を
含むためであるが、同時に、過剰摂取すると有毒となる要素も入っている。
ひまし油に含まれる毒素はリシンで、原料となるトウゴマの種子をそのまま
飲み込んでも影響はないが、種子をつぶして絞った油では毒性が高く
なっている。少量で致命的となるのでひまし油を購入するときは豆が
すべての安全ガイドラインに準拠していることを確認することが必要。
また、ひまし油は食用ではないので、間違って口にすることがないようにしたい。
10)インゲン豆
インゲン豆は、生で食べると中毒を起こす可能性がある。豆類には、
天然の殺虫剤として機能するタンパク質であるレクチンが含まれている。
そのため、生で大量に摂取するとレクチンが消化器系の細胞の表面に結合し、
吐き気、下痢、嘔吐などの症状を引き起こす。 少量なら問題はないが、
食べるときは完全に火を通して食することがおすすめだ。これは、
インゲン豆だけでなく、エンドウ豆などのほかの食用の豆にも共通して言える。
また、エンドウ豆に似たスイートピーの豆はマメ科レンリソウ属で、
毒性があり、食用ではないので注意。
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